人間ドックと健康診断の違いがわからず、どちらを受診すべきか迷っている方も少なくありません。
ともに、病気の発見や健康管理に役立ちますが、検査の目的や項目数、費用、見つかる病気などが異なります。
本記事では、人間ドックと健康診断の違いや人間ドックの検査項目の選び方などを詳しく解説します。
自身の年齢・性別・ライフスタイルに合わせた検査を探している方は、ぜひ参考にしてください。
人間ドックと健康診断の違い

人間ドックは、個人の判断で受診する任意健診です。
より専門的な検査や年齢・性別に特化したコースなどが選択でき、全身を詳しく調べることが可能ですが、費用は完全自己負担です。
健康診断においては、労働安全衛生法にて義務付けられている場合や、自治体が積極的な受診を推奨しているケースがあり、大半は無料です。
人間ドックと健康診断は、ともに健康状態のチェックや病気の早期発見に役立ちますが、おもな目的と検査項目数、費用などが大きく異なります。
次章で詳しく解説します。
目的
人間ドックの目的は次の通りです。
- 病気の早期発見・予防
- 健康の維持・増進
健康診断より詳細な検査をおこなう人間ドックは、自覚症状がない病気の早期発見に有効です。
自身の健康状態を詳しく把握できるため、健康の維持・増進および病気の予防にもつながります。
一方で、健康診断の目的は下記のとおりです。
- 病気の早期発見
- 生活習慣の改善
健康診断のおもな目的は、健康状態のチェックです。異常が見つかった場合、早期に適切な治療を受けることで入院や治療期間が短縮でき、将来的な医療費の削減にもつながります。
そのほか、生活習慣病のリスクが指摘された場合、特定保健指導を受ければ発症予防や症状の改善が期待できます。
検査項目数
人間ドックと健康診断の検査項目数とおもな内容は、下記のとおりです。
| 人間ドック | 定期健康診断 | |
|---|---|---|
| 検査項目数 | 50~60項目 | 11項目 |
| 身体計測 | 身長・体重・BMI・腹囲・肥満度・体脂肪率 | 身長・体重・BMI・腹囲 |
| 眼科 | 視力・眼圧・眼底・眼科診察 | 視力 |
| 聴力 | 聴力・耳鼻咽喉科診察 | 聴力 |
| 呼吸器 | 胸部X線・肺低線量CT・肺活量・%肺活量・1秒率・1秒量 | 喀痰細胞診(一部、胸部X線) |
| 循環器 | 血圧測定・心拍数・心電図 | 血圧測定・心電図 |
| 腹部超音波 | 肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・前立腺・子宮・卵巣・腹部大動脈など | |
| 消化器 | 胃部X線または胃カメラ・免疫便潜血検査 | |
| 血液検査 | 【一般】白血球数・赤血球数・血色素量・ヘマトクリット値・MCV・MCH・MCHC・血小板数・白血球分類・アディポネクチン・尿酸 【脂質】総コレステロール・中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール・nonHDLコレステロール 【糖代謝】HbA1c・空腹時血糖・インスリン抵抗性指数 【循環器】NT-proBNP 【肝胆膵】総蛋白・アルブミン・A/G比・総ビリルビン・LDH・AST(GOT)・ALT(GPT)・ALP・γ-GTP・コリンエステラーゼ・膵型アミラーゼ・HBs抗原・HCV抗体 【腎臓】クレアチニン・eGFR・尿素窒素 【腫瘍マーカー】CEA・CA19-9・CA125(女性のみ)・PSA(男性のみ)・AFPなど | 【一般】赤血球数 【脂質】総コレステロール・中性脂肪・HDLコレステロール 【糖代謝】空腹時血糖 【肝胆膵】AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP 【腎臓】クレアチニン・eGFR |
| 尿検査 | 尿比重・尿蛋白・尿糖・尿潜血・沈渣・pH・ウロビリノーゲン | 尿蛋白・尿糖 |
人間ドック・健康診断ともに、基本的な検査項目に特定の部位や疾患に特化したオプション検査を加えることが可能です。
人間ドックの場合は、自身の年齢・性別・ライフスタイルなどに合わせたコースを選択すれば、将来的な病気のリスク回避につながります。
費用
人間ドックと健康診断それぞれの費用の目安を紹介します。
