福岡市では、市内に住む対象年齢の方向けに、手ごろな費用でさまざまながん検診を実施しています。
条件に合う方は費用が全額免除になり、対象者には無料クーポン券が配布されるため、自己負担なしで受けられる可能性もあります。
福岡市はがんの早期発見と早期治療、がんが原因の死亡率低下を目的に複数の検診を用意していますが、それぞれ対象年齢や費用が異なるため事前確認が必要です。
本記事では、福岡市のがん検診の内容や実施医療機関、受診までの流れなどを詳しく解説します。
また、福岡市のがん検診は年齢的に対象外となる方向けに、福岡で受けられる高精度のがん検診についてもあわせて紹介します。
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
福岡市のがん検診制度について(令和7年度)

福岡市では、がんの早期発見や死亡率低下を目的に、市内在住の方を対象に複数のがん検診を実施しています。
福岡市で受けられるがん検診の種類や費用、受診料金が全額免除になる方、受診までの流れなどを詳しく解説します。
受けられるがん検診の種類・費用
福岡市では現在、6つのがんに対する検診が実施されており、費用は実施場所により異なる場合があります。
福岡市で受けられるがん検診の種類と費用の一覧表は、つぎのとおりです。
| 検診名 | 健康づくりサポートセンターでの費用 | 福祉施設センター等での費用 | 実施医療機関での費用 |
|---|---|---|---|
| 子宮頸がん検診 | 400円 | 400円 | 1,200円 |
| 乳がん検診(マンモグラフィ 2方向) | 1,300円 | 1,300円 | 1,500円 |
| 乳がん検診(マンモグラフィ 1方向) | 1,000円 | 1,000円 | 1,200円 |
| 胃がん検診(内視鏡検査) | 1,800円 | ― | 1,800円 |
| 胃がん検診(バリウムによる胃透視) | 600円 | 600円 | 1,800円 |
| 大腸がん検診 | 500円 | 500円 | 500円 |
| 肺がん検診(胸部X線検査) | 500円 | 500円 | ― |
| 肺がん検診(喀痰細胞診検査) | 1,200円 | 1,200円 | ― |
| 結核、肺がん検診(胸部X線検査) | 無料 | 無料 | ― |
| 結核、肺がん検診(喀痰細胞診検査) | 700円 | 700円 | ― |
| 前立腺がん検診 | ― | ― | 1,000円 |
福岡市のがん検診は、実施場所により費用が異なったり、実施場所が限られていたりするため、事前によく確認しましょう。
受診料金が免除になる方
福岡市は、次の5つの要項のいずれかに該当する方の検診費用を全額免除しています。
- 満70歳以上の方
- 70歳未満で後期高齢者医療に加入している方
- 生活保護受給世帯の方
- 中国残留邦人等で支援給付を受給している方
- 市県民税非課税世帯の方
受診料金の全額免除を適用するためには、要項に該当していることを示す証明書が必要です。
全額免除を希望する方は、事前に必要な証明書の種類を確認し、検診当日忘れずに持参しましょう。
検診を受けるまでの流れ
福岡市でがん検診を受けるまでの流れは、次のとおりです。
- 受診する検診を決める
- 受診場所を決める
- 実施場所に連絡して予約をする
福岡市内でがん検診に対応している医療機関は複数あります。
専用サイトで、自身が受けたいがん検診を実施している医療機関を検索し、都合のよい日時で予約しましょう。
当日は受診料金と保険証、受診料の全額免除を希望する方は必要書類を持参してください。
実施医療機関の調べ方
福岡市でがん検診を実施している医療機関を調べる際は、専用サイト「けんしんナビ」の利用がおすすめです。
医療機関検索のページで、希望するがん検診を選択し、現在地やエリア、路線から検索に進むと近隣の医療機関が一覧で表示されます。
また、けんしん日程のページでも、地域ごとに一覧で実施医療機関を確認できるため、自身が使いやすい方法で調べるとよいでしょう。
福岡市のがん検診の詳細

