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がんの骨転移であらわれる症状は?原因・余命・検査方法・治療法について解説

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がん患者やその家族のなかには、がんが骨転移するとどのような症状があらわれるのか不安を抱く方が少なくありません。検査方法を具体的に知りたい方もいるでしょう。

骨転移は初期症状が出にくいですが、進行すると病的骨折や高カルシウム血症、痛みなどの症状を引き起こすことがあります

また、脊髄圧迫により下半身がしびれたり感覚が鈍くなったりする場合には、一刻も早い受診が欠かせません。

本記事では、がんの骨転移であらわれる症状を紹介したうえで、骨転移の原因や余命への影響、検査方法、治療法について詳しく解説します。

がんの骨転移に関して詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

がんの骨転移とは?

がんの骨転移とは、骨以外に発生したがん細胞が血液の流れに乗って骨に移動し、定着して増えることを指します。

骨転移は全身の骨に起こる可能性があり、放置していると痛みや骨折などに悩まされ、生活の質(QOL)の低下につながりやすいです。

骨の代謝に欠かせない2種類の細胞のバランスを崩したがん細胞は、骨が溶けたところに定着し、溶けた骨の栄養を吸収し増殖します。肺がん、乳がん、胃がん、前立腺がんなどは骨転移が起こりやすいです。

まずは、がんが骨転移する仕組みと、骨転移しやすいがんの種類について詳しく解説します。

がんが骨転移する仕組み

がん細胞は、骨を正常に保つ破骨細胞と骨芽細胞に刺激を与えバランスを崩します。次に、破骨細胞の活性化により溶けた骨に定着し、増殖して骨転移を起こします。

具体的には、次のような過程を経ています。

  1. 骨以外で発生したがん細胞が血液の流れに乗って骨へ移動する
  2. 刺激を与えて破骨細胞を活性化させる
  3. 破骨細胞が正常な骨の表面を溶かす
  4. 溶けた部分にがん細胞が定着する
  5. 溶けた骨の栄養を吸収してがん細胞を増殖させる
  6. 増殖したがん細胞は破骨細胞をさらに刺激する
  7. 悪性のサイクルにより骨転移が進行する

がん細胞が骨に定着したあとの反応は、大きく分けて次の3パターンに分類できます。

  • 溶骨型転移:骨が溶けることで強度が低下し、骨折しやすくなる
  • 造骨型転移:正常ではない組織の骨が作られ、痛みが生じやすくなる
  • 混合型転移:溶骨型と造骨型の特性を兼ね備える

また、発見が難しい転移の種類として、骨変化がみられない骨梁間型(骨髄転移)もあります。

骨転移は、正常な骨を維持する細胞のバランスを崩し、破骨細胞の特性を利用して定着したのち、がん細胞の増殖を促すことで起こる仕組みです。骨転移による反応には複数のパターンがあります。

骨転移しやすいがんの種類

骨転移しやすい主ながんは、肺がん、乳がん、胃がん、前立腺がん、腎がん、大腸がんで、それぞれ次のような反応が出やすい傾向があります。

がんの種類出やすい反応
肺がん溶骨型、混合型
乳がん溶骨型、混合型
胃がん造骨型、混合型
前立腺がん造骨型
腎がん造骨型
大腸がん造骨型、混合型

骨転移は、特定のがんにのみ起こるわけではなく、複数のがんでみられる現象です。

日本人に多いがん上位5種類(大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、前立腺がん)はすべて、骨転移しやすいがんに含まれています。

がんの骨転移で起こる症状

がんの骨転移では初期症状が出にくいです。しかし、進行とともに病的骨折や痛み、高カルシウム血症、脊髄圧迫などの症状が出やすくなります。

ここからは、がんの骨転移で起こる可能性のある4つの症状について詳しく解説します。

病的骨折

がんの骨転移が起こると骨が脆くなるため、正常の骨であれば骨折しないようなわずかな負荷でも骨が折れる病的骨折がみられることがあります。

骨転移の影響で骨の耐久性が下がると骨が壊れやすくなり、少しの力でも骨折する恐れがある状態(切迫骨折)が続きます

その後、がん細胞がさらに増殖して骨転移が進行すると、実際にわずかな力や思わぬ動作で骨が折れる病的骨折が起こりやすいです。ただし、造骨型転移では病的骨折は少ない傾向にあります。