| 人間ドック | 健康診断 | |
|---|---|---|
| 費用 | 55,000~119,900円(税込) | 無料 |
人間ドックは自由診療であり、費用は完全自己負担となります。
検査内容や宿泊・個室の有無などにより料金は大きく異なり、日帰りの標準的なコースであれば5~6万円程度です。
健康診断の場合、原則として会社や自治体が費用を負担するため無料で受診できます。自費で健康診断を受ける際は、1万円前後の費用がかかります。※1
人間ドックと健康診断で発見できる病気の違い

ここからは、人間ドックと健康診断で発見可能な病気を紹介します。
受診を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
人間ドックでわかる病気
人間ドックでわかる病気は、下記のとおりです。
- がん・ポリープ
- 動脈瘤
- 心疾患
- 生活習慣病
人間ドックでは、X線検査や内視鏡検査、超音波検査などを組み合わせておこなうことで、がんやポリープの早期発見が可能です。
また、動脈硬化の原因になる動脈瘤も発見されるケースが多いです。
そして、心電図の結果から狭心症・心筋梗塞・不整脈などの心疾患のリスクがわかります。血液検査においては、高血圧症・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病の発見にも有効です。
そのほか、レディースドックを選択した場合、子宮筋腫、卵巣嚢腫など女性特有の婦人科疾患の発見にもつながります。
人間ドックに脳ドックを追加すれば、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳卒中や、認知機能の低下につながる脳の萎縮や血管性変化がわかります。
健康診断でわかる病気
健康診断では、次の病気がわかる可能性が高いです。
- 生活習慣病
- 貧血
- 肝機能障害
- 腎臓病
健康診断でも、人間ドック同様に血液検査により生活習慣病が発見されやすいです。
また、血中の赤血球数が少ない場合、貧血と診断されるケースが多く、AST・ALT・γ-GTPなどの数値が基準値から外れている状態であれば、肝機能障害が疑われます。
肝機能障害は、脂肪肝、肝炎、肝硬変を引き起こす可能性があるため、精密検査を受けて原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
そのほか、尿検査にて異常を指摘された際は、腎臓の機能に問題がある場合があります。
人間ドックは受けたほうがよい?両方受けるべき?

人間ドックは健康診断に比べて、体の状態をより詳しく総合的に調べることが可能です。とくに病気のリスクが高い方は、年に1回の受診がおすすめです。
次章では、人間ドックの受診をおすすめできる方を紹介し、人間ドックと健康診断は両方受診すべきかについて解説します。
人間ドックの受診をおすすめできる方
次に該当する方は、人間ドックの定期的な受診が望まれます。
- 40歳以上の方
- 生活習慣が乱れている方
- がんの家族歴がある方
40歳を過ぎるとさまざまな病気のリスクが増加します。とくに、喫煙をはじめ、過度な飲酒や偏った食事、運動不足などは、生活習慣病を引き起こすことがわかっています。
生活習慣病を放置していると、心筋梗塞や脳卒中などが誘発される恐れがあるため、早期発見・早期治療が重要です。
また、がんの家族歴を有する場合、自身もがんを発症するリスクが高いといえます。定期的に人間ドックを受診すれば、症状がなくとも早期がんの発見につながります。
人間ドックを受けた場合は健康診断は不要
人間ドックは、健康診断の検査項目をすべてカバーしているため、人間ドックのみの受診で十分といえます。
一般的に、会社は労働安全衛生法で定められた検査項目の結果を従業員の分すべてを把握する義務があります。
人間ドックのみを受診する場合は、事前に会社の担当部署に検査結果の提出方法について確認しましょう。
人間ドックの検査項目の選び方

人間ドックには、年齢・性別をはじめ、家族の既往歴、生活習慣などに応じた検査項目があります。
次章では、人間ドックの検査項目の選び方を詳しく紹介します。検査項目やプラン・コース選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
