日本では1981年から「がん」が死亡原因の1位となり、状況は今日まで変わりません。また、がんの発症は非常に高く、二人に一人の確率で罹患するといわれます。
がん検診を受けたことがない場合「がん検診で本当にがんがみつかるの?」「がん検診はどのくらいの頻度で受けないといけないの?」など、疑問を抱く方もいるでしょう。
自覚症状がないのにがん検診を受ける意味はあるのか、受診する必要性についても理解したいものです。
がんは発見が早ければ治療も早くはじめられるため、生存率が高くなります。今回の記事では、がん検診の目的やがん検診のメリット・デメリットについて解説します。
がん検診についてネガティブなイメージを持つ方、がん検診の内容を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
採血でがん細胞を捕捉「マイクロCTC検査」
- 1cm未満の早期がん細胞も捕捉可能
- がん細胞を直接捕捉・個数まで提示
- 特異度94.45%の検査精度※2
事前準備 | 不要 |
医療被ばく | なし |
検査費用 | 198,000円 |
検査時間 | 1回5分 |
がん検診とは
「がんの疑いあり、精密検査が必要」か「がんの疑いなし、精密検査は不要」なのか調べ、がんの疑いを判定する過程ががん検診です。
国が推奨しているがん検診は5つあります。
国が推奨するがん検診
- 胃がん検診
- 大腸がん検診
- 肺がん検診
- 乳がん検診
- 子宮頸がん検診
検診の対象者は自覚症状がない方としており、検診頻度はそれぞれ異なります。
がん検診を受ける最大のメリットは、がんを早期発見できる可能性が高められることです。一方で、がん検診を受診する方は固定化しつつあり、新しく受診する方が少ない現状にあります。
次項から具体的ながん検診の目的と、がん検診が重要視されている理由を解説します。
がん検診の目的
がんを早期発見し治療につなげることが、がん検診の大きな目的になります。
2019年の男女別がん検診受診率は下記のとおりです。
男(%) | 女(%) | |
---|---|---|
胃がん検診 (40~69歳) | 48.0% | 37.1% |
大腸がん検診 (40~69歳) | 47.8% | 40.9% |
肺がん検診 (40~69歳) | 53.4% | 45.6% |
乳がん検診 (40~69歳) | ― | 47.4% |
子宮(頸)がん検診 (20~69歳) | ― | 43.7% |
がんは二人に一人が発症するとされていますが、がん検診の受診率は十分とはいえません。
がん検診の未受診の理由に多い順番は、次のとおりです。
がん検診未受診の理由
- 仕事や家庭の事情で受診する時間がない
- 健康に自信があるため、必要性を感じない
- 病気の自覚症状が出て心配になれば、医療機関をいつでも受診できる
- がん検診の費用が経済的な負担
- がん検診でがんの可能性を指摘されることが怖い
自覚症状がではじめてからの受診では、すでにがんが進行している可能性もあります。
がんの早期発見と治療開始は生存率を左右するポイントになるため、がん検診の必要性を今一度見直してみましょう。
日本の最も多い死因第1位は「がん」
日本における死因の第1位は、がん(悪性腫瘍)です。1981年にがんが第1位になってから、今日まで変わりません。
2021年にがんで死亡した方は男性222,467人、女性159,038人にものぼります。
死亡数が多いがんの順位は、下記のとおりです。
1位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|
男女合計 | 肺 | 大腸 | 胃 |
男性 | 肺 | 大腸 | 胃 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 |
がん細胞は毎日身体のなかで生まれますが、正常な身体であれば、体内の免疫ががん細胞を退治します。
しかし、加齢や生活習慣の乱れから免疫力が低下すると、がん細胞が免疫攻撃から生き残ることがあります。
がんは発症率が高い国民病でもあるため、がんリスクを定期的にチェックする姿勢が大切です。
がん検診の対象者
がん検診の対象になる方は、年齢で区分されます。
種類 | 対象者 |
---|---|
胃がん検診 | 50歳以上 (胃部X線検査は40歳以上の実施も可) |
大腸がん検診 | 40歳以上 |
肺がん検診 | 40歳以上 |
乳がん検診 | 40歳以上 |
子宮頸がん検診 | 20歳以上 |
対象となる年齢の方は、がん検診をぜひ検討してみてください。
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がん検診のメリット
がん検診は、がんの死亡率を下げられる大きなメリットがあります。
具体的なメリットは、次の3つです。
- がんの早期発見ができる
- がんの早期治療ができる
- 安心して生活できる
次項から一つずつ解説します。
がんの早期発見ができる
がん検診の受診により、がんの早期発見につながります。
