乳がんの検診後に再検査の通知が届くと、どうしても不安や恐怖を感じますが、必ずしも乳がんを罹患しているとは限りません。
乳がんの再検査は、がんの可能性を否定できない方全員に通知しており、乳がん検診受診者の1割弱の方が対象となるよくある事象です。
また、再検査で実際に乳がんと診断される確率は約4%と非常に低く、約30%の方は異常なしと診断されているため、過度な心配はせず落ち着いて受診しましょう。
本記事では、よくある乳がん検診の再検査について、詳しく解説します。
再検査の検査内容や、経過観察とされやすい所見もあわせて紹介するため、精密検査が必要と案内が届き不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
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乳がん検診での検査方法

乳がん検診ではまず、視診や触診で乳房の状態を確認します。
マンモグラフィ検査やエコー(超音波)検査は、病変の有無、しこりの大きさ、悪性腫瘍だった場合のリンパ節への転移の有無などを調べるための検査です。
乳がん検診の詳しい検査内容と、検診結果の見方について詳しく解説します。
視診・触診
乳がん検診の視診では、乳房にくぼみやただれはないか、乳頭から分泌物は出ていないか、乳房の形に左右差はないかなどを観察します。
触診ではしこりの有無を確認し、しこりが認められる場合は大きさや硬さ、場所、動き方、わきの下のリンパ節に腫れがないかなどを調べます。
ただし、平成27年から厚生労働省は乳がん検診はマンモグラフィによる検査を原則とし、視触診は推奨していません。
そのため、視触診はおこなわず、問診のあとすぐにマンモグラフィ検査にうつる病院が増加傾向にあります。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィ検査とは、乳房を板で圧迫し、薄く伸ばした状態で撮影する乳房専用のX線検査です。
乳房を薄く延ばすことで、乳腺の重なりが少なくなり、視触診では見落としがちな小さな病変や石灰化の有無を確認しやすくなります。
乳房を挟む際に痛みを感じる方もいますが、麻酔を使用するような激痛ではなく、我慢できるレベルの痛みであるため、不安になりすぎる必要はありません。
どうしても不安な方は、痛みを感じやすい生理前や胸が張るタイミングを避けて受診すると、痛み対策になります。
マンモグラフィ検査は、乳がんの早期発見に効果が期待できる検査です。怖がらずに定期的に受けるべきでしょう。
エコー(超音波)検査
エコー(超音波)検査は、乳房の表面に超音波プローブをあて、反射の様子を確認する検査で、病変の有無、しこりの大きさ、リンパ節への転移の有無を調べます。
乳腺の密度が高い女性のマンモグラフィ画像は、全体的に白く見えるため小さい病変を見落とす場合があります。
一方、エコー(超音波)検査では乳腺は白、乳がんは黒と異なる色で映ることが多く、病変を発見しやすいです。
また、マンモグラフィ検査に比べて、痛みや放射線による被ばくがないことも、エコー(超音波)検査を安心して受けられる材料になります。
検診結果の見方
検診結果の記載方法は病院ごとに異なりますが、所見に対してコメントやカテゴリーが記されることが一般的です。
異常なし、または軽度異常の場合の再検査は不要ですが、悪性の疑いがある腫瘍、石灰化、病変と疑われる影などがある場合は注意が必要です。
状態に応じて、要経過観察、要精密検査などのコメントが記載されているため、医師の指示に従いましょう。
日本乳がん検診精度管理中央機構が定めるカテゴリーに則り結果を記載している場合は、カテゴリー3以上が再検査の対象となります。
検査後に届く診断結果をよく確認して、精密検査が必要な場合でも落ち着いて行動しましょう。
再検査が不安!乳がん検診で要精密検査はよくある?