年齢・性別による選び方
人間ドックを受診する際は、年齢・性別に応じた検査を選びましょう。
30歳代
30歳代は不規則な生活習慣になる傾向があるため、生活習慣病の早期発見・予防を目的としたコースがおすすめです。
女性は、20歳代から発症するリスクがある子宮頸がん検査(細胞診)と、30歳代から罹患数が増え始める乳がん検査(マンモグラフィ・乳腺超音波)も受けましょう。
40歳代
胃がんは40歳代から増え始めます。胃部X線検査や胃部内視鏡検査のほか、ピロリ菌の感染有無と胃粘膜の萎縮度を調べる胃がんリスク検査(ABC検査)を検討しましょう。
また、胃がんと同様に大腸がんの罹患数も40歳代から増えることから、免疫便潜血検査に加えて大腸内視鏡検査の受診が望ましいです。
肺がんは、女性より男性がなりやすいがんの一つです。40歳代の男性は、胸部X線検査や胸部CT検査、喀痰細胞診を積極的に受けましょう。
女性の場合、子宮頸がん・乳がん・卵巣がんのほか、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患を総合的に調べられるコースがよいでしょう。
50歳代以上
男性は、50歳を過ぎると前立腺がんと心疾患が急増します。前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA検査と、心疾患の予兆を調べる心臓超音波検査や心臓CT検査を追加しましょう。
女性は閉経による女性ホルモンの低下に伴い、骨粗しょう症が起こりやすくなります。そのため、骨密度検査の受診が推奨されています。
家族の既往歴による選び方
家族の既存歴も、人間ドックの検査項目を選ぶポイントの一つです。
遺伝子をはじめ、身体的特徴や体質、環境要因などから、自身も同じ病気を発症するリスクが高くなる場合があります。
遺伝性の前立腺がん・乳がん・卵巣がん、家族性膵がん、若年性腎細胞がんのほか、糖尿病、心疾患、脳卒中などは、家族の既存歴と深く関係しているといわれています。
家族の既存歴を有する方は、医師と相談したうえで特定の部位・疾患を専門的に調べられる検査項目を追加しましょう。
生活習慣による選び方
がんを代表とする病気の多くは、生活習慣の関与が認められています。自身の生活習慣に合わせた検査を追加しましょう。
- 喫煙習慣:胸部CT検査、喀痰細胞診
- 飲酒習慣:胃部内視鏡検査、大腸内視鏡検査、腹部超音波検査
- 運動不足:腹部超音波検査、心電図検査、頸部超音波検査
定期的に体の状況を把握して生活習慣を改善すれば、病気の予防にもつながります。
マイクロCTC検査で手軽に全身のがんリスクを判定
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで手軽に全身のがんリスクがわかります。
ここからは、マイクロCTC検査の魅力や費用、クリニック概要を紹介します。
1回5分の採血のみでがんを診断
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクを診断する血液検査です。そのため、次の方におすすめです。
- 人間ドックを受診する時間がない方
- 多忙で健康診断の受診期限が過ぎてしまった方
半日~1日程度の時間を要する人間ドックや、複数の検査をおこなう健康診断と異なり、マイクロCTC検査は採血のみで終了します。
また、食事制限をはじめとする事前準備が一切不要です。そのため、仕事や家庭、育児などで忙しい方でもスキマ時間を利用して受診できるでしょう。
さらに、クリニック検索・予約や問診票の記入、費用の支払い、検査結果の確認などもすべてWebで完結します。
手軽かつスピーディに、全身のがんリスクを調べたいときに非常におすすめです。
高精度・迅速な検査体制を実現
人間ドックや健康診断などで実施する画像検査では、1cm未満のがんや深部に発症したがんの早期発見は困難です。
マイクロCTC検査の場合、血中に漏れ出したがん細胞そのものをキャッチするため、がんのサイズ・場所にかかわらず全身のがんの発見に役立ちます。
また、がんの検出精度においては、米国「MDアンダーソンがんセンター」が開発した抗体を用いた独自の検査手法により、特異度94.45%の高精度を実現しています。※2
