大腸全体にできるがんをまとめて大腸がんと呼び、このうち直腸に発生したがんを直腸がんと呼びます。
直腸がんは初期症状が出にくく早期発見が難しい部分のため、がん検診の受診が必要です。
がんは進行具合や状態に適した治療を選択する必要があり、早期治療ができれば根治も夢ではありません。
本記事では、直腸がんと大腸がんの違いを詳しく解説します。
また、検査方法や治療法、症状や早期発見のコツもあわせて紹介するため、大腸に発生するがんに不安を抱えている方はぜひ参考にしてみてください。
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直腸がんと大腸がんの違いは?

直腸がんとは、肛門から15~20cmほどに位置している直腸にできる悪性腫瘍のことです。
一方、大腸がんとは直腸と結腸を含めた大腸全体に発生した悪性腫瘍の総称であり、直腸がんと大腸がんはがんの発生する位置が異なります。
直腸がんと大腸がんの関係性や、それぞれの5年生存率について詳しく解説します。
直腸がんは大腸がんの一種
直腸にできる直腸がんは、大腸の一部にできていることから、大腸がんの一種として位置づけられるがんです。
全長1.5mほどある大腸のうち、肛門に近い約20cmの範囲のがんを直腸がん、それ以外の範囲のがんを結腸がんと呼ぶことで、発生部位を明確にできます。
大腸がんとは、結腸がんと直腸がんをまとめた言い方のため、いずれのがんを罹患した場合も大腸がん患者に該当します。
大腸がんの5年生存率
大腸がんと直腸がんの5年生存率の違いは、次の表のとおりです。
| 状態 | 大腸がんの5年生存率 | 直腸がんの5年生存率 |
|---|---|---|
| がんが発生部位に留まる状態 | 97.3% | 95.7% |
| 周辺臓器に転移がある状態 | 75.3% | 74.0% |
| 離れた臓器にも転移がある状態 | 17.3% | 19.7% |
大腸がんと直腸がんの5年生存率に、大きな違いはありません。
いずれも、初期の生存率は95%以上と高く、ステージが進むにつれて生存率が低下します。
がんが進行すると生存率が低くなる理由は、遠隔転移により効果的な治療法が限られるケースが増え、がん組織除去の難易度が上がるためです。
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大腸がん(直腸がん・結腸がん)の症状

大腸がん(直腸がん・結腸がん)は、初期症状がほぼないがんとして知られています。
血便や便意頻回、排便時の鮮血などの症状がみられるようになると、腫瘍が大きくなりがんが進行している可能性が高いです。
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の初期症状や、進行した場合の自覚症状について詳しく解説します。
初期症状はほぼない
大腸がん(直腸がん・結腸がん)に初期症状はほぼありません。理由は、大腸の粘膜には痛覚がなく、悪性腫瘍が発生しても痛みが生じないからです。
そのため、健康診断での便潜血検査が、大腸がん発覚のきっかけになるケースも多いです。
大腸がんは初期症状が出にくく、知らないうちに進行している可能性が高いがんだといえるでしょう。
進行した場合の自覚症状
大腸がん(直腸がん・結腸がん)が進行すると、次のような自覚症状が見られます。
- 血便
- 便秘、下痢
- 便意頻回
- 残便感
- 腹痛、嘔吐
- 体重減少
結腸がんだと肛門までの距離があるため、血の色が暗赤色となり、血が便に混ざってしまうことから発見が難しいです。
肛門付近に発生する直腸がんは結腸がんよりも、血便や排便時の鮮血などの症状に気づきやすい傾向にありますが、軽い体調不良や痔を疑い、様子を見る方も少なくありません。
また、普段から便秘や下痢になりやすい方は、大腸がんの自覚症状と気付かずに対応が遅れる場合もあります。
便に関する異変、腹痛や嘔吐、食が細くなり体重が減少するなどの症状が続く場合は、大腸がんのサインである可能性を疑い、検査を受けたほうがよいでしょう。
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の検査方法・治療法