乳がんの検診後に要精密検査の案内が届くと、誰もが大きな不安を感じるでしょう。
しかし、再検査は治療が必要な悪性腫瘍なのか、がんに影響を与えない良性腫瘍なのかを確認するためにおこなうよくあることで、再検査=乳がん確定にはなりません。
具体的には、乳がん検診を受けた方の1割弱が再検査が必要とされるものの、実際に乳がんの診断がくだる確率は非常に低いです。
再検査の指示を受け不安な方のために、再検査の対象となる方の割合や、再検査で乳がんと判断される確率について詳しく解説します。
1割弱が再検査が必要と診断される
乳がん検診の再検査はよくあることで、異常なし、もしくは良性病変と診断された方以外は、全員再検査の対象となります。
そのため、再検査は乳がんの確定を報せる通知ではなく、悪性腫瘍の可能性が疑われる部位をより詳しく調べるために必要な検査と捉えるとよいでしょう。
乳房に発生する悪性腫瘍は、乳腺症や乳腺嚢胞、線維腺腫など乳房の病気と形が似ており、区別がつきにくい場合があります。
がん検診のみで乳がんの可能性を否定できない以上、より詳しい検査が必要と判断されることは珍しくはありません。
再検査は、乳がんを否定できる、ほかの病気を発見できる、乳がんだった場合は早期治療をはじめられるなど、メリットばかりです。
乳がん検診の再検査は、検診受診者のうち1割弱の方が受けている、よくあることとふまえ、怖がらずリラックスして受けましょう。
再検査で乳がんと診断される確率は低い
再検査を受けた方の中で、実際に乳がんと診断される確率は約4%と非常に低いです。
たとえば、カテゴリー3に該当するがんの可能性が5%程度しかない方の場合、80%以上は乳がんではないと診断されています。
また、カテゴリー4に分類されるがんの可能性が50%程度の方の場合でも、約半数は乳がんではなく、良性の腫瘍と診断されています。
再検査の指示は不安を煽りますが、再検査で乳がんと診断される確率は決して高くないため、過度に心配せず前向きな気持ちで受診するとよいでしょう。
万が一、乳がんが発見された場合でも、早期治療により乳房温存の可能性や5年生存確率を上げる結果につながります。
乳がん検診の再検査では何をする?

乳がん検診の再検査では、マンモグラフィ検査やエコー検査に加えて、病変の一部を顕微鏡で調べる細胞診や組織診がおこなわれます。
さらに詳しく調べる必要がある場合や、上記の検査が適さない場合には、より多くの病変を摘出する検査方法が採用されるケースもあるでしょう。
乳がん検診の再検査でおこなわれる3つの検査内容について、詳しく解説します。
細胞診
細胞診は、病変に0.7mmほどの注射針を刺し、採取した細胞を顕微鏡で調べる検査です。穿刺吸引細胞診とも呼ばれます。
痛みは通常の注射や採血と同等のため局所麻酔の必要はなく、肉体への負担は軽いです。
乳頭からの分泌物、乳頭のただれなどがある場合には、ガラス板で採取して調べることもあります。
細い針で採取できる病変の量には限りがあるため、情報量が少なく満足な判断ができない場合もあります。
組織診(針生検)
組織診は、細胞診で診断がつかない場合や、注射針では細胞の採取が難しい場合におこなわれる検査で、針生検とも呼ばれます。
注射針よりも太い針で病変を採取する組織診(針生検)は、局所麻酔を使用して検査をおこないます。
採取できる細胞の量は細胞診よりも多く、さまざまな情報を調べられる検査です。
組織診(針生検)は高確率で診断できるため、近年では細胞診をおこなわず、はじめから組織診(針生検)を実施し患者の負担を軽減しようとする病院が増加傾向にあります。
摘出生検
病変の位置次第では、針による細胞の採取が難しい場合があります。
細胞診、組織診(針生検)が困難な場合には、細胞の一部ではなく、しこり全体を取り出し病理診断する摘出生検をおこないます。
摘出生検は、悪性腫瘍の可能性が高い場合や、乳房切除も視野に入れて根治を目指す場合に採用されることが多い検査です。
細胞診、組織診に比べると肉体への負担が大きいため、受けるか否かは医師とよく相談して慎重に検討したほうがよいでしょう。
乳がん検診で要経過観察とされる主な所見

乳がん検診で要経過観察とされやすい主な所見は、石灰化や腫瘤、乳腺症などです。
いずれも、病変は良性と考えられるためすぐに再検査を受ける必要はないものの、念のため経過観察、定期的な受診が必要とされます。
乳がん検診で要経過観察とされやすい5つの所見と、それぞれの状態について詳しく解説します。
石灰化
石灰化とは、乳腺の中にカルシウムが沈着した状態を指し、マンモグラフィ検査では白く映ります。
