腰痛の原因が大腸がんの場合、成長した腫瘍が周辺の臓器や神経を圧迫すると、鈍い痛みが生じやすいです。
大腸の動きにあわせて圧迫する力に強弱が出るため、波のような痛みになることがあります。
大腸がんがさらに進行し、骨転移により腰椎が折れると、非常に強い痛みが生じるケースもあるでしょう。
本記事では、大腸がんによる腰痛の特徴や原因、注意が必要なケースを詳しく解説します。
また、初期症状がほぼなく、発見が遅れがちな大腸がんの早期発見に役立つマイクロCTC検査もあわせて紹介します。
大腸がんによる腰痛がどんな痛みか知りたい方、一般的な大腸がん検診より負担が少ない検査方法が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
大腸がんとは?

大腸がんとは1.5~2mほどある大腸にできるがんの総称で、がん細胞が発生する部位により結腸がんと直腸がんに分けられます。
大腸がんの発症リスクを高める主な要因には、喫煙、過剰飲酒、肥満などの生活習慣や、遺伝が挙げられます。
初期の大腸がんに自覚症状はほぼありません。がんが進行すると、便秘や下痢、血便、便が細くなるなど排便に関する異変や腹痛が生じやすいです。
大腸がんによる腰痛がどんな痛みなのか触れる前に、まずは、大腸がんの種類や原因、症状について詳しく解説します。
大腸がんの種類
大腸がんには、直腸がんと結腸がんの2種類があり、肛門へつながる直腸S状部、上部直腸、下部直腸に発生するがんを直腸がんと呼びます。
対して、結腸がんは上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に発生したがんの名称です。
日本人はS状結腸と直腸にがんが発生しやすい傾向があり、良性腫瘍ががん化するタイプと、粘膜から直接発生するタイプがあります。
大腸がんの原因
大腸がんは、次のような要因により発症リスクが高まると考えられています
- 喫煙
- 過度な飲酒
- 肥満
- 運動不足
- 近親者に家族性大腸腺腫症やリンチ症候群の罹患者が多い
生活習慣の改善は、がん予防に大きな効果が期待できます。とくに、喫煙は大腸がん以外のがんの原因にも挙げられています。
大腸がんを発症するリスクに心当たりが多い方には、1年に1回の定期検診受診を強く推奨します。
大腸がんの症状
大腸がんは、初期症状がほぼありません。
がんが進行すると便秘や下痢、血便、便が細くなる、残便感などの異変がみられやすいです。慢性的な出血は、貧血を引き起こすこともあります。
一般的な大腸がんの症状は痔の症状や体調不良時の症状と似ているため、がんの進行を知らせるサインと気付けず、発見が遅れる場合もあります。
便に関する異変が続く場合は、早めに消化器科や肛門科を受診し、原因を調べてください。
大腸がんは腰痛の原因になる?

大腸がんが原因の腰痛は、がん細胞が浸潤や転移を起こし、神経を圧迫しているケースが一般的です。
ただし、腰痛があると必ず大腸がんが進行しているとは限らず、ほかの内臓疾患が原因の場合もあります。
大腸がんが転移し神経を圧迫する過程や、大腸がん以外に腰痛の原因になり得る内臓疾患について、詳しく解説します。
転移による神経の圧迫が原因
がんが進行し骨に転移すると、骨の中で増殖し膨らんだがん細胞が神経を圧迫して、腰痛を引き起こすことがあります。
大腸がんは骨への転移が起こりやすいがんで、腰痛が出る段階は最もステージが進行した状態であるケースが一般的です。
また、稀に腰椎に発生したがんが腰痛の原因になる症例もあります。
大腸周辺の臓器や神経が圧迫されると、腰痛に限らず、背中やお尻に痛みを感じる場合もあります。
血便や便秘などがみられたあとに腰痛が続く、背中やお尻にも痛みを感じるなどの異変がある際は、大腸がんの可能性を疑い、早めに医療機関を受診しましょう。
大腸がん以外の内臓疾患も原因になる
大腸がん以外で腰痛の原因になり得る内臓疾患の一例は、次のとおりです。
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 胆石
- 膵臓炎
- 尿路結石
- 腎結石
- 腎盂腎炎
- 子宮内膜症
- 心筋梗塞
- 解離性腹部大動脈瘤
腰痛のほかに腹痛や血便、嘔吐をともなう場合は消化器系の疾患、おりものの変化や不正出血をともなう場合は婦人科系の疾患が疑われます。
また、泌尿器系の疾患は排尿障がいや血尿が起こりやすい、循環器系の疾患は背中や腹部にも激しい痛みが生じやすいなどの特徴があります。
症状のみでは原因の特定は困難ですが、腰痛以外の関連症状も把握しておくと、何科を受診したらよいのか判断しやすくなるでしょう。
大腸がんによる腰痛はどんな痛み?