大腸がん(直腸がん・結腸がん)の主な検査方法は触診や内視鏡検査・造影検査で、より精密に調べる必要がある場合にはCT検査やMRI検査もおこないます。
腫瘍が悪性であると確定した際には、がんの状態やステージにあわせた治療法が提案されます。
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の検査方法と治療法について、詳しく解説します。
検査方法
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の主な検査方法は、次のとおりです。
- 触診
- 内視鏡検査
- 造影検査
- CT検査、MRI検査、超音波検査
- PET検査
- がん遺伝子検査
- 腫瘍マーカー検査
大腸がんを調べる際は、まず直腸の触診、造影検査や内視鏡検査で腫瘍の有無を確認し、ポリープが発見されたら病理診断をおこないます。
CT検査やMRI検査、超音波検査は、悪性腫瘍が発見された場合に周りの臓器への転移がないか調べるための検査です。
ほかには、遠隔転移の有無を調べるPET検査、遺伝子異常を調べるがん遺伝子検査、治療の経過観察に有効な腫瘍マーカー検査なども、必要に応じておこなわれる場合があります。
治療法
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の状態ごとの主な治療法は、次の表のとおりです。
| 大腸がん(直腸がん・結腸がん)の状態 | 主な治療法 |
|---|---|
| がん細胞が発生部位に留まった状態 | ・内視鏡治療 |
| 大腸の周辺臓器に浸潤している状態 | ・外科治療(手術)・薬物療法 |
| 大腸から離れた臓器にも転移がある状態 | ・外科治療(手術)・薬物療法・放射線治療・対症療法 |
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の治療は、がんの進行具合や状態により大きく異なります。
悪性腫瘍が発生部位のみに留まる状態であれば、肉体への負担が少ない内視鏡治療でがん細胞を摘出できる可能性が高いです。
しかし、周辺臓器にも広がる場合は開腹手術や腹腔鏡下手術をおこない、状態次第では薬物療法も必要になるケースがあります。
遠隔転移の段階になると、放射線治療や対症療法を追加しなくてはならないこともあるでしょう。
大腸がん(直腸がん・結腸がん)は、状態にあわせた治療が必要になるため詳しい検査を受け、医師とよく相談して治療方針を決めることが大切です。
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の原因・予防方法

大腸がん(直腸がん・結腸がん)の主な原因は生活習慣と遺伝で、発生リスクを高める悪習慣の改善はがんの予防に効果的です。
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の主な原因と予防方法について、詳しく解説します。
主な原因は生活習慣と遺伝
大腸がん(直腸がん・結腸がん)の主な原因は生活習慣と遺伝です。原因になる生活習慣は、喫煙、アルコールの過剰摂取、食生活です。
喫煙やアルコールの過剰摂取は、大腸がんを含む多くのがんの原因になるため、習慣化している方は見直しが必要です。
食生活も大腸がんの発生リスクを高める要因で、果物や野菜の摂取不足に加えてとくに女性は加工肉や赤肉の摂取が大腸がんのリスクを高める可能性があると懸念されています。
また、遺伝的な要因も原因になり、大腸がんの場合KRAS遺伝子、BRAF遺伝子、HER2遺伝子に異常があると、薬物療法が提案される場合があります。
生活習慣の改善と検診が大切
国立がん研究センターでは、次の5つの改善ががん予防につながると定めています。
- 禁煙
- 摂取
- 栄養バランスの取れた食事の摂取
- 適度な運動の習慣化
- 適正体重の維持
生活習慣の改善はがんの発生リスク低下につながるため、効果的な予防になります。悪い習慣が身についている方は日々の生活を見直し、改めることが大切です。
また、早期治療はがん患者の生存率を高める効果的な方法です。そのため、定期的に検診を受け、早期発見に努めましょう。
大腸がんの早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ

初期症状が出にくく、発覚が遅れがちな大腸がんの早期発見にはマイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査とは、1回5分の採血のみで複数のがんリスクを判定できる検査で、がん検診による肉体的な負担や所要時間の軽減に効果的な方法です。
手軽ながん検診に興味がある方のために、マイクロCTC検査の仕組みや検査方法について詳しく解説します。
マイクロCTC検査の仕組み
マイクロCTC検査とは、血中のがん細胞(CTC)を捕捉できる特殊な機械を用いる先端検査の一つです。
CTCには、上皮性がん細胞と間葉系がん細胞の2種類があり、マイクロCTC検査では浸潤や転移のリスクが高い間葉系がん細胞のみを補足できます。
医師の触診や視診では、まだ腫瘍が小さい初期のがんに気づけない場合があります。
一方で、マイクロCTC検査ならば非常に高い精度で血中に漏れ出たがん細胞を検出可能で、がんの早期発見に効果的です。
また、複数のがんリスクを一度に判定できるため、身体的な負担や検査にかかる時間の軽減にもつながります。
間葉系がん細胞を高精度で補足できるマイクロCTC検査は、一般的ながん検診では見つかりにくいがん細胞の検出につながる先端技術です。
検査は1回5分の採血のみ
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで血液がんを除く全身のがんリスクの判定が可能です。
通常、複数のがん検診を受けるとなると、多くの検査が必要で拘束時間が長くなるため、受けたくても受けられない方も多いでしょう。
大腸がんの検診のみでも、バリウムや下剤を服用する必要があります。検査や検査の処置による不快感が長引けば、検査後に仕事に戻れないかもしれません。
1回5分の採血のみで終了するマイクロCTC検査は非常に短時間ででき、不快感もないため忙しい現代人におすすめです。
肉体的な負担も軽く、悪影響が出にくいため、仕事の合間や次の予定が控えているときでも受けやすいでしょう。
全国のクリニックで検査可能
マイクロCTC検査は全国180件以上のクリニックで検査可能です。
東京在住の方におすすめの代々木ウィルクリニックは、代々木駅から徒歩30秒と利便性が高く、プライバシーに配慮した完全個室が設けられています。
提携クリニックは全国各地にあるため、都心部以外に住んでいる方も来院できるクリニックを見つけやすいでしょう。
来院は採血当日のみで、検査結果はWebで確認できます。万が一、がん細胞が検出された場合、代々木ウィルクリニックで無料相談が可能で、オンライン面談にも対応しています。
マイクロCTC検査に興味がある方は、公式サイトで最寄りの提携クリニックを確認してみるとよいでしょう。
大腸がん(直腸がん・結腸がん)に関するよくある質問

最後に、大腸がん(直腸がん・結腸がん)に関するよくある質問に回答します。
大腸がんの進行速度や症状の詳細、大腸がんに気づくきっかけについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
大腸がんの進行速度は?
大腸がんの進行速度には個人差がありますが、比較的ゆっくり進行するがんとして知られています。
しかし、進行速度は一定ではなく、がんのステージが進むにつれて進行のスピードが早まるケースが多いです。
具体的には、がん細胞が発生部位にのみ留まる状態だと年単位、周辺臓器への浸潤が見られると半年単位、遠隔転移がある段階だと月単位で進行する場合があります。
ただし、上記の進行速度はあくまで目安です。生活習慣の改善や早期治療は、進行の抑制に効果が期待できます。
どのような症状が出ると手遅れになる?
がんが進行していると治療法が限られるケースはありますが、手遅れと判断されることはありません。
遠隔転移があると、大腸がんの基本的な症状に加えて動悸や息切れ、貧血、骨の痛みなどの症状も見られる場合があります。
手術でのがん組織除去が困難だと判断された場合には、効果が期待できる治療は減少するものの、対処法が一切ないわけではありません。
どのような状態でも、痛みや苦痛を軽減するための治療は残されているため、気になる症状があれば遠慮せず主治医に相談しましょう。
大腸がんに気づいたきっかけは?
初期症状が出にくい大腸がんは、定期検診で受けた潜血便検査の結果で発覚するケースが多いです。
また、腫瘍が大きくなるとみられる、血便や排便時の鮮血、便秘、便が細くなる、便意頻回など便に関する異変で気付く場合もあります。
ただし、大腸がんの症状は痛みを伴わないことが多く、異変が生じてもがんのサインだと気付かずに様子を見る方も珍しくありません。
些細な変化でも油断せず、普段と異なる症状が続く場合には大腸がんの可能性を疑い、早めに専門医を受診したほうがよいでしょう。
まとめ

直腸がんは大腸がんの一種のため大きな違いはなく、いずれも喫煙や飲酒、肥満、遺伝子が主な原因となります。
初期症状が出にくいうえ、血便や便秘など痛みを伴わない自覚症状が多く、発覚が遅れやすいがんです。
大腸がんの5年生存率は、早期治療で90%と異常と非常に高いため、定期的ながん検診と些細な異変でも受診を先送りにしないことが大切です。
しかし、大腸がんの検診は肛門からの触診、バリウムや下剤の使用など、肉体的にも精神的にも負担が大きい検査が多く、不安を感じる方もいるでしょう。
検査内容に抵抗がある方には、1回5分の採血のみで大腸がんを含むさまざまながんリスクを判定できるマイクロCTC検査がおすすめです。
早期発見が難しい大腸がんを見落とさないためにも、負担の少ないマイクロCTC検査を健康維持に活用してみてください。