そもそもがんは、進行度によりステージ0~Ⅳに分類されます。
ステージ0 | がん細胞が上皮にあり、浅い場所にある。転移なし。早期のがん。 |
ステージⅠ | がんが少し広がりつつあるが、筋肉層でとどまっている。がんが小さい、または浅い場所にある。転移なし。 |
ステージⅡ | リンパ節へ転移はしてないが、がんの進行が深い、または大きい。がんは小さい、または浅い場所だが、他の部位に転移している。 |
ステージⅢ | がんが大きい、または深い場所にあり、転移している。あるいは、がんが発症した場所で進行しており、リンパ節に転移している。 |
ステージⅣ | がんが他臓器へ転移している。 |
定期的にがん検診を受けていれば、早期段階でがんリスクを発見できる可能性を高められるでしょう。
がんが進行していない状態であるほど、治療の選択肢も広がります。
がんの早期治療ができる
がんが早期発見できれば、がんの早期治療がおこなえます。
一般的に必要ながんの治療の費用は、次のとおりです。
医療保険などの対象 | 自己負担のお金 |
---|---|
・診察費 ・検査費 ・入院費 ・薬費(抗がん剤、放射線) ・手術費 など | ・病院への交通費 ・保険対象外の治療費 ・ウィッグ代 など |
がんを発症すれば生活に支障をきたす可能性が高く、金銭的な負担も重くのしかかります。
また、ステージごとの生存率は次のとおりです。
病名 | ステージ | 相対生存率 |
---|---|---|
胃がん | ステージⅠ | 96.9% |
胃がん | ステージⅣ | 10.3% |
大腸がん | ステージⅠ | 96.4% |
大腸がん | ステージⅣ | 30.5% |
肺がん(気管含む) | ステージⅠ | 89.7% |
肺がん(気管含む) | ステージⅣ | 12.6% |
乳がん(女性) | ステージⅠ | 99.8% |
乳がん(女性) | ステージⅣ | 56.6% |
子宮頸がん | ステージⅠ | 97.2% |
子宮頸がん | ステージⅣ | 32.8% |
上記の表からも、早期段階であるほどがんの生存率が高いことがわかります。
安心して生活できる
がん検診を受診し「がんの疑いなし」の結果がでれば、がんリスクに怯えず安心して生活が送れます。
がんの発症率は二人に一人と非常に高いため、継続的にがん検診の受診することが大切です。
がん検診のデメリット
がん検診のデメリットは、下記のとおりです。
- がん検診の判定結果が偽陽性(過剰診断)の可能性がある
- がん検診の判定結果が偽陰性の可能性がある
- 検査によっては身体に負担がかかる
- 検査に伴う偶発症を発症する可能性がある
次項より具体的に解説します。
がん検診の判定結果が偽陽性(過剰診断)の可能性がある
偽陽性とは、がん検診で「がんの疑いがある」と判定された方が、精密検査をおこなった結果「がんではない」と判定が変わることです。
また、治療の必要がないがんに対しておこなう治療を、過剰診断といいます。がん検診の結果により、不要な検査や治療が発生する可能性についても理解が必要です。
がん検診の判定結果が偽陰性の可能性がある
がんの大きさや発症する部位次第で、がんの疑いを見落とす可能性もあります。がんの見落としのことを、偽陰性をいいます。
がん検診は精度100%ではないため判定結果のみに依存せず、普段から健康管理を怠らない姿勢が重要です。
検査によっては身体に負担がかかる
がん検診ではバリウムを用いる検査があり、便秘をもよおす方もいます。
CT検査では医療被爆が発生するため、身体に与える負担についても理解が必要です。
また胃や腸などの消化管を検査する内視鏡検査は、検査前から絶食や下剤を使用するケースもあり、検査のあとに体調不良になる方がいるのも事実です。
検査に伴う偶発症を発症する可能性がある
偶発症とは、予期せず発生する合併症を指します。たとえば内視鏡検査では場合により、胃や大腸の一部を採取して病変を調べます。
その際に起こる偶発症として、出血が止まらなかったり、胃に穴が開いたり(穿孔)する可能性もゼロではありません。
国が推奨するがん検診の種類と受診頻度
国が推奨するがん検診の種類は下記のとおりです。
- 胃がん検診
- 大腸がん検診
- 肺がん検診
- 乳がん検診
- 子宮頸がん検診
国が推奨している理由は、上記のがんにかかる確率や死亡率が高いことに加え、検診でがんの死亡率を下げる効果が期待できるためです。
それぞれのがん検診の内容や受診頻度について、詳しく紹介します。
胃がん検診
胃がん検診の内容は、下記のとおりです。
対象者 | 50歳以上 (胃部X線検査は40歳以上の実施も可) |
受診間隔 | 2年に1回 (胃部X線検査は年1回の実施も可) |
検診内容 | 問診、胃部X線検査または胃内視鏡検査 |
胃がんは50歳以上の方が発症しやすい傾向にあり、自覚症状がない場合が多いです。
胃の不快感や痛みが続くときは、医療機関の受診をおすすめします。
大腸がん検診
大腸がん検診の内容は、下記のとおりです。
対象者 | 40歳以上 |
受診間隔 | 年1回 |
検診内容 | 問診、便潜血検査 |
