女性のがん発症リスクは、年齢とともに増加します。がん検診の対象年齢に達したら、積極的にがん検診を受けましょう。
しかし婦人科がん検診にはどのような種類があるのか、疑問に感じている方もいるでしょう。
そこで本記事では、婦人科で受けられるがん検診の種類や検査方法について解説します。さらに婦人科でがん検診を受けた際にかかる費用もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
採血でがん細胞を捕捉「マイクロCTC検査」
- 1cm未満の早期がん細胞も捕捉可能
- がん細胞を直接捕捉・個数まで提示
- 特異度94.45%の検査精度※2
事前準備 | 不要 |
医療被ばく | なし |
検査費用 | 198,000円 |
検査時間 | 1回5分 |
婦人科がんの種類
婦人科で診療できるがんの種類は、次のとおりです。
婦人科がんの種類
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 卵巣がん・卵管がん
婦人科では女性特有のがん検診のみ受けられます。
乳がんは外科での診療となるため、乳がんの検診を受けたいときは外科に行きましょう。
ここでは婦人科で診療できるがんの種類について、それぞれ症状を含めて詳しく解説します。
子宮頸がん
子宮頸がんは子宮頸部の入り口である、外子宮口に発生しやすいがんです※1。
大部分の子宮頸がんは、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)と呼ばれる、がんになる前の状態を経てがんとなります。
子宮頸がんの症状には、次のものがあります。
- 月経中以外や性交時の出血
- 濃い茶色の膿のようなおりものの発生
- 粘液の多量分泌
CINやAISの状態では子宮頸がんの症状がみられないことも多く、発見が遅れることもあります。
また発見が難しい子宮頸部の筒状の部分にがんが発生している場合もあるため、定期的な検診が重要です※2。
子宮体がん
子宮体がん(子宮内膜がん)は、子宮体部に発生するがんです。
子宮体がんの症状には、次のものがあります※3。
- 月経以外や閉経後の出血
- 排尿時の痛みや排尿のしにくさ
- 性交時の痛み
- 下腹部の痛み
子宮体がんが進行すると、おなかに張りを感じるケースもあります。不調を感じる場合は、がん検診以外のタイミングでも婦人科を受診しましょう。
子宮体がんはがん組織の形態により、類内膜がんや漿液性がん、明細胞がんなどに分類されます。
漿液性がんと明細胞がんは悪性度が高いがんであることから、婦人科のがん検診を受けて早期発見につなげることが大切です。
卵巣がん・卵管がん
卵巣がんと卵管がんは、それぞれ卵巣と卵管に発生するがんです。
どちらのがんも初期では自覚症状がありません。
がんが進行すると、徐々に次のような症状があらわれます※4。
- 服のウエストがきつくなる
- 下腹部にしこりができる
- 食欲がなくなる
卵巣がんや卵管がんが進行すると、肺や骨などの離れた臓器に転移するケースもあります。
進行を防ぐために、定期的にがん検診を受けましょう。
婦人科がん検診にかかる費用
ここでは、婦人科で受けられるがん検診にかかる費用について、種類別に解説します。
受診に備え、それぞれ費用を確認しましょう。
子宮頚がん検診にかかる費用
子宮頸がん検診にかかる費用は、全額自己負担の場合6千円前後です。がん検診の多くは自由診療となることから、全額自己負担になります。
しかし出血をはじめとした症状があるときは、保険適用となります。
また市区町村が発行する割引券があれば、無料で受けられる可能性もあります。まずは自治体の案内をチェックしてみてください。
▼関連記事:子宮頸がん検診にかかる費用はどのくらい?
