さいたま市のがん検診について、「いつ受ければよいのか」「自身は対象者に該当するのか」「費用がわからない」など、お困りの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、さいたま市のがん検診制度における実施期間・対象者をはじめ、検診内容や費用などを詳しく解説します。
また、異常を指摘された際の精密検査についても紹介しています。さいたま市民の方は、ぜひ参考にしてください。
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
さいたま市のがん検診制度について(令和7年度)

さいたま市では、市民の健康維持・増進やがんの早期発見・早期治療を目的とし、さまざまながん検診を実施しています。
はじめに、さいたま市のがん検診の実施期間や対象者、検診費用が無料になる場合の条件などを紹介します。
実施期間・対象者
さいたま市によるがん検診の実施期間・対象者は、下記のとおりです。
| 実施期間 | 検診対象者 |
|---|---|
| 4月下旬から翌年3月中旬まで | さいたま市に住所を有する方各検診の対象年齢の方 胃がん・大腸がん・肺がん検診:40歳以上の男女 乳がん検診:40歳以上の女性 子宮がん検診:20歳以上の女性 前立腺がん検診:50~80歳の男性 職場・勤め先で同等の検診を受ける機会のない方 |
該当する方は、この機会に検診を受診しましょう。
費用が無料になる方
次に該当する方は、がん検診の費用が無料になる場合があります。
- 検診対象初年度の方(20歳:子宮がん検診、40歳:胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん検診)
- 70歳以上(肺がん検診は65歳以上)の方
- 後期高齢者医療被保険者(65~69歳)
- 生活保護受給者
- 中国残留邦人等支援給付受給者
- 市民税非課税世帯
受診時には各種証明書類を持参し、医療機関に提示する必要があります。
がん検診の無料券は、窓口またはオンラインで申請が可能です。窓口で受け取る際は、各区役所の保健センターで申請しましょう。
オンラインの場合、「さいたま市電子申請・届出サービス」の利用登録が必要です。申請受理後、1~2週間程度で無料券が住民票の登録先住所へ郵送されます。
さいたま市のがん検診内容・費用

さいたま市のがん検診内容・費用は、下記のとおりです。
| 種類 | 内容 | 費用(自己負担金) |
|---|---|---|
| 胃がん | 上部消化管X線検査、または内視鏡検査 | 1,000円(税込) |
| 大腸がん | 便潜血検査(2日法) | 400円(税込) |
| 肺がん | 胸部単純X線検査(必要に応じて喀痰細胞診を実施) | 600~900円(税込) |
| 乳がん | 視触診・マンモグラフィ検査 | 1,000(税込) |
| 子宮がん | 視診・内診・子宮頸部細胞診 | 600~1,000(税込) |
| 前立腺がん | 前立腺特異抗原(PSA)検査 | 600(税込) |
次章では、それぞれの検診内容について詳しく解説します。
胃がん
さいたま市では、40歳以上の方に対し胃がん検診の受診を推奨しています。上部消化管X線検査、または内視鏡検査のどちらかを選ぶことが可能です。
上部消化管X線検査とは、バリウム(造影剤)と発泡剤で胃を膨らませてから、X線を照射して撮影する検査です。
胃の全体像を把握できますが、凹凸の少ない病変の発見には不向きで初期の胃がんを見逃す恐れがあります。
内視鏡検査では、口や鼻から小型カメラやLED照明などが搭載されたスコープを挿入し、食道・胃・十二指腸などをリアルタイムで観察します。
高画質で詳細な画像が得られることから、微細な病変の発見に有用です。しかし、検査時に痛みや嘔吐反射などの苦痛が伴う可能性があります。
胃がん検診で要精密検査の判定を受けた場合、内視鏡検査にて異常の原因を詳しく調べて、必要に応じて生検をおこない確定診断につなげます。
大腸がん
さいたま市では、40歳以上の男女を対象に2日間に分けて1回ずつ便を採取する便潜血検査の2日法を実施しています。
便潜血検査で陽性反応が出た場合、大腸内視鏡検査による精密検査の受診が重要です。
大腸内視鏡検査は、内視鏡を肛門から挿入して内部を直接観察し、必要に応じて病変の一部を採取して生検を実施します。
大腸内視鏡検査の受診が難しい方に対しては、バリウム(造影剤)や空気を注入してレントゲン撮影する注腸造影検査が推奨されています。
腸管内をきれいな状態にするため、下剤の服用が必要です。
便潜血検査は経血にも反応する可能性があることから、生理中の便の採取は避けましょう。