そのほか、民間初の自社検査センターを国内に設けて迅速な検査体制を整えている点も、マイクロCTC検査の強みの一つです。
血液検査の検体は、海外に輸送すると品質が劣化して正確な分析・診断が難しくなることから、採血後すぐに国内の自社検査センターで分析・解析し、高品質を維持しています。
高精度・高品質ながんリスク検査を希望する方は、マイクロCTC検査を検討しましょう。
検診費用・クリニック概要
マイクロCTC検査の費用・クリニック概要は、下記のとおりです。
- 費用:1回198,000円(税込)※3
- 受診場所:全国の提携クリニック
- 予約方法:公式サイト(24時間365日)
- 検査結果:検査から10日程度
- アフターフォロー:医師による無料相談
一般的に、全身のがんを調べる場合、人間ドックや健康診断に複数のオプション検査を追加する必要があり、234,800~264,800円(税込)の費用がかかります。※4
そのため、マイクロCTC検査は比較的リーズナブルといえます。
また、居住地や勤務地の近隣クリニックで検査がおこなえることから、専門の医療機関を受診する必要はありません。
万が一、がんが検出された方には、代々木ウィルクリニックの太田医師(マイクロCTC検査センター長)が無料相談を実施しています。
無料相談は基本対面ですが、遠方の方はオンライン面談も可能です。
人間ドックと健康診断の違いに関するよくある質問

最後に、人間ドックと健康診断の違いに関するよくある質問を紹介します。
同じ疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。
人間ドックは何歳から受けるべき?
人間ドックは20歳以上であれば受診可能ですが、一般的に、がんや生活習慣病などのリスクが上がる40歳から受けることが推奨されています。
しかし、家族の既存歴や自身の生活習慣が不安な方は、20歳代でも積極的に受診しましょう。
「人間ドックは受けない方がよい」は本当?
人間ドックは、病気の早期発見や健康管理に非常に役立つ一方で、デメリットも存在します。人間ドックのデメリットは、下記のとおりです。
- 費用の負担が大きい
- 検査に時間がかかる
- 過剰診断の可能性がある
- 偶発症(合併症)のリスクがある
人間ドックの費用は完全自己負担であり、検査項目を追加するほど金額が上がるため、高額になるケースが多いです。
そして、検査には半日~1日程度の時間がかかることから、仕事や家庭のスケジュール調整が必要になります。
また、過剰診断もデメリットの一つです。
治療の必要がないにもかかわらず、精密検査や治療・処置などがおこなわれ、身体的・精神的・経済的な負担が増える可能性があります。
そのほか、出血や穿孔など検査に伴う偶発症(合併症)が起こるリスクも否定できません。
しかし、人間ドックには、自覚症状がない初期の段階にさまざまな病気を発見して、適切な治療につながる大きなメリットがあります。
メリット・デメリットを十分に理解したうえで、人間ドックの受診を検討しましょう。
人間ドックで受けられる補助制度はある?
一部の健康保険組合や自治体では、人間ドックの費用補助・助成を実施しています。
人間ドックの受診後に申請手続きをおこなえば、指定の口座に振り込まれるケースが多いため、自身の加入先の健康保険や居住地の公式サイトなどで確認しましょう。
まとめ

本記事では、人間ドックと健康診断の違いを中心に解説しました。
人間ドックは、自由診療扱いとなり費用は完全自己負担ではあるものの、検査項目数が多く、幅広い病気の発見に役立つことが特徴です。
とくに、家族の既存歴や生活習慣などで不安な方は、人間ドックを検討しましょう。
全身のがんリスクを手軽に知りたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は1回5分の採血のみで、従来の画像検査では見つけにくいサイズ・部位のがんの発見につなげます。
定期的にマイクロCTC検査を活用して、がんの早期発見・早期治療を目指しましょう。
〈参考サイト〉
※1:日本健康管理協会 新宿健診プラザ|人間ドック
※2、※3:マイクロCTC検査|血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査
※4:国立がん研究センター 中央病院|検診費用