病的骨折は強い痛みを伴い、可及的速やかに手術が必要になるケースも多いです。

病的骨折の改善にはがんに対する治療が必要ですが、がんの骨転移による病的骨折の危険性を踏まえ、未然に防ぐために補装具を利用したりリハビリで筋肉強化したりすることも大切です。

痛み

がんが骨転移すると、初発症状として痛みを感じる方が多い傾向があります。骨転移による痛みが出やすい部位は頚椎、上腕骨、背骨、骨盤などです。

肺がんは例外ですが、肘より先、膝より下には骨転移しにくいため、痛みが生じることは比較的少ないです。

骨転移による痛みは徐々に悪化する傾向があり、放置していると下半身不随の原因になる可能性もあります。

胸椎に生じる痛みはとくに警戒すべき症状のため、背中や胸周り、脇腹に原因不明の痛みがある、痛みが徐々に強くなるなどの異変を感じたら早めに医療機関を受診してください。

骨転移が原因の痛みは、安静にしても治癒しません。少し休めば治る、もともと腰痛持ちで痛いのはいつものことだから大丈夫と自己判断せず、骨転移が起きたら些細な異変も医師に伝え適切な治療を受けましょう。

高カルシウム血症

溶骨型転移により骨の破壊が進むと、高カルシウム血症を発症する可能性があります。とくに、肺がんや乳がんが骨転移した場合に起こりやすいため注意が必要です。

高カルシウム血症になると、ダメージを受けた骨からカルシウムが放出され、血中のカルシウム濃度が上昇します。血清カルシウム値が12~13mg/dlを超えると、次のような症状を招くことがあります

  • 食欲不振
  • 倦怠感
  • 疲労感

さらに、高カルシウム血症では腎機能の低下による脱水や、中枢神経症状である精神症状にも注意が必要です。精神症状を放置すると、最悪の場合には昏睡状態となり、死に至る危険性があります。

進行がんが骨転移しているケースでは、すでに全身状態が悪く高カルシウム血症が原因の不調に気付けないこともあります。

上記の症状がみられるときは、高カルシウム血症の可能性も視野に入れて担当医に相談するとよいでしょう。

脊髄圧迫

がんの骨転移が進行すると、がん細胞が増殖して発生した腫瘍が脊髄を圧迫し、脚がしびれる、感覚が鈍くなる、脚に力が入らない、排泄ができないなどの症状が出る場合があります。

脊髄圧迫は、治療が遅れると歩行困難や寝たきりになる可能性もあるため、異変を感じたらすぐに医療機関を受診してください

実際に、朝に脚の痺れを感じた方が、午後には脚を動かせなくなったという報告もあります。

自力で歩ける状態で治療をはじめることで、歩行能力を失わずに済む可能性が高まります。

がんの骨転移が起きたら些細な初期症状も見逃さず、万が一に備えて休日や夜間であっても受診できる状態を整えておくとよいでしょう。

がんが骨転移した場合の余命は?

がんが骨転移しても、余命には影響を与えません。

とはいえ、必要な治療を怠ると、強い痛みが生じたり、骨折しやすくなったりして日常生活に支障をきたします

余命に影響しないからといって油断せず、がんが骨転移した際は適切な治療を受けましょう。

がんの骨転移の検査方法

がんの骨転移の検査は主に骨シンチグラフィ、PETもしくはPET-CT、 CTまたはMRIなどの画像検査がおこなわれます。

画像検査に追加して、血液検査を実施する場合もあるため、それぞれの検査方法の特徴や目的を詳しく解説します

骨シンチグラフィ

骨シンチグラフィは、骨にがんの転移がないか確認するための画像検査で、骨転移により溶骨または造骨された骨は黒く写ります。

専用の薬を投与して3時間ほど間隔を空けたら、約30分の撮影をおこなう方法が主流です。食事制限は不要です。

骨シンチグラフィの薬を投与すると正常の骨に比べて、溶骨性の骨はやや濃く、造骨性の骨はさらに濃く写し出されるため、骨転移の有無の判断に役立ちます。

撮影した画像に次のような特徴がみられると、骨転移している可能性があると考えられます。

  • 間接面ではなく、骨の中が黒く写る
  • 中心部が白く、周囲が黒いドーナツ型の影が確認できる
  • 白黒の濃淡が左右非対称
  • 体幹部、四肢の近位部が黒く写る

