胃がんが腰痛の原因になる？どのような痛み？注意すべき症状や受診の目安を解説

胃がんが広がったり転移したりすると、周辺の臓器や神経が圧迫され腰痛が起こることがあります。

また、胃の壁を硬化させながら広がるスキルス胃がんも腰痛の原因になり得ます。

安静時も腰痛が続く、足がピリピリする、痛みの範囲が広がるなどの状態は、がんの進行が疑われるため、すぐに医療機関を受診すべきです。

本記事では、胃がんによる腰痛の特徴や注意すべき症状、受診の目安などについて詳しく解説します。

なぜ胃がんが腰痛の原因になるのか、具体的にどのような痛みが生じるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。

また、1回5分の採血で胃がんを含む複数のがんリスクを判定できるマイクロCTC検査についてもあわせて紹介します。

胃がんが腰痛の原因になる？

胃がんによる腰痛は、浸潤や転移が原因で生じるケースが多いです。なかでも、背骨に転移すると、腰痛があらわれやすい傾向があります。

また、胃の壁を硬くさせながら広がるスキルス胃がんが腰痛の原因になる例もあるため、それぞれ詳しく解説します。

背骨に転移すると腰痛の原因になる

胃がんが背骨に転移すると、骨内で増殖したがん細胞が周辺の神経を圧迫し、腰痛を引き起こす場合があります。

胃がんは初期症状がほぼないうえに、骨転移を起こしやすいがんのひとつです。そのため、腰痛が生じる段階ではステージが進行している可能性が高いと考えられます。

骨転移は全身のあらゆる骨に発生する可能性がありますが、背骨は転移が起こりやすく、痛みをともなうことが多い部位です。

背骨に転移した際の主な症状には、背中や脇腹の痛み、下半身の麻痺などもあるため、腰痛以外に関連する異変が続く場合には、医療機関の受診を強く推奨します。

スキルス胃がんで腰痛になる場合がある

骨転移以外では、胃の壁を硬く厚くさせながら広がるスキルス胃がんが腰痛の原因になることもあります。

動作に関係なく鈍い腰痛が続く場合、スキルス胃がんがすい臓に浸潤している可能性が考えられます。

また、がん細胞が散らばりながら広がる腹膜播種をともなうと、腹水が溜まりお腹が張ったり、腸管が圧迫されたりして、腰痛や背中の痛みを感じやすいです。

症状は、進行具合や浸潤部位により異なるため、安静にしても痛む、痛みが悪化するなどの異変が続くケースでは、詳しい検査で原因を調べることが重要です。

胃がんが原因の腰痛はどのような痛み？

胃がんが原因の腰痛は、浸潤や転移が見られる部位、進行具合などによって異なりますが、安静時でも痛みが続く傾向があります。

また、足がピリピリしたり、痛みの範囲が拡大したりする場合も、胃がんによる腰痛の特徴に当てはまるため、それぞれ詳しく解説します。

安静時でも痛い

がんによる痛みは安静時でも続く特徴があるため、胃がんが原因の場合、体の動きに関係なく腰痛が続くことがあります。

筋肉や靭帯への負担が原因の腰痛では、数日安静に過ごすと痛みが緩和するケースが多いです。

しかし、胃がんによる腰痛は浸潤や骨転移が主な原因のため、十分に休んでも症状の改善は期待できません。

原因不明の腰痛が安静時も続く場合には、単なる腰痛と自己判断せず医療機関で原因を確認しましょう。

足がピリピリする