大腸がんによる腰痛は、鈍痛や突き上げるような強い痛み、電気が走るような鋭い痛みなどさまざまです。大腸の動きにあわせて波のある痛みになることもあります。
大腸がんによる腰痛には多様なパターンがあるため、どんな痛みか詳しく知りたい方向けに、痛みの特徴を解説します。
鈍くて強い痛み
大腸に発生した腫瘍が大きくなり、周辺臓器や神経を圧迫している場合、鈍い痛みを感じるケースが多いです。
対して、大腸がんが腰椎へ転移している場合には、鋭く強い痛みを感じる場合もあります。
大腸がんによる腰痛の痛みが共通していない理由は、がん細胞の浸潤や転移の具合、圧迫されている神経の種類、がんの進行度などが患者ごとに異なるためです。
大腸の動きにあわせた波のある痛み
大腸がんが大きくなると、腸管の動きにより波のある痛みを感じることがあります。
波のある痛みを感じるときは、腰周辺の内臓の異常が疑われます。早めに医療機関を受診し、原因を特定しましょう。
大腸がんによる腰痛はどんな場所に痛みを感じる?

大腸がんによる腰痛は、がんの状態により痛みを感じる場所が異なる場合があります。
痛みが出やすい腰の中心と左右で、どのような違いが考えられるのか詳しく解説します。
腰の中心
腰の中心が痛む場合、腰椎へ転移している可能性があります。
骨への転移による腰痛は鋭い痛みや、経験したことのないような強い痛みの原因になりやすいです。
また、転移の影響で骨が脆くなると、病的骨折により強い痛みを生じるケースもあります。
腰の中心部の痛みが強い、1か月ほど経過しても一向によくならない場合は、大腸がんの進行による腰痛である可能性を考慮し、すぐに専門医の診断を受けましょう。
腰の右側・左側
大腸は右下腹部から円を描くように位置しているため、がん細胞が発生した部位により腰の右側または左側に、痛みを生じることがあります。
具体的には、上行結腸や横行結腸の右側に発生したがん細胞が大きくなり、周辺の神経を圧迫すると、腰の右側に痛みが出ます。
対して、下行結腸やS状結腸で腫瘍が大きくなると痛むのは、腰の左側です。
大腸は広範囲に広がる臓器のため、がん細胞の発生個所により腰痛が生じる場所が異なります。
大腸がんによる腰痛で注意すべきサイン

腰痛の原因が大腸がんならば痛みが引かない、進行にともない痛みが増す場合があるため、治らない腰痛、悪化する腰痛には注意が必要です。
また、腰痛のほかに足の痛みや麻痺、体重減少をともなう場合も、大腸がんの進行を知らせるサインの可能性が疑われます。
大腸がんによる腰痛で注意すべき3つのサインについて、詳しく解説します。
腰痛が治らない・悪化している
安静にしても痛みが引かない、日に日に痛みが強くなる場合は、大腸がんの進行を知らせるサインの可能性があります。
血行不良や筋肉のこわばりが原因の腰痛は、適切なケアをして安静に過ごしていれば数日~数週間で、痛みが緩和するケースが多いです。
しかし、大腸がんによる腰痛は、神経の圧迫や骨への転移が主な原因で、安静にしても改善が見込めません。
また、がんがさらに進行すると、痛みは緩和するどころか増していくため、悪化する腰痛にも注意が必要です。
一向によくならず、長引く腰痛は進行した大腸がんの影響が疑われます。たかが腰痛と油断せず、早めに医療機関を受診しましょう。
体重減少が見られる
食欲低下と体重減少は、多くのがん患者に見られる症状です。
そのため、腰痛とともに、体重減少がみられる場合は注意しましょう。
食事制限やダイエットをしていないにもかかわらず体重が急激に減少する場合、大腸がんの進行が疑われます。
体重の変化を正確に把握できるよう、健康維持を目的に日ごろから体重測定を習慣化するとよいでしょう。
足に痛み・麻痺がある
大腸がんが進行すると、がんの圧迫や転移による神経の障がいで下肢に痛みやしびれ、麻痺などが生じる場合があります。
腰痛と同じく、足に痛みや麻痺が生じるとがんが進行している可能性が高まるため、早急に適切な治療を受けることが大切です。
本記事で紹介した特徴に当てはまる腰痛とともに、足の痛みや麻痺がある場合には、すぐに医師の診察を受け、原因を調べましょう。
大腸がんの検査方法