骨シンチグラフィは骨折や関節炎、骨髄炎にも反応するため、上記の特徴が必ずしも骨転移に直結するとは限りませんが、有用な判断材料になります。

PET・PET-CT

PET検査、PET-CT検査は、がんの位置や転移の状況を調べるために有用な検査です。

PET検査では、ブドウ糖に似た性質の放射性薬剤を投与し、がん細胞への取り込まれ方を画像化します。全身撮影が可能で、がん細胞の活動の様子も確認可能です。

一方、PET-CT検査はPET検査に、臓器の形を立体的に画像化できるCT検査を組みあわせた方法で、PET検査よりも細かい診断に役立ちます

がん細胞には多くのブドウ糖を取り込む性質があります。PET検査とPET-CE検査では投与した放射線薬剤が集まる様子の可視化が可能です。

PET検査、PET-CT検査は基本的に次の流れでおこなわれます。

  1. 検査薬を投与
  2. 1時間ほど安静
  3. 30分ほどかけて撮影
  4. 撮影後は30分ほど待機

検査前5~6時間前の糖分摂取は禁止です。

検査時間が長く感じる方もいるかもしれませんが、PET-CT検査ならばPET検査とCT検査を別々で受ける必要がなくなるため、効率的な治療といえるでしょう。

CT・MRI

CT検査、MRI検査も有用な画像検査の一種で、内臓の状態を断面的に画像化できます。いずれもがんの広がりや転移の有無の確認など、さまざまな目的で用いられる検査です。

CT検査では多方向からエックス線をあてて、吸収率の差を画像化しています。

必要に応じて造影剤を飲んだら、あおむけの状態で専用の機械に入り、10~15分ほど撮影します。金属やプラスチックを身につけていると画像に写り込むため、事前にすべて外しましょう

MRI検査は強力な磁石と電波を活用する検査で、撮影部位に専用の用具を装着し、体には電波をあてて撮影します。

撮影時間は15~45分程度で、撮影中は動かず同じ姿勢を維持しなくてはなりません。閉所恐怖症の方、大きな音が苦手な方、痛みがあり同じ姿勢のキープが難しい方は事前に医師に相談するとよいでしょう。

どちらの検査も、造影剤を用いる場合には食事制限が必要です。放射線を利用するCT検査は被爆のリスクを懸念する方もいますが、1回の被爆量はごく少量で健康に影響するレベルではないため、過度な心配は不要です。