肺がん
40歳以上の方は、肺がん検診として肺にX線を照射して撮影する胸部単純X線検査(胸部レントゲン検査)が受けられます。
また、50歳以上で喫煙指数(1日あたりの喫煙本数×喫煙年数)が600以上の場合、肺がんのリスクが高いことから胸部単純X線検査に喀痰細胞診を組み合わせておこないます。
費用は、胸部単純X線検査単体で600円(税込)、喀痰細胞診を合わせて900円(税込)です。65歳以上は費用がかかりません。
何らかの異常が指摘された際は、下記の精密検査の受診が重要です。
- 胸部CT検査
- 気管支鏡検査
胸部CT検査は、レントゲンには写らない微細ながんや、ほかの臓器・骨などに隠れたがんの発見に役立ちます。
気管支鏡検査とは、内視鏡を挿入して肺を直接観察する、いわゆる肺カメラ検査です。必要に応じて病変の組織を採取して生検をおこない、肺がんの確定診断につなげます。
乳がん
乳がん検診では、視触診のほか、乳房専用のX線装置を用いるマンモグラフィ検査を実施しています。40歳以上の女性は、2年に1回受けることが可能です。
マンモグラフィ検査は、触診では確認できない小さな石灰化、病変、しこりなどが発見でき、乳がんの早期発見に非常に役立ちます。しかし、次に該当する方は受診できません。
- 豊胸手術を受けた方
- ペースメーカーを装着している方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
視触診のみを受けたい際は、医療機関に相談しましょう。
乳がん検診にて要精密検査の判定を受けた場合、追加のマンモグラフィ検査や乳腺超音波(エコー)検査が推奨されています。
子宮がん
子宮がん検診では、20歳以上の女性を対象に視診・内診・子宮頸部細胞診をおこなっています。
子宮頸部細胞診は、子宮の入り口である頸部の細胞を専用の器具で採取して顕微鏡で詳しく調べることで、がんやがんに進行する可能性のある異形成の早期発見が可能です。
要精密検査の方には、コルポスコープ(腟拡大鏡)を用いて子宮頸部を拡大し、病変が疑われる部分の組織を採取して生検をおこなうコルポスコープ診・組織診が推奨されています。
また、子宮や卵巣の状態をより詳しく調べるために、超音波(エコー)検査を組み合わせるケースも少なくありません。
そのほか、40歳以上の女性においては、医師が必要と判断した場合に限り、子宮体部細胞診が追加できます。
費用は、子宮頸部細胞診単体で600円(税込)、子宮頸部細胞診+子宮体部細胞診で1,000円(税込)です。
前立腺がん
50~80歳の男性は、前立腺がん検診として前立腺特異抗原(PSA)検査を受診できます。
前立腺特異抗原(PSA)検査とは、前立腺がんの腫瘍マーカーです。
がんが前立腺の細胞を破壊すると、前立腺から分泌されるタンパク質(PSA)が血液中に漏れ出すため、PSA濃度を測定すればがんの可能性が調べられます。
PSAの値が基準値以上で「陽性」と判断された場合は、泌尿器科を受診して精密検査を受けましょう。
さいたま市でがん検診を受ける際の流れ

さいたま市のがん検診を受診する流れは、下記のとおりです。
- ハガキの受け取り
- 実施医療機関の選択
- 予約・受診
- 検診結果の説明
次章で詳しく紹介します。検診対象者はもちろん、今後対象となる方もぜひ参考にしてください。
1:ハガキの受け取り
さいたま市では、毎年4月下旬に「がん検診・歯科健康診査等のご案内」のハガキをがん検診の対象者へ送付しています。
さいたま市国民健康保険、または後期高齢者医療制度に加入している40歳以上の方に対しても、封書で郵送済みです。
受診できる検診内容については、ハガキの表面で確認できます。
なお、2025年3月23日以降にさいたま市へ住民票登録手続きをした方は、「がん検診・歯科健康診査等のご案内」の発行依頼が必要です。
2:実施医療機関の選択
さいたま市の公式サイトには、受診可能な医療機関として「2025年度 健康診査実施医療機関一覧」が掲載されています。
また、市報4月号と合わせて全世帯に配布した「2025年度さいたま市健康診査のお知らせ」にも、実施医療機関一覧や検診などの詳細があります。
対応している検査の内容をはじめ、居住地や勤務地のエリアなどを考慮したうえで、受診する医療機関を選びましょう。
3:予約・受診
医療機関を予約・受診する際は、必ず「さいたま市の検診を受診したい」旨を伝えることが重要です。
がん検診の予約は、直接医療機関におこないます。その際、検査の注意点や必要な準備などを事前に確認しましょう。
受診当日は「がん検診・歯科健康診査等のご案内」ハガキ、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類、受診費用を持参します。