子宮体がん検診にかかる費用
子宮体がん検診にかかる費用は、検査方法により異なるものの全額自己負担のときで7千円~8千円程度です。
子宮体がん検診は、厚生労働省のがん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(令和3年一部改正)において、推奨の対象に含まれていません。
そのため受診する際は、基本的に自由診療となります。
子宮体がんの症状と一致する症状があれば保険適用で受診できますが、がん検診はがんの早期発見につなげるものです。症状が現れている状態はすでに初期ではなく、中期以降にまで進行している可能性が高いです。
自己負担でも、子宮体がん検診は定期的に受けるようにしましょう。
卵巣がん・卵管がん検診にかかる費用
卵巣がんと卵管がん検診にかかる費用は、5千円~3万円と非常に大きな幅があります。
エコーを用いる検査では子宮頸がん検診と同時に卵巣や卵管の検診もおこなうことから、費用は安くなる傾向です。
一方、卵巣がんと卵管がんに特化した検査方法を用いる場合、費用が高額になります。
受診する際は医師に相談のうえ、予算に適した検査方法を選びましょう。
婦人科がん検診の検査方法
ここでは、婦人科で診療できるがんの種類ごとに検査方法を解説します。
検査方法の有効性についてもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
子宮頸がんの検査方法
子宮頚がんの主な検査方法は、次のとおりです。
- 問診、視診
- 細胞診、コルポスコープ下の組織診
- HPV検査
細胞診とHPV検査の2種類は、国立がん研究センターの発表により早期発見に有効とされてきました。
細胞診では子宮頸部を専用部ブラシで擦り、細胞を調べます※2。またHPV検査では細胞診と同様の方法で、HPVウイルスに感染しているかどうか調査します。
子宮体がんの検査方法
子宮体がんの検査方法は、次のとおりです※3。
- 細胞診、組織診
- 内診、直腸診
- 子宮鏡検査
- 画像検査
- 腫瘍マーカー検査
子宮体がんの検査は多岐に渡り、それぞれ使用器具が異なります。
細胞診や組織診では、細いチューブやスプーン、ブラシ状の器具を使用して子宮内膜の細胞を採取して調査する形が一般的です。
また画像検査ではCTやMRIで撮影した画像から子宮体がんの有無に加えて、リンパや肺などへの転移状況を確認します。
それぞれ検査方法で、かかる時間や費用が異なります。医師に相談して、状況に適したものを選択しましょう。
卵巣がん・卵管がんの検査方法
卵巣がんと卵管がんの主な検査方法は、次のとおりです※4。
- 触診、内診
- 超音波(エコー)検査
- CT検査
- MRI検査
- 腫瘍マーカー検査
卵巣がんや卵管がんは、主に子宮頸がんの検査と同時に実施されます。
そのため検査方法も、子宮頸がんに近いといえるでしょう。
ただし卵巣がんや卵管がんを発症しているかどうか、さらに詳しく正確に判断するには卵巣や卵管の切除が必要です。
卵巣がんや卵管がんはほかの臓器に転移しやすいことから、リスクの高いがんです。
がん進行のリスクを踏まえ、医師と綿密に相談したうえで検査方法を決定してみてください。
マイクロCTC検査で全身のがんリスクを確認
子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんなどの婦人科系がんは、年齢を重ねるにつれ罹患率が上昇します。
比較的若い世代から罹患率が上昇するものもあるため、婦人科のがん検診は20代から定期的に受けることが大切です。
しかし、検査によっては痛みや不快感を伴うケースもあることから婦人科がん検査の受診に抵抗のある方もいるでしょう。
そのような方に最適な検査方法として「マイクロCTC検査」があります。
マイクロCTC検査は、採血のみで全身のがんリスクをチェックできるがん検診です。
ここでは、マイクロCTC検査について詳しく解説します。
検査方法は1回5分の採血のみ
マイクロCTC検査でおこなう検査項目は、採血のみです。
痛みが出るといわれているマンモグラフィ検査や細胞診検査などを受ける必要なく、婦人科がんはもちろん全身のがんリスクをまとめてチェックできます。
1回5分で終了するため、仕事や家事・育児に追われて多忙な生活を送る方でも受けやすいでしょう。
間葉系のがん細胞のみを捕捉
マイクロCTC検査は、検査結果の信頼度・納得度も高い検査です。
マイクロCTC検査では、特異度94.45%と非常に精度の高いCSV抗体を用いて血中に漏れだした間葉系がん細胞の個数を明示します。
間葉系がん細胞とは、浸潤・転移能力を持つ悪性度の高いがん細胞のことです。
そのため、陽性判定が出た場合には悪性度の高いがん細胞が身体のどこかにあると判断できます。
これにより、通常発見が難しいとされるがんの早期発見・早期治療にもつながりやすいといわれています。
日本国内に検査センターを完備
国内のがん専門クリニックでは、海外に検体を輸送してCTC検査はおこなっているところもあります。
しかし、検体を調べるまでに時間がかかることで分析の精度が低下するという大きな課題がありました。
株式会社セルクラウドでは、一般向けCTC検査では初となる国内の自社検査センターを設立し、採血後すぐに検査できる体制を整えています。
そのためマイクロCTC検査を導入している医療機関であれば、より精度の高い検査を受けることが可能です。
受ける際には、セルクラウドのマイクロCTC検査を導入している医療機関をぜひ利用してみてください。
婦人科がん検診に関するよくある質問
最後に、婦人科のがん検診に関する次のよくある質問に回答します。
- 婦人科がん検診を受診する頻度は?