がん検診は、がんの種類により検査内容が異なります。
福岡市で受けられる5つのがん検診の検査内容や対象年齢を、詳しく解説します。
胃がん
福岡市の胃がん検診は、バリウムによる胃透視検査と、内視鏡検査の2種類が用意されています。
バリウムによる胃透視検査は40歳以上、内視鏡検査は50歳以上が対象です。
胃透視検査は、発泡剤で胃を膨らませたところにバリウムを流し、胃の変形や異常がないか調べる検査です。
内視鏡検査は、口や鼻から内視鏡を挿入し、胃の中を観察します。胃の状態を詳しく調べられるため、がんの早期発見に効果的な検査です。
大腸がん
福岡市の大腸がん検診は、40歳以上を対象に便潜血検査で便の状態を調べます。採便は二日間おこない、血液の混入や、目に見えない出血の有無を確認します。
大腸がんは40代から増加しやすいがんで、飲酒や喫煙の習慣がある方、肥満気味の方、赤身肉や加工肉を好む方はリスクが高いです。
また、遺伝的要因も影響するがんのため、血縁者に大腸がんの方がいる場合は、積極的に検診を受けたほうがよいでしょう。
肺がん
福岡市の肺がん検査は、40~64歳が対象の胸部X線検査と、50~64歳が対象の喀痰細胞診検査の2種類が用意されています。
胸部X線検査は、レントゲン写真を撮影し、肺にがんが疑われる白い影がないか確認する検査です。
喀痰細胞診検査は、痰の中にがん細胞が含まれていないか調べる検査で、X線検査で見つけにくい初期のがん発見に効果が期待できます。
肺がんの主な原因は喫煙で、男性喫煙者は非喫煙者に比べて肺がんの罹患リスクが4.5倍も高くなるため、喫煙習慣のある方は必ず受診すべきです。
子宮頸がん
福岡市の子宮頸がん検診は、20歳以上を対象に子宮頸部粘膜の細胞診をおこない、がん細胞の有無や種類を調べます。
子宮の細胞採取に抵抗を感じる女性も多いですが、子宮頸がんは年間約1万人も罹患するがんです。
30~40代の罹患率が高いものの、最近は20代での罹患も増加傾向にあるため、早めの受診をおすすめします。受診は2年に1回の間隔が推奨されています。
乳がん
福岡市の乳がん検診は、40代を対象にした2方向のマンモグラフィ検査と、50代以上を対象にした1方向のみのマンモグラフィ検査が用意されています。
マンモグラフィ検査は、乳房が平らになるように挟んで撮影し、小さな腫瘤や石灰化の有無を調べる検査で、痛みをともなうことがあります。
不安や抵抗を感じる女性も多いですが、発見が遅れると乳房の切除が必要になるケースもあるため、早期発見に役立つがん検診の受診は非常に重要です。
初潮が早い、閉経が遅い、出産や妊娠歴がない方は乳がんの罹患リスクが高いため、該当する女性は忘れずに検診を受けましょう。
福岡市のがん検診で無料クーポン券が利用可能

福岡市では、がん検診の受診を促す目的で、対象年齢の女性に子宮頸がん検診と乳がん検診に利用できる無料クーポンを送付しています。
無料クーポン券の対象者と利用方法について、詳しく解説します。
無料クーポン券の対象者
子宮頸がん検診と乳がん検診に利用できる無料クーポン券は、福岡市に住民登録している方を対象に送付されますが、対象年齢は検診ごとに異なります。
令和7年度のがん検診を例にすると、子宮頸がん検診の無料クーポン券は平成16年4月2日~平成17年4月1日に生まれた女性が対象です。
乳がん検診の無料クーポン券は、昭和59年4月2日~昭和60年4月1日に生まれた女性に送付されます。
令和7年4月20日時点で住民登録している対象者に無料クーポン券が自動送付されますが、4月21日以降に福岡市に転入した方でも、対象年齢であれば料金は無料になります。
無料クーポン券は発行されませんが、住所、氏名、生年月日が確認できるマイナンバーカードや運転免許証を提示して、がん検診を無料で受診するとよいでしょう。
無料クーポン券の利用方法
無料クーポン券を利用する場合でも、予約までの流れは同じです。
検診当日に、無料クーポン券とマイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を提示すれば、検診料金は無料になります。
無料クーポン券は有効期限があるため、ぜひ期間内に活用して無料でがん検診を受けましょう。
マイクロCTC検査で全身のがんリスクを判定可能
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
福岡市のがん検診の対象年齢に該当しない方や、一度に複数のがんリスクを調べたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
血中に漏れ出たがん細胞を捕捉するマイクロCTC検査ならば、がん検診で見落としがちな初期のがんにも高い精度で反応します。
検査内容は1回の採血のみのため、体への負担が少ないことも魅力の一つです。
マイクロCTC検査の詳細を解説するとともに、福岡でマイクロCTC検査を受診できるクリニックもあわせて紹介します。
マイクロCTC検査の仕組み
マイクロCTC検査は、CTCと呼ばれるがん細胞を捕捉する検査で、浸潤や転移の可能性が高い間葉系のがん細胞のみを捉えられます。
血中に漏れ出すがん細胞は大きく分けて、自身の免疫で対応できるケースも多い上皮性がん細胞と、浸潤や転移のリスクが高い間葉系がん細胞の2種類です。
早い段階で間葉系がん細胞を発見できると早期治療が可能で、5年生存率が高まるうえに、体への負担が少ない治療の選択肢が広がります。
採取した血液検体は、国内の検査センターで迅速に調べられる体制が確立しているため、劣化による分析精度低下の心配がありません。
高い精度で間葉系がん細胞を捕捉できるマイクロCTC検査は、がんの早期発見と早期治療に大きな効果が期待できます。
1回5分の採血のみで負担が少ない
マイクロCTC検査はわずか10㏄の血液で、血液がんを除く全身のがんリスクを調べられるうえ、採血は1回5分と短時間で完了します。
がん検診は受けたいが忙しくて時間が取れない、検査内容に抵抗があるなどの理由で、がん検診を受診していない方は多いです。
検査時間が短く、大きな痛みをともなわないマイクロCTC検査ならば負担が少ないため、がん検診のハードルが下がり受けやすくなります。
マイクロCTC検査は、痛みに弱い方や仕事が忙しい方にこそ活用を検討してほしいがん検診です。
福岡市で受診可能なクリニック
マイクロCTC検査を受診できる福岡市内のクリニックは、次の4件です。
- 一般社団法人 恵松会 福岡天神がんクリニック
- MiRAI MEDICAL CLNIC
- 医療法人兎月会 如月総健クリニック
- 城山国際医院
福岡県内までエリアを広げると、次の2件でも受診可能です。
- 医療法人中島こうやクリニック
- ちなみ癌内科診療所
いずれもオンライン予約に対応しています。自身のライフスタイルにあわせて、来院しやすいクリニックを選ぶとよいでしょう。
福岡市のがん検診に関するよくある質問