また、がん検診の無料対象者は各種の証明書類や無料券の提示が必要です。忘れないように注意してください。
そのほか、多くの場合、検診ごとに申し込み受付期間・実施期間が定められており、期限を過ぎると受診できません。ハガキ・封書が届いた際は、速やかに予約・受診しましょう。
4:検診結果の説明
がん検診の結果説明は、後日受診した医療機関でおこなわれます。質問や不明点は、遠慮なく医師に尋ねましょう。
がんの疑いや何らかの異常があり「要精密検査」となった際は、速やかに精密検査を受けることが重要です。精密検査は実費での受診になりますが、保険が適用されます。
検査結果に問題がなかった場合でも、がん検診は定期的に受けましょう。
さいたま市のがん検診ハガキの再発行方法

ハガキを紛失した方や、2025年3月23日以降にさいたま市へ転入した方は、次の方法で「がん検診・歯科健康診査等のご案内」ハガキの発行手続きをおこなってください。
| 方法 | 詳細 | 発行日 |
|---|---|---|
| オンライン | 入力フォーム(さいたま市公式サイト)に必要事項を入力して送信 | 入力完了から1週間程度 |
| 電話 | 各区役所保健センター、または健康支援課(048-840-2214)へ連絡 | 数日〜1週間程度 |
| 窓口 | 各区役所保健センターの窓口に、本人確認書類を提出 | 即日発行 |
マイクロCTC検査でがんを早期発見しよう
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクを判定する画期的な検査です。
血中のがん細胞そのものを捉えることから、従来の検査で発見が困難な小さながんや、自覚症状が現れにくいがんの早期発見につながります。
ここからは、マイクロCTC検査について解説します。
がんは早期発見・早期治療が重要
初期のがんはまだ小さく、発生した臓器に留まっていることから、手術で完全に取り除ける可能性が高いです。
また、内視鏡治療を代表とする体の負担が少ない方法の選択もでき、90%が根治できるといわれています。※1
しかし、がんの発見が遅れてほかの臓器に浸潤・転移した場合、抗がん剤をはじめとする全身におよぶ治療が必要です。
命を守るためにも、がんの早期発見・早期治療が重要です。
1回5分の採血のみで全身のがんリスクを判定
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクがわかるため、次の方におすすめです。
- 仕事・家事が忙しく、検査を受ける時間がない方
- 子育てに追われて、自身の時間の確保が難しい方
- 検査による痛みや体への負担をできる限り避けたい方
全身のがんを調べる場合、検査に半日以上かかることもあります。多忙な方や時間の確保が難しい方にとって、受診のハードルは高いといえるでしょう。
マイクロCTC検査であれば短時間で検査は終了し、結果はWebで確認できます。
また、身体的負担が最小限に抑えられる点も、マイクロCTC検査の魅力の一つです。10ml程度の血液を採血するのみで、事前の食事制限や検査薬の投与は一切ありません。
短時間かつ手軽に自身のがんリスクを把握したい方は、マイクロCTC検査を検討しましょう。
埼玉県で受診可能なクリニック
埼玉県内でマイクロCTC検査を導入している提携クリニックは、下記のとおりです。
| クリニック名 | 住所 | 採血可能時間 |
|---|---|---|
| 関根内科外科医院 | 埼玉県児玉郡神川町新里221-1 | 月・金・祝を除く9:00~11:30 |
| 医療法人 勇優雅会 U_PLACEかわごえ内科 | 埼玉県川越市脇田本町8-1、U_PLACE MEDICITY 6階 | 日・祝を除く10:00~12:30 |
| 医療法人 千秋会 里村医院 | 埼玉県さいたま市北区植竹町1-157 | 木・土・日・祝を除く9:00~13:00 |
マイクロCTC検査では、がん細胞が検出された方に向けて医師による無料相談を実施しています。
- 相談方法:対面(遠方の方はオンライン面談が可能)
- 予約方法:電話(代々木ウィルクリニック:03-5990-6182)
- 受付時間:9~12時・13~18時の間で最大30分
検査結果の説明をはじめ、精密検査の内容や専門医・医療機関などの紹介に対応しているため、万が一のときも安心です。
さいたま市のがん検診に関するよくある質問

最後に、さいたま市のがん検診に関するよくある質問に回答します。
同じ疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。
埼玉県のがん検診受診率は?
