乳がんは9人に1人の女性が罹患するがんで、進行すると乳房を切除しなくてはならないケースも珍しくありません。
しかし、早い段階で乳がんを発見できると、乳房を温存できる可能性が高いです。また、早期発見は治療の選択肢が広がり、生存率を高められます。
札幌市ではがんの早期発見を目的に複数の検診を実施していますが、それぞれ対象者や費用が異なるため事前の確認が大切です。
本記事では、札幌市の乳がん検診について詳しく解説します。
対象者や費用はもちろんのこと、無料クーポン券や補助制度についてもあわせて紹介するため、札幌在住で乳がん検診を受診しようか検討している女性は、ぜひ参考にしてください。
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札幌市の乳がん検診について(令和7年度)

札幌市では、がん検診を受ける機会のない市内在住者を対象に、複数のがん検診を実施しています。
乳がん検診の対象年齢や検査内容、自己負担額について詳しく解説します。
対象者
札幌市の乳がん検診の対象者は、満40歳以上の女性です。
受診は2年に1回で、原則偶数歳の受診となりますが、直前の偶数歳のときに札幌市乳がん検診を受診していない場合は、奇数歳でも受診可能です。
検査内容・費用
札幌市の乳がん検診の検査内容は、次のとおりです。
- 問診
- マンモグラフィ検査
- 超音波検査
マンモグラフィ検査は、40代の方は2方向撮影、50代以上の方は原則1方向撮影となります。
50代以上の方でも、医師が必要と判断した場合には、2方向撮影になるケースもあります。
費用は実施場所により異なり、指定の医療機関の場合は1方向1,400円、2方向1,800円です。
対して、北海道対がん協会札幌がん検診センターで実施した場合には、1方向1,100円、2方向1,300円と安くなります。
超音波検査は40代の方のみが対象の検査で、マンモグラフィ検査の受診時に同意すると併用可能です。
費用は、実施場所に関係なく一律800円です。
札幌市の乳がん検診を受けると、市の補助により通常の検査よりもマンモグラフィ検査は約8,200円、超音波検査は約3,200円お得に受けられます。
札幌市の乳がん検診における補助制度

市が定めた条件に該当する方は、札幌市の乳がん検診の費用が全額免除になるため、自身が該当するか気になる場合は必ず事前に確認しましょう。
また、対象者には無料クーポンを発行する補助制度も設けています。
ひとりでも多くの方ががん検診を受けられるように設けられた、札幌市の乳がん検診における補助制度について詳しく解説します。
全額免除になる方
札幌市は、次の5つの要項のうちいずれかに該当する方は、がん検診費用を全額免除としています。
- 満70歳以上の方
- 満65~69歳の方で後期高齢者医療被保険者の方
- 市、道民税非課税世帯の方
- 生活保護世帯の方
- 中国残留邦人等支援給付世帯の方
該当する場合は、各種証明書が必要です。全額免除でがん検診を受けたい方は、事前に必要な書類を確認して、検診当日持参しましょう。
無料クーポン券制度
札幌市では、がん検診の受診促進を目的に、対象年齢の方に無料クーポンと検診手帳を送付する制度を設けています。
令和7年度の乳がん検診無料クーポン発行対象者は、昭和59年4月2日~昭和60年4月1日に生まれた満40歳の方です。
無料クーポン券は、令和7年6月下旬~7月上旬に発送されます。
ただし、令和7年4月15日時点で札幌市外に住所登録していた対象者の方は、その後札幌に転入しても無料クーポン券が発送されません。
そのため、クーポンの活用を希望している場合は、札幌市転入前に住所登録があった市町村に問い合わせが必要です。
そもそも乳がんとは?