胃がんが背骨に転移すると、足がピリピリと痺れる場合があります。

胃がんが拡大し神経を圧迫したり、転移して神経障害を起こしたりすると、足にピリピリとした痛みや痺れが生じる原因になります。

放置すると歩行が困難になり、尿意や便意に気付けなくなる恐れもあるため、異変を感じたら早めに検査を受けることが大切です。

痛みの範囲が広がる

胃がんの浸潤や転移がさらに進むと、痛みの範囲が広がり、より強い痛みを感じるケースがあります。

胃がんによる腰痛は主に、周辺の臓器や神経が圧迫されることで生じるため、がんの進行にともない症状が悪化する可能性が高いです。

痛む範囲が広がる、痛みが増すなどの変化がみられる際には、がんの進行を視野に入れ、すぐに精密検査を受けるべきです。

胃がんが疑われる腰痛がある場合は受診すべき？

安静時も痛い、痛みの範囲が広がるなど、がんによる痛みの特徴に当てはまる腰痛は、すぐに医療機関を受診しましょう。

初期症状がほぼない胃がんは、腰痛が出る頃にはすでにがんのステージが進んでいるケースも多いです。

そのため、自覚症状がない段階から定期的に検診を受け、早期発見につなげることが非常に重要です。

医療機関を受診する目安、胃がんの検査方法や治療法について詳しく解説します。

医療機関の受診の目安

厚生労働省は、50歳以上の方に対して胃がんの検診頻度を2年に1回と推奨しています。自覚症状の有無にかかわらず、定期的な受診を続けましょう。

ピロリ菌の感染率が激減した近年では、20～40代の胃がん罹患率も大幅に減少しています。

ただし、喫煙や塩分過多などの生活習慣は胃がんの原因になるため、不安な方は50代未満でも定期的に医療機関で検診を受けるとよいでしょう。

胃がんの検査方法・治療法

胃がんの検査ではまず問診をおこない、胃部エックス線検査もしくは胃内視鏡検査のいずれかを実施します。

胃部エックス線検査は、胃を膨らませる薬剤と造影剤を服用し、胃の中を映し出す画像検査のことです。

当日は検査終了まで飲食ができません。また、稀に造影剤により便秘や腸閉塞を起こす場合があります。

胃内視鏡検査は、口や鼻から専用のカメラを挿入し、胃の中を観察する検査です。抗凝固剤を服用していると内視鏡検査を受けられない場合があるため、医師に相談しましょう。

検診のたびに両方の検査を交互に受けると、偽陽性や偶発症のリスクが高まるため、いずれか一方の検査を継続して受けることを推奨します。

検診や精密検査で胃がんが発見されると、がんの状態に応じて次のような治療をおこないます。

• 内視鏡治療
• 外科治療
• 薬物療法
• 免疫療法

がん細胞が胃に留まる際には、内視鏡による切除が可能ですが、浸潤や転移が進むと広範囲の切除が必要になり、外科治療をおこなうケースが多いです。

また、薬物療法は主に切除が難しい、再発した胃がんにおこない、免疫療法はがん細胞への攻撃力を高める目的でおこないます。

検査で胃がんの状態を詳しく調べることが、効果的な治療法の選択につながります。

胃がん以外で腰痛の原因になるがん

胃がん以外では、大腸がんやすい臓がんが腰痛の原因になることがあります。

また、女性特有のがんである卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がん、乳がんなども腰痛の原因になるため、それぞれ詳しく解説します。