大腸がんの発症原因には、喫煙や飲酒、肥満などの生活習慣が関わるとされています。
また遺伝的に発症する大腸がんもあるため、親族で大腸がんの方がいた場合はがん検診をおすすめします。
肺がん検診
肺がん検診の内容は、下記のとおりです。
対象者 | 40歳以上 |
受診間隔 | 年1回 |
検診内容 | 質問(医師が対面しておこなう場合は問診)胸部X線検査、喀痰細胞診(喀痰細胞診は原則50歳以上、喫煙指数が600以上の方のみ。過去の喫煙者も含む) |
日常生活で煙草を吸う方や、受動喫煙の機会が多い方は、肺がんの発症リスクが高くなります。
また肺がんを発症しても、自覚症状が出ないケースは少なくありません。
肺がんの自覚症状の例
- 血痰(けったん)
- 長引く咳
- 胸の痛み
- 声がかれる
- 息切れなど
上記のような症状がある方は、近隣の医療機関への受診をおすすめします。
乳がん検診
乳がんは女性の発症率が高いがんですが、男性で発症する方も一定数存在します。
乳がん検診の内容は、下記のとおりです。
対象者 | 40歳以上 |
受診間隔 | 2年に1回 |
検診内容 | 問診、乳房X線検査(マンモグラフィ) |
乳がんの中にも、遺伝性乳がん卵巣がん症候群のような、遺伝的に発症するがんがあります。
発症時は胸にしこりができたり、胸の皮膚に凹凸ができたりするため、定期的にがん検診を受けながら早期発見を目指しましょう。
子宮頸がん検診
子宮頸がん検診の内容は、下記のとおりです。
対象者 | 20歳以上 |
受診間隔 | 2年に1回 |
検診内容 | 問診や視診子宮頸部の細胞診子宮頸部の内診 |
子宮頸がんの発症には、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が関連しています。
基本的には2〜3年で消滅するウイルスですが、感染が数年~数10年持続すると子宮頸がんを発症するリスクが高まります。
とくに早期の子宮頸がんは自覚症状が少ないため、定期的ながん検診が非常に大切です。
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【さまざまながんリスクがまとめてわかる】マイクロCTC検査
がん検診が大切なことはわかっているけれど、偽陽性により不要な検査が増えて余計な時間や費用がかかったり身体へ大きな負担がかかったりするため、受診をためらう方もいるのかもしれません。
がんの検査には、「マイクロCTC検査」と呼ばれる検査法もあります。
マイクロCTC検査とは、採血のみでさまざまながんリスクがまとめてわかる検査です。
通常のがん検診に比べて身体への負担がとても少ないため、誰でも気軽に受けることが可能です。ここでは、マイクロCTC検査について詳しく解説します。
全身のがんリスクを知りたい方に最適
マイクロCTC検査は、採血のみで血液がん以外のすべてのがんリスクをチェックできる検査です。
通常のがん検査で全身のがんリスクをチェックするためには、複数の検査を受ける必要があります。
そのため検査にかかる時間はトータルで丸一日以上、費用も28万円程度と非常に高額となる可能性があります。
マイクロCTC検査であれば、1回5分の採血で全身のがんリスクを調べることが可能です。
正確性を示す特異度94.45%のCSV抗体を導入しているため、検査結果の精度も高いです。
費用も198,000円(税込)と通常のがん検査を組み合わせて受けるよりも安価であるため、全身のがんリスクを知りたい方には最適な検査といえます。
採血のみだから身体的負担が少ない
がん検診のなかには放射線被ばくのリスクがあったり、検査前の絶食や下剤の使用により体調不良になったりなど身体面に大きな負担がかかるものも数多くあります。
しかしマイクロCTC検査でおこなうのは、一回の採血のみです。
身体的な負担がとても少ないため、子どもから妊娠中・授乳中の方、高齢者まで安心して利用できます。
悪性度の高いがんのみを捕捉
マイクロCTC検査は、採血により血中にある悪性度の高いがん細胞を捕捉しがんリスクを判定する検査です。
正確性を示す特異度94.45%のCSV抗体を導入しているため、高精度な検査結果を得られます。
偽陽性・偽陰性が出る可能性も低く、がんのリスクを明確に把握できますので、ぜひマイクロCTC検査をお試しください。
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まとめ
がん検診は、がんの疑いを早期発見するための重要な機会です。
持病がある方はもちろん、がんリスクに不安を抱える方は、がん検診についてかかりつけ医に相談してみましょう。
がんの早期発見・早期治療につなげるためにも、定期的ながん検診をぜひ検討してみてください。
<参考文献>
がん情報サービス がん検診受診率(国民生活基礎調査による推計値)
フコイダンラボ
がん情報サービス 検診について もっと詳しく
国立がん研究センター
がん情報サービス 最新がん統計
がん情報サービス がん検診受診率(国民生活基礎調査による推計値)
がん情報サービス がんとお金