そもそも乳がんとは、一般的に乳管に発生する悪性腫瘍で、女性の9人に1人が罹患する比較的身近ながんの一つです。
がんのステージが進行するにつれて、生存率は低下するため、早期発見と早期治療が非常に重要です。
乳がんの詳細やステージごとの5年生存率、早期発見早期治療の重要性について詳しく解説します。
女性の9人に1人が罹患する病気
乳がんは女性が発症するがんの中で最も多く、女性の9人に1人が罹患する身近な病気です。
近年増加傾向にある乳がんの発生には、次のようなリスク要因が影響していると考えられています。
- 初経年齢が早い
- 閉経年齢が遅い
- 閉経後の肥満
- 出産経験、授乳経験がない
- 初産年齢が遅い(30歳以上)
乳がんの発生には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが関係している可能性が高いです。
昨今の少子化や晩婚化により、乳がんのリスク要因に該当する女性が増加していることが、乳がん罹患者の増加に影響しているのでしょう。
とはいえ、乳がんは身近ながんといえるほど罹患者が多いため、リスク要因に心当たりがないから大丈夫と油断せず、予防意識を持つことが大切です。
乳がんの5年生存率
乳がんの5年生存率をステージごとにまとめた表は、次のとおりです。
| ステージ | 5年生存率 |
|---|---|
| ステージ1 | 95.2% |
| ステージ2 | 90.9% |
| ステージ3 | 77.3% |
| ステージ4 | 38.6% |
乳がんはわきの下のリンパ節、肺、骨、肝臓などに転移しやすいため、進行するにつれて5年生存率は低下し、年間14,000人以上の方が命を落としています。
一方で、ステージ1~2の時点で適切な治療を受けられれば、90%以上の方が5年以上生存できます。
乳がんは早い段階で効果的な治療ができれば、十分根治を目指せる病気です。5年生存率の変化をふまえて、自身の命を守るために適切な行動をとりましょう。
早期発見・早期治療が重要
乳がんは早期発見ができれば、治療の選択肢が広がるうえ、肉体的にも精神的にも負担を軽減できます。
たとえば、乳がんを罹患した女性の多くは乳房の喪失に対して大きな不安や衝撃を抱えますが、初期の乳がんの場合、乳房温存手術が受けられる可能性が高いです。
当然、5年生存率も早期治療を受けた方のほうが高く、ステージ1~2であれば高確率で5年以上の生存が可能です。
対して、転移が認められる段階に入ると、乳房温存手術が難しくなるほか、転移の状態にあわせてリンパ節の切除や薬物療法、放射線治療を追加する必要があります。
乳がんは発見が早ければ早いほど治癒率が高いため、必ず定期検診を受診し、早期発見に努めましょう。
乳がんの早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ
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札幌市の乳がん検診の対象者ではないものの、乳がん検診を希望する方は、ほかのがんリスクもあわせて判定できるマイクロCTC検査の活用を検討するとよいでしょう。
マイクロCTC検査は、短時間の採血のみで血液がんを除く全身のがんリスクを判定できるため、肉体的にも精神的にも負担が少ないです。
検査は高精度かつ迅速で、さまざまながんの早期発見に役立ちます。
がん検診の受診を検討している方にマイクロCTC検査をおすすめする3つの理由を、詳しく解説します。
先端技術で全身のがんリスクを判定
先端技術を用いるマイクロCTC検査は、血中に漏れ出たがん細胞の中から、浸潤や転移能力が高い間葉系のがん細胞を捕捉し、個数を明示できます。
触診やエコー検査では、初期の悪性腫瘍を見落とす可能性がありますが、がん細胞そのものを検出するマイクロCTC検査は、複数のがんの早期発見に効果が期待できます。
通常、複数のがん検診を受けるとなると、検査の数が増えるため長時間拘束されるうえ、前日からの食事制限、バリウムや下剤の服用など負担が大きいです。
採血のみで血液がんを除く全身のがんリスクを判定できるマイクロCTC検査は、忙しい現代人の健康維持に役立ちます。
短時間の採血のみで負担が少ない
マイクロCTC検査の採血は1回5分で済むため、仕事の途中や休日の隙間時間に受けやすい検査です。
一般的ながん検診は、問診や触診、超音波検査など複数の検査を受ける必要があるため、時間がかかります。
検査後、気分が悪くなるケースもあり、すぐに通常どおり活動できるとは限りません。そのため、時間の確保が難しいことを理由にがん検診を見送る方もいるでしょう。
マイクロCTC検査は事前に受診したいクリニックに予約を入れ、個人情報、問診表、支払い方法の入力を済ませます。当日は、採血を済ませたら終了です。
時間的にも肉体的にも少ない負担でがん検診を受けたい方は、便利なマイクロCTC検査を活用するとよいでしょう。
高精度・迅速な検査体制を確立
マイクロCTC検査は10㏄の採血から末梢血単核細胞と呼ばれる細胞の回収と捕捉をおこない、超高性能光学顕微鏡とAIで解析します。
その後、国家資格を持つ臨床検査技師が細胞診断をおこない、最終的な判断をしています。
結果は、原則検査から10日以内にマイクロCTC検査のマイページで確認可能です。
信頼できる検査を受け、すぐに結果を知りたい方にはマイクロCTC検査が適しています。
札幌市の乳がん検診に関するよくある質問

最後に、札幌市の乳がん検診に関するよくある質問に回答します。
女医がいる医療機関を受診したい方、奇数年齢でも乳がん検診を受診できるか気になる方、40代未満で検診を受けたい方は、ぜひ参考にしてください。
女医がいる医療機関は?
札幌で女性医師が乳がん検診に対応している医療機関は、次のとおりです。
- 時計台記念病院
- 船員保険北海道健康管理センター
- 札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック
- 斗南病院
- ソフィア北円山クリニック
- NTT東日本札幌病院
- 禎心会さっぽろ北口クリニック
- 札幌マタニティ・ウイメンズホスピタル
- 札幌禎心会病院
- AMSきしクリニック札幌
- イムス札幌消化器中央総合病院
- 静和記念病院
ただし、曜日次第では女医が担当できない場合もあるため、女医による乳がん検診を希望する方は事前に病院に確認したほうがよいでしょう。
偶数年齢の女性のみが受けられる?
原則として、偶数年齢の女性が対象となりますが、直前の偶数歳時に札幌市乳がん検診を受診していない場合は奇数歳でも受診可能です。
具体的には、受診日時点で41歳の方の場合、40歳のときに受診していなければ41歳でも受診できます。
次回以降は、42歳から2年ごとに偶数年齢で受診となります。
20代・30代は受けられない?
20代・30代の方は、40歳以上の方に比べると費用が高くなりますが、マンモグラフィ検査を受けられます。
費用は、2方向撮影で6,710円です。
希望する方は、北海道対がん協会の公式サイトを確認しましょう。
まとめ

乳がんは9人に1人の女性が罹患する身近ながんで、年間14,000人以上の方が命を落としています。
乳がん治療のために乳房を切除するとなると、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかりますが、初期に発見できれば乳房を温存できる可能性が高まります。
また、治療の選択肢も増え生存率も高まるため、乳がん検診は定期的に受けましょう。
時間がない、マンモグラフィ検査の痛みが怖いなどの理由で受診を避けている方には、採血のみでがん細胞を捕捉できるマイクロCTC検査がおすすめです。
乳がんのみならず、血液がんを除く全身のがんリスクを判定できるため、がんの早期発見に大きく役立ちます。
自身の命を守るために、がんの早期発見に努めましょう。