大腸がん

大腸がんは胃がんと同様に骨転移が起こりやすく、腰椎周辺に転移したがん細胞が神経を圧迫すると、腰痛を引き起こすことがあります。

また、大腸に発生したがんが大きくなり、周囲の臓器を圧迫し腰痛を招くケースもあります。

大腸がんによる腰痛は、痛みを感じる位置に個人差が出やすいです。

理由は、大腸は右下腹部から円を描くように広範囲に広がる臓器で、がん細胞の発生部位により腰痛が生じる位置も異なるためです。

たとえば、がん細胞が発生した部位が上行結腸ならば右側、下行結腸やS状結腸ならば左側の腰に痛みが出やすい傾向にあります。

腰の中心が痛む際は骨転移の可能性が考えられ、転移の影響で骨が脆くなり病的骨折をすると、鋭く強い痛みが生じるケースもあります。

腰痛のほかに、便秘や下痢、血便、残便感、腹部の張りなどの症状が続く場合は、大腸がんが進行している可能性があるため、詳しい検査で原因を調べましょう。

すい臓がん

腹部に位置するすい臓にがんが発生、進行すると、腰痛や腹痛が生じやすいです。

すい臓がんは初期症状が出にくく早期発見が難しいうえ、早い段階で転移が起こりやすいです。

また、腹膜播種が起こるとさまざまな臓器に広がるため、腰痛のほかに食欲不振や腹部の張り、黄疸、背中の痛みなど多様な症状がみられることもあります。

すい臓がんは遺伝や喫煙、飲酒、肥満などが発生リスクを高めるため、該当する要因がある方は腰痛を含め些細な異変も見落とさず、定期的に検診を受けることが大切です。

卵巣がん

卵巣がんが進行すると腹膜播種が起こり、さまざまな臓器に浸潤や転移する可能性が高まります。

なかでも、大腸、小腸、膀胱などにがん細胞が広がると、周辺の臓器や神経が圧迫されて腰痛が生じやすいです。

また、腹膜播種により腹水が溜まるとお腹が前に突き出るため、腰の筋肉や背骨への負担が増し腰痛を感じることもあります。

卵巣がんも初期症状がほぼなく、気付いた時点でがんが進行しているケースが多いため、些細な異変でも放置しないことが大切です。

腰痛以外にも下腹部の不快感や張り、頻尿や便秘、骨盤の痛みなどの症状が続く場合には、早めの受診を推奨します。

子宮体がん

子宮体がんが進行しリンパ節や膀胱、直腸などに広がると、腰痛が続くことがあります。

子宮体がんが進行すると腰痛のほかに、下腹部の痛みや下肢のむくみ、性交時の痛みなどの症状が見られる方もいます。

また、出血も子宮体がんの主な症状のため、月経以外の出血や閉経後の出血、おりものへの血の混入がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