埼玉県のがん検診受診率(2022年)は、下記のとおりです。
| 検診内容 | 埼玉県 | 全国 |
|---|---|---|
| 胃がん検診 | 43.5% | 48.0% |
| 大腸がん検診 | 43.0% | 45.9% |
| 肺がん検診 | 45.9% | 49.7% |
| 乳がん検診 | 42.5% | 47.4% |
| 子宮がん検診 | 38.2% | 43.6% |
※乳がん検診:40~69歳、過去2年
※子宮がん検診:20~69歳、過去2年
(参考:国立がん研究センター 集計表|がん検診受診率(国民生活基礎調査))
がん検診の受診率において、埼玉県は全国平均を下回っていることから、受診率向上のためがん検診の啓蒙活動に力を入れています。
がん検診を受けるメリット・デメリットは?
がん検診の最大のメリットは、がんで亡くなるリスクを減らす可能性が高まることです。がんを早期に発見して適切な治療をおこなえば、自身の命が守れます。
また、がんになる可能性がある病変の発見にも役立ち、がん予防にもつながります。そのほか、がんの有無を知ることで安心して暮らせる点もがん検診のメリットの一つです。
一方で、次のデメリットがあります。
- がんが100%見つかるわけではない
- 不必要な検査・治療を招く恐れがある
- 身体的・精神的な負担がかかる
がん検診を受けても、小さいがんや見つけにくい部位に発症したがんは見落とされるケースもありますし、偽陰性が発生すれば、早期治療が難しくなることがあります。
また、偽陽性や過剰診断により、不必要な検査や治療を受けたり、検査に伴う偶発症が起きたり、身体的・精神的に大きな負担がかかります。
がんの予防方法は?
国立がん研究センターが制定した、科学的根拠に基づく「がん予防ガイドライン」は下記のとおりです。
- 禁煙し、たばこの煙を避ける
- 節酒を心がける
- 食生活を改善する
- 身体活動量を増やす
- 適正体重を維持する
喫煙はがんの発症リスクを高めることがわかっており、とくに、肺がんにおいては男性で4.4倍、女性で2.8倍ほどリスクが上昇します。禁煙し、受動喫煙も避けましょう。※2
また、過度な飲酒のほか、塩味が強い食材や熱すぎる飲み物・食べ物も、がんの発症に深く関与しています。節酒と食生活の改善を心がけましょう。
そのほか、身体活動量が多い方や適正体重を維持している方は、がん全体の発症リスクが低いといわれています。
5つの健康習慣を実践してがん予防に取り組みましょう。
まとめ

本記事では、さいたま市のがん検診について詳しく解説しました。
さいたま市では、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん、前立腺がんの6種類のがん検診を実施しており、対象者は400〜1,000円程度の自己負担で受けることが可能です。
「がん検診・歯科健康診査等のご案内」ハガキが届いた方は、実施医療機関を予約しましょう。
仕事や家事などで忙しい方には、1回5分の採血のみで全身のがんリスクが把握できるマイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、血中を漂うがん細胞を直接キャッチするため、従来の検査では発見が難しい微小ながんや、自覚症状の少ないがんの早期発見につながります。
がんの早期発見・早期治療に向けてマイクロCTC検査の受診を検討しましょう。
〈参考サイト〉
※1:がん対策推進企業アクション|がん検診のススメ 早期に見つけるメリット
※2:国立がん研究センター がん情報サービス|肺がん 予防・検診