- 婦人科がん検診に痛みや出血はある?
- 婦人科がん検診の対象年齢は何歳から?
- 婦人科がんにかかる費用は保険適用?
受診する前に気になる疑問や不安を解消し、前向きにがん検診に臨みましょう。
-
婦人科がん検診を受診する頻度は?
-
婦人科がん検診の理想的な受診頻度は、2年に1回です※6。
厚生労働省の指針において、主な検診の対象に含まれる婦人科がんは子宮頸がんのみです。
しかし検査方法は基本的に同じであるため、子宮体がんや卵巣がんなど他の婦人科がんもあわせて検査できます。
基本的に2年に1回は検診を受けましょう。
-
婦人科がん検診に痛みや出血はある?
-
婦人科のがん検診では、細胞診や組織診にて痛みを伴うケースがあります※4。子宮内の細胞や組織を採取するときは、針で刺されたような痛みを感じる可能性があるでしょう。
また検査後は数日間、おりものに血が混じるケースもあります。痛みに弱い場合、検査の前に医師に相談してみてください。
なお、子宮内膜全体の組織を採取する必要があるときは、強い痛みを伴うことから麻酔を使用することもあります。
麻酔の使用について不安がある方も、医師に相談してみましょう。
-
婦人科がん検診の対象年齢は何歳から?
-
婦人科のがん検診の対象は、20歳以上の方です。
乳がんや肺がんなどは40歳以上が対象ですが、子宮頸がんをはじめとした婦人科のがんは若年層にも発生する可能性があります。
20代や30代の方も、定期的にがん検診を受けるよう意識してみてください。
-
婦人科がんにかかる費用は保険適用?
-
婦人科でがん検診を受ける際の費用は、保険適用になるケースもあります。
出血をはじめとしたがんに該当する症状がある方は、医師に伝えてみてください。
がん検診にかかる費用を抑えたい方は、自治体が推奨する定期検診を受けてみてください。
自治体により異なりますが、基本的に無料で受けられる市区町村も少なくありません※7。
まとめ
今回は、婦人科がん検診の種類や費用、検査方法などについて解説しました。
主な婦人科がんとして知られているのは、子宮頸がんや子宮体がん、卵巣がんや卵管がんです。
どのがんも早期発見が重要であることから、2年に1回は検診を受けましょう。
自己負担で検診を受ける場合、費用が高額になりがちです。しかし自治体の発行するクーポンがあれば、費用を抑えて受診できます。
まずは自治体のサイトを確認してみてください。
<参考文献>
※1 日本医師会|知っておきたいがん検診|子宮頸がんとは?
※2 国立研究開発法人国立がん研究センター|がん情報サービス|子宮頸がんについて
※3 国立研究開発法人国立がん研究センター|がん情報サービス|子宮体がん(子宮内膜がん)について
※4 国立研究開発法人国立がん研究センター|がん情報サービス|卵巣がん・卵管がんについて
※5 国立研究開発法人国立がん研究センター|がん情報サービス|がん検診について もっと詳しく
※6 厚生労働省|がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針
※7 厚生労働省|市区町村におけるがん検診の実施状況等調査結果