腰痛やむくみ、下腹部の痛みが生じる前の段階でがんを見つけることは、治療の選択肢を増やし、心身及び経済的な負担軽減につながります。

子宮頸がん

子宮頸がんによる腰痛は、子宮頸部周辺組織への浸潤、骨への転移が進み、神経や血管が圧迫されて生じる場合があります。

子宮頸がんも初期の段階では症状が出にくく、不正出血やおりものの異常が見られた場合にはすでにがんが進行している可能性が高いです。

がんが子宮の外まで広がると腰痛のほかに、骨盤や下腹部の痛み、下肢のむくみなどの症状がみられるケースもあります。

子宮体がんとあわせて、定期的に検診を受けて早期発見に努めることが重要です。

乳がん

乳がんも骨転移を起こしやすいがんのひとつで、腰椎や骨盤に転移すると腰痛が生じることもあります。

乳房のしこりやくぼみ、乳頭からの分泌物、乳頭や乳輪のただれなどは、乳がんの主な症状です。腰痛に加えて上記の症状が見られる場合は、早めに乳がん検診を受けましょう。

また、乳がんは手術から10年以上経過しても骨転移する可能性があります。

そのため、乳がんの手術を経験した方で原因不明の腰痛が続く場合は、定期検診を待たずに医療機関を受診すべきです。

がんの早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ

胃がんに限らず、さまざまながんの早期発見には高精度で迅速な検査体制を実現しているマイクロCTC検査がおすすめです。

マイクロCTC検査の特徴や体制、料金などについて詳しく解説します。

マイクロCTC検査の特徴

マイクロCTC検査は、採血のみで悪性度の高いがん細胞を捕捉できる検査で、血液がんを除く全身のがんリスクの判定が可能です。

マイクロCTC検査でがん細胞が捕捉された場合、すでにがんの浸潤や転移が起きている、もしくはこれから起こる可能性が非常に高いです。

通常のがん検診では見つけにくい初期のがんでも、細胞そのものを検出できるマイクロCTC検査ならば早期発見に高い効果が期待できます。

また、検査内容は1回5分の採血のみです。触診や画像検査は不要で、身体的にも時間的にも負担が少ないこともマイクロCTC検査ならではの特徴です。

高精度・迅速な検査体制を実現

マイクロCTC検査は、国内に専用の検査センターを設置し、迅速に検体を調べられる体制を整えているため、検体劣化により分析精度が低下する心配が少ないです。

さらに、米国で開発された特異度94.45％の抗体を利用する検査手法を導入し、高精度の検査を実現しています。

特異度とは、がんを罹患していない方が陰性と判断される正確性を示す数値で、特異度の高さは偽陽性が少ないことを意味しています。

信頼できるがん検診を受けたい方は、マイクロCTC検査の活用を検討するとよいでしょう。

料金・クリニック概要

マイクロCTC検査の料金は1回198,000円（税込）で、180件以上の提携クリニックで検査が受けられます。

全身のがん検診料金は医療機関や検査内容により差が生じますが、30万円前後かかるケースが多く、マイクロCTC検査のほうが比較的リーズナブルです。

また、提携クリニックは全国各地にあるため、利便性のよいクリニックを見つけやすいでしょう。

自宅周辺に提携クリニックがない場合でも、検査は短時間で体への負担も少ないマイクロCTC検査ならば、出張先や外出先でも受けやすいです。

居住地域に関係なく、高精度で先進的ながん検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。

胃がんによる腰痛に関するよくある質問

最後に、胃がんによる腰痛に関する3つの質問に回答します。

腰痛が起こるステージや胃がんの初期症状、胃がん手術後の腰痛について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

どのステージになると腰痛が起こる？

胃がんによる腰痛はステージが進行したほうが起こりやすい傾向にありますが、発症するタイミングには個人差があります。

たとえば、胃に発生したがん細胞が周辺の臓器が圧迫して腰痛が起こるケースもあれば、転移するまで進行した際に腰痛が生じるケースもあります。

そのため、胃がんによる腰痛は特定のステージに限定されません。一向に治らない、徐々に悪化する腰痛がある場合は、早めに医療機関を受診し原因を確認しましょう。

胃がんの初期症状は？

胃がんは早い段階では症状が出にくく、進行すると次のような症状が出る場合があります。

• 胃の痛みや不快感
• 胸やけ
• 吐き気
• 食欲不振
• 血便
• 体重減少

ただし、胃がんは進行しても症状が出ないケースもあるため、自覚症状がない段階からの定期的な検診を強く推奨します。

胃がんの手術後にも腰痛が起こる？

胃がんの手術後にも腰痛が起こることはあります。

胃の切除手術をおこなうと骨障害が起こることがあり、初期の自覚症状に腰痛や背中の痛みが挙げられます。

重症化すると圧迫骨折のリスクも高まるため、予防と対策が必要です。

胃切除手術後は、カルシウムを積極的に摂取し、適度な運動で骨に負荷をかけ骨形成を促しましょう。

まとめ

胃がんが浸潤や転移すると、腰痛が生じることがあります。とくに、背骨に転移すると腰痛が出やすいです。

腰痛の原因ががんの場合、安静時も痛みが続く傾向があり、痛む範囲が徐々に広がるとがんの進行が疑われます。

胃がんは早い段階では症状が出にくいがんで、腰痛が出る段階になるとステージが進んでいる可能性が高いため、2年に1回の頻度で検診を受けることが推奨されています。

しかし、胃がん検診は内視鏡検査またはエックス線検査を受ける必要があり、抵抗を感じる方も多いです。

体への負担が少ない検査を希望する方には、1回5分の採血で血液がんを除く全身のがんリスクを調べられるマイクロCTC検査がおすすめです。

血中に漏れ出た悪性度の高いがん細胞を捕捉できるマイクロCTC検査は、発見が遅れがちな胃がんの早期発見に役立ちます。

受けられる提携クリニックは、全国各地に180件以上あるため、来院しやすいクリニックがないか確認してみるとよいでしょう。