最後に、福岡市のがん検診に関する3つの質問に回答します。
がん検診のメリットとデメリットや、よかドックの詳細が知りたい方はぜひ参考にしてください。
また、紛失した無料クーポン券の再発行が可能なのかについても回答します。
無料クーポン券を紛失しても再発行できる?
無料クーポン券を紛失した場合、再発行はできません。ただし、公的な証明書を提示すれば、無料で受診できます。
無料クーポン券を紛失した際は、マイナンバーカードや運転免許証などで、住所、氏名、生年月日を証明できれば、がん検診を無料で受けられます。
がん検診のメリット・デメリットは?
がん検診のメリットは、がんの早期発見と早期治療につながり、がんが原因の死亡リスクを大幅に減らせることです。
対して、デメリットには誤判定の可能性があることと、検査にともなう偶発症が稀に起こることが挙げられます。
がん検診の精度は100%ではないため、誤判定が出るケースも否定できません。
また、調子が悪いときにがん検診を受けると、合併症を起こす場合もあるため、体調を整えて受けることが大切です。
がん検診は、あくまで早期発見のサポートとして活用し、不安がある場合は医療機関を受診しましょう。
よかドックとは?
よかドックとは、福岡市国民健康保険に加入する40~74歳を対象にした特定検診と特定保健指導です。
身長、体重をはじめ、尿検査や血液検査、心電図検査などをおこない、結果に応じて専門スタッフによる保健指導やアドバイスが受けられます。
費用は500円ですが、よかドックを受ける年度中に40歳、50歳、70~74歳の方、世帯全員が市県民税非課税の方は無料で受診可能です。
対象者に送付されるよかドック受診券は、受診日にマイナ保険証や資格確認書、健康保険証とあわせて持参してください。
まとめ

福岡では、がんの早期発見や死亡率低下を目的に、複数のがん検診をリーズナブルな料金で実施しています。
無料クーポン券が配布される方や、受診料金が全額免除になる方もいるため、自身が対象者の場合はお得な制度を活用するとよいでしょう。
がんの早期発見は、死亡率の低下のみならず、治療による負担の軽減や選択肢の拡大にもつながるため、定期的にがん検診を受けることを推奨します。
対象年齢に該当せず福岡のがん検診を受けられない方には、少量の採血でさまざまながんリスクを判定できるマイクロCTC検査がおすすめです。
採血は1回5分、わずか10㏄と負担が少ないため、多忙でがん検診の時間が取れない方や、検査内容が不安で先送りしている方でも受けやすいでしょう。
マイクロCTC検査を受けられるクリニックは、福岡県内に6件あります。
がん検診の対象ではない福岡在住の方はもちろんのこと、福岡のがん検診では調べられないがんリスクを調べたい方も、マイクロCTC検査の受診をぜひ検討してみてください。