石灰化は触診で見つけられないほど小さく、自覚症状もないためマンモグラフィ検査以外では発見できません。
石灰化の多くは良性で乳がんに影響しませんが、約2割の石灰化は悪性の可能性が疑われるとするデータがあります。
すぐに治療が必要になることはほぼありませんが、定期的に状態を調べる必要はあるため、医師の指示に従い適切な頻度で必要な検査を受けましょう。
腫瘤
腫瘤とは、正常の細胞とは異なる塊のことで、医療の現場以外ではしこりと呼ぶことが多いです。
腫瘤も良性であれば急いで治療を受ける必要はありませんが、形がいびつだったり、境界がぼやけていたりすると悪性の可能性を疑われます。
対して、綺麗な楕円形の腫瘤や、境界がはっきりしている腫瘤は良性の可能性が高いため、経過観察とされるケースが一般的です。
また、過去の検診で撮影した検査画像と比べて変化が見られない場合も、経過観察が継続になりやすいです。
胸のしこりが必ずしも乳がんに直結するわけではないため、自身で触れて腫瘤を発見した場合でも焦らず定期的に検診を受けるとよいでしょう。
乳腺症
乳腺症は、30~40代の女性によく見られる乳腺の変化です。多くは良性で乳がんへの悪影響もないため、特別な治療は必要ありません。
乳腺症の主な症状には、しこり、乳房の左右差や表面のくぼみ、乳頭からの分泌物などがあり、乳がんの症状と似ています。
そのため、症状を自覚して不安になる方も少なくありませんが、良性疾患の乳腺症は経過観察とされることが一般的です。
しこりが痛む、乳房が張るなどの症状が気になる場合は、乳腺科を受診して医師に相談するとよいでしょう。
嚢胞
嚢胞とは、乳腺内にできる分泌物が溜まった袋状の組織のことで、エコー(超音波)検査で見つかることが多いです。
良性の嚢胞が乳がんに悪影響を与えることはありませんが、嚢胞内部に腫瘤がある場合には稀に腫瘤から乳がんが発見されるケースもあります。
とはいえ、日本赤十字社熊本健康管理センターによると、嚢胞から乳がんが発見される確率は、全体の約0.1%とするデータがあるため、過度に心配する必要はありません。
腫瘤と同じく形がきれいな嚢胞、境界がはっきりしている嚢胞は良性の可能性が高く、経過観察とされやすいです。
乳腺線維腺腫
乳腺線維腺腫は、10代後半~40代と幅広い年齢層の女性に多く見られる良性腫瘍の一つで、指で触れるとよく動くことが特徴です。
痛みや不快感などの症状もなく、乳がんへの悪影響も心配いりません。乳腺線維腺腫はゆっくりと成長を続けますが、閉経後は徐々に小さくなるため、治療は不要です。
一般的には、表面は平らな楕円形で大きさは3cm程度ですが、稀に複数の乳腺線維腺腫が集まり凹凸が目立ったり、5cm以上に成長したりするケースもあります。
生命に影響を及ぼす所見ではありませんが、半年~1年に1回程度のペースで異常がないか確認をしたほうがよいでしょう。
乳がん検診の再検査にマイクロCTC検査がおすすめ
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乳がん検診再検査の案内が届いた方には、採血のみでがん細胞の有無を判定できるマイクロCTC検査がおすすめです。
マンモグラフィ検査や組織診など複数の検査を受ける必要がなく、乳がん以外のがんリスクも判定できるため、健康管理やがんの早期発見に役立ちます。
血中に漏れ出たがん細胞を捉えるマイクロCTC検査の特徴や検査方法、料金、提携クリニックについて、詳しく解説します。
マイクロCTC検査の特徴
マイクロCTC検査の特徴は、浸潤と転移のリスクが高い間葉系がん細胞のみを捕捉できることと、高精度で迅速な検査が可能なことです。
がん細胞には、上皮性がん細胞と間葉系がん細胞の2種類があり、多臓器への浸潤や転移を引き起こすのは運動性能を獲得した間葉系がん細胞です。
マイクロCTC検査では、血中にあふれ出すがん細胞の中から悪性化した間葉系がん細胞のみの捕捉が可能で、存在する部位も明確にできます。
次に、国内クリニックの中には、血液を輸送し海外でCTC検査を実施するケースがありますが、時間の経過とともに血液が劣化し分析精度が下がるためおすすめできません。
対して、国内に検査センターを設けているマイクロCTC検査ならば、迅速で高品質な検査が可能です。
早期発見に高い効果を期待できるがん検査を手軽に受けたい方は、マイクロCTC検査の活用を検討するとよいでしょう。
検査方法は1回5分の採血のみ