血液検査

血液検査のみでは不十分ですが、がんの骨転移が起きているか判断する材料の一つとして画像検査と併用しておこなわれることがあります。

がんの骨転移が起こり骨に存在する破骨細胞と骨芽細胞が活性化すると、血中のALP(アルカリホスファターゼ)が増加します

また、1型コラーゲンの一種である1CTPの測定も、骨吸収(破骨細胞が骨の表面を溶かすこと)の確認には有用です。

がんの骨転移を調べる際には主に画像検査が実施されますが、血液検査からも重要な情報が得られます。

骨転移したがんの治療法

以前は有効な治療法が乏しかった骨転移ですが、現在は薬物療法、放射線療法、手術療法などによる治療が主流におこなわれています。

骨転移したがんの主な治療法の特徴や目的、期待できる効果などについて、詳しく解説します。

薬物療法

痛みの軽減を目的に薬物療法として鎮痛剤が処方されることがあります。

また、破骨細胞による骨の破壊抑制を目的とした薬物療法もあり、骨修飾薬と呼ばれる薬が活用されます

骨修飾薬の代表的な種類と、それぞれに期待できる効果は次のとおりです。

  • ビスホスホネート製剤:破骨細胞に侵入し内側から破壊する
  • 抗RANL抗体製剤:破骨細胞を活性化させる刺激をブロックする

破骨細胞の働きを抑えることは、骨転移の進行抑制につながるため非常に重要です。

ただし、骨修飾薬には次のような副作用があります。

  • 発熱
  • 腎障がい
  • あごの骨の壊死
  • あごの骨の炎症
  • 外耳道骨の壊死
  • 低カルシウム血症

ビスホスホネート製剤を服用すると、発熱と腎障がいを発症しやすいです。発熱した際は解熱剤を服用し、脱水にならないようこまめに水分補給をしましょう。

腎障がいは症状が出にくいため、ビスホスホネート製剤での治療を継続している方は、定期的な血液検査が必要です。

骨修飾薬での治療中にあごや歯ぐきの痛み、腫れ、膿、耳の痛みや耳だれなどの症状が出るときは、迷わず担当医に相談してください。

あごの骨に関する副作用は、虫歯や歯周病の治療が不十分な場合に生じやすい傾向があります。

抗RANKL抗体製剤を服用している方は、低カルシウム血症が重症化するリスクがあるため、手や指、唇のしびれには注意が必要です。

骨装飾薬による治療は、がんの骨転移の進行抑制を期待できますが、副作用がともなうことも理解したうえで、受けるか検討しましょう。

放射線療法

骨転移に対する放射線治療は、がん細胞の減少、痛みの緩和、骨折や脊髄圧迫の予防、壊れた骨の再生などを期待しておこなうことが多いです。

治療中の痛みはなく手術よりも負担が少ない点がメリットですが、放射線治療には吐き気や倦怠感、照射部分のかゆみ、赤みなどの副作用があります

放射線治療の副作用がつらいとき、骨転移の痛みが原因で治療中に同じ姿勢を維持できないときは、担当医に相談しましょう。鎮痛剤や副作用の軽減に役立つ薬を処方できる場合があります。

手術療法

骨転移に対して手術をおこなう場合は、歩行能力の維持または回復、痛みの緩和が主な目的です。骨転移が起きたばかりにはおこなわれにくく、骨折や脊髄圧迫などの症状が出たタイミングでおこないます。

手術によるがん細胞の切除が可能なときは、局所的な根治を目指して手術をしますが、肉体的な負担が大きいため、手術をおこなうのは、リスク以上のメリットが確認されたのみです。

たとえば、病的骨折により強い痛みが生じている場合は、痛みの緩和目的で手術をおこないます。

一方で、切迫骨折の状態では、リスク以上のメリットが得られないと判断されれば、手術ではなく放射線治療が優先される可能性があります。

がんの骨転移に関するよくある質問

最後に、がんが骨転移しても長生きできるのか、骨転移するとどのような初期症状があらわれるのかなどの質問に回答します。

がんが骨転移するとステージはいくつなのかについてもあわせて回答するため、同じ疑問を抱く方はぜひ参考にしてください

骨転移しても長生きできる?

骨転移は余命に影響しないため、適切ながん治療を継続すれば長生きできる可能性は十分あります。

骨転移が起こると切迫骨折や病的骨折、痛みに悩まされることもあり、生活の質が低下しやすいです。

脊髄圧迫による症状を放置していると、歩行困難や寝たきりになる可能性もあり、日常生活に悪影響が出る状態では望ましい長生きとは言い難いでしょう。

必要ながんの治療を継続し、些細な違和感も見逃さずに医療機関を受診すれば、骨転移しても長生きしやすいでしょう。

骨転移した場合の初期症状は?

骨転移は初期症状が出にくく、多くの方が無症状で過ごしています

体重をかけたときの痛みやしびれなどを感じはじめたら、骨転移が進行したサインの可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。

がんが骨転移するとステージはいくつ?

明確な定めはありませんが、がんが骨転移するとステージ4に分類されることがあります

ステージ4に振り分けられやすい理由は、骨以外が原発巣だった場合の骨転移は、遠隔転移に該当するためです。

一概にはいえませんが、がんが骨転移するとステージ4に相当すると判断されることが多いです。

まとめ

がんの骨転移が起こると、余命わずかなのではないかと不安になる方もいるでしょうが、骨転移が直接的な原因で余命が短くなることはありません。

初期症状が出にくく、骨転移が起こったばかりの頃は無症状で過ごす方も多いものの、進行すると病的骨折や痛み、高カルシウム血症、脊髄圧迫などの症状が出やすくなります。

病的骨折や脊髄圧迫は歩行困難、寝たきりの原因になる可能性もあるため、わずかな異変も見逃さずすぐに医療機関で診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。

がんの骨転移では薬物療法や放射線療法がおこなわれるケースが主流ですが、いずれも副作用をともないます。骨修飾薬であごや歯ぐきに痛みが生じる場合には、すぐに担当医に相談してください。

痛みの緩和や骨転移の進行抑制を目的とする治療と、がんそのものの治療を並行して続けることで、骨転移が起きても生活の質を保ちながらがんと付き合いやすくなるでしょう。

※本記事は可能な限り正確な情報を記載しておりますが、内容の正確性や安全性を保証するものではありません。

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