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで終了し、結果は原則10日以内にマイクロCTC検査のマイページで確認できます。
事前に来院しやすいクリニックに予約を入れ、問診票、個人情報、支払い方法などの入力を済ませたら、当日はすぐに採血が可能です。
完全予約制で待ち時間も少なく、仕事の合間や予定のある休日でも受けやすいでしょう。
通常のがん検診は、複数の検査を受けるために前日から食事を制限したり、長時間拘束されたりしますが、マイクロCTC検査ならば1回5分、10㏄の採血で完了です。
結果を聞きにクリニックを再訪する必要がない点も便利で、忙しい現代人のニーズに即しています。
料金・クリニック概要
マイクロCTC検査の料金は1回198,000円(税込)で、血液がん以外のすべてのがんリスクを判定できます。
提携クリニックは、全国に180件以上あるため、アクセスのよいクリニックを見つけやすいでしょう。
東京近郊に住んでいる方には、マイクロCTC先進医療研究所所長が院長を務める代々木ウィルクリニックがおすすめです。
代々木駅から徒歩30秒と好立地のクリニックで、診察室はプライバシーに配慮した完全個室です。
万が一、マイクロCTC検査でがん細胞が発見された場合は、代々木ウィルクリニック院長の太田医師に、無料相談ができます。
遠方に住んでいる方の相談にはオンラインで対応しているため、地方在住の方も安心です。
乳がん検診の再検査に関するよくある質問

最後に、乳がん検診の再検査に関するよくある質問に回答します。
再検査で異常なしになる理由、再検査を受けられる場所、再検査にかかる費用について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
乳がんの再検査で異常なしになるのはなぜ?
乳がんは、乳房の病気と形が似ている場合があり、マンモグラフィ検査や超音波検査のみでは正しく判定できないケースがあるためです。
乳がんの再検査は、がんの可能性を否定できない方全員が対象になる検査です。
そのため、再検査で詳しく調べた結果、乳がんではないと診断されることは珍しくありません。
細胞診や組織診などで再検査し、悪性腫瘍でも乳房の病気でもないことが確認できると、異常なしと診断されます。
再検査を受けられる場所は?
乳がんの再検査は、がん検診を受けた医療機関でも受けられますが、対応できる検査の種類が多い施設のほうが望ましいです。
具体的には、大学病院や総合病院、乳腺外来、ブレストセンターなどで受けるとよいでしょう。
病院選びに迷う場合は、乳腺専門医がいる病院を選ぶことをおすすめします。
乳がん検診を受けた施設とは異なる医療機関で受診する場合、紹介状が必要になるケースもあります。
希望する医療機関がある方は、がん検診を担当した医師に相談するとよいでしょう。
再検査にかかる費用は?保険適用される?
乳がんの再検査にかかる費用は健康保険の種類や検査内容により異なりますが、目安は1万円前後で、保険診療となります。
保険適用した費用の目安を検査ごとにまとめた表は、次のとおりです。
| 検査 | 費用の目安 |
|---|---|
| マンモグラフィ検査、超音波検査 | 3,500~5,000円程度 |
| 細胞診 | 3,000円程度 |
| 組織診 | 8,000円程度 |
| 造影MRI検査 | 7,000~13,000円程度 |
基本的な検査であれば、合計1万円前後で受けられるでしょう。
造影MRI検査でより詳細に調べる必要がある場合には、想定していた費用を超える場合があります。
再検査にかかる費用を事前に詳しく知りたい方は、受診予定の病院に確認を取るとよいでしょう。
まとめ

乳がん検診の再検査は、検診受診者の1割弱の方が対象となるよくある事象です。
再検査が必要と言われると不安になるでしょうが、再検査で実際に乳がんと診断される確率は非常に低いため、過度に心配する必要はありません。
具体的には、再検査を受けた方のうち乳がんと診断されるのは約4%で、約30%は異常なし、約55%は乳腺症や線維腺腫、石灰化などほかの乳房の病気と診断されています。
乳がんの再検査では細胞診や組織診、摘出生検などの検査がおこなわれますが、より手軽にがんリスクを判定したい方にはマイクロCTC検査がおすすめです。
1回5分の採血で、血液がんを除く全身のがんリスクを判定でき、肉体的にも時間的にも負担を大きく軽減できます。
がんは早期治療で治癒する可能性が大幅に高まるため、早期発見につながるマイクロCTC検査の活用は健康維持に大きく役立つでしょう。