大腸がんはまず問診と便潜血検査で、異常がないか調べます。
大腸がんの発症が疑われる方は、大腸内視鏡検査でがんの性質を確認し、より詳しい検査が必要なときには大腸CT検査をおこなうことが多いです。
大腸がんの検査方法について、詳しく解説します。
便潜血検査
便潜血検査は、便に血液が含まれていないか調べる検査です。
腫瘍やポリープがあると、便が大腸内を移動し肛門から排泄されるまでの過程で、血液が付着しやすいです。
目に見えないわずかな血液も検出できる便潜血検査は、精密検査が必要か否かの判断に大きく役立ちます。
原則、2日分の便を採取して提出する簡単な検査で、触診や造影検査よりも負担が少ないです。
大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査とは、肛門から専用のカメラを挿入して、大腸内の状態をより詳しく調べる検査です。
腫瘍やポリープが発見された際には、全体または細胞の一部を採取し、病理検査をおこない確定診断します。
大腸内視鏡検査は、大腸がんの早期発見に高い効果が期待できます。
便潜血検査が陰性の場合でも、40代以上の方で便が細くなった、下痢や便秘が多くなったなどの不調が気になる場合は検査を希望するとよいでしょう。
大腸CT検査
大腸CT検査は、大腸内にがんが認められた際、周辺への広がりや転移がないか確認するためにおこないます。
また、治療後に再発していないか確認する際にもおこなわれる検査です。
検査前に造影剤を使用する場合は、事前の食事制限が必要です。造影剤の副作用には、くしゃみや吐き気、発疹、吐き気などがあり、稀にショック症状が出るケースもあります。
アレルギーや喘息の方、糖尿病の治療薬を服用している方、腎機能が悪い方、授乳中の方、過去に造影剤を使用し副作用の症状が出た方は、必ず医師に申告しましょう。
大腸がんの早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
初期症状はほぼなく、早期発見が難しい大腸がんのリスク判定には、マイクロCTC検査がおすすめです。
悪性度の高いがん細胞のみを高精度で捕捉できる検査で、大腸がんを含むさまざまながんのリスクをまとめて判定できます。
検査は1回の採血のみで、体に負担がかかる触診や造影検査は不要です。万が一、がん細胞が見つかった際のアフターフォローも充実しており、安心です。
大腸がんの早期発見にマイクロCTC検査をおすすめする3つの理由を、詳しく解説します。
がん細胞を捕捉して全身のがんリスクを判定
マイクロCTC検査は、増殖の過程で血中に漏れ出るがん細胞を捕捉でき、一般的な検診では見落とすこともある初期のがん発見にも高い効果が期待できます。
マイクロCTC検査が捕捉するがん細胞は、浸潤や転移の可能性が高い間葉系のがん細胞です。
間葉系がん細胞の捕捉は、体内でがんの浸潤や転移が起きている、もしくはこれから起こることを示しています。
触診や画像検査では発見が困難な初期のがんに反応できる可能性が高く、早期発見に大きく役立ちます。
一度のマイクロCTC検査で、血液がんを除く全身のがんリスクを判定できるため、忙しくて検診の時間をとれない方や、効率を求める方におすすめです。
1回の採血のみで負担が少ない
マイクロCTC検査はわずか10㏄の採血をおこなうのみで、短時間で完了します。
一般的な全身がん検査を受ける際は、前日からの食事制限、造影剤の服用、長時間のスケジュール確保などが必要で、さまざまな負担がかかります。
対してマイクロCTC検査ならば、身体的にも時間的にも負担は少なく、採血のみのため医療被曝の心配もありません。
大腸がん検診は状態に応じて、肛門から指や機器を挿入しておこなう直腸診や、大腸内視鏡検査が必要になるケースがあります。
検査内容に抵抗があり、がん検診を受診していない方は、1回の採血でリスク判定が可能なマイクロCTC検査の活用を検討するとよいでしょう。
充実のアフターフォロー体制で安心
マイクロCTC検査でがん細胞が見つかった際には、センター長の太田医師に無料相談できるアフターフォローを利用できます。
太田医師は東京都の代々木ウィルクリニックに在籍していますが、来院できない方の相談にはオンライン面談で対応しているため、遠方在住の方でも安心です。
マイクロCTC検査後の精密検査で、発見可能な大きさのがんが検出された場合、専門医や医療機関への紹介状作成を依頼できます。
画像診断や内視鏡検査でがんが見つからなかった場合も、不安があれば太田医師に再度無料相談できます。
がんの発症が疑われ動揺しているときに、専門家の丁寧なフォローを受けられることは非常に心強いです。
がんリスクが見つかったあとの対応も重視する方には、アフターフォロー体制が充実しているマイクロCTC検査の活用を推奨します。
大腸がんや腰痛に関するよくある質問

最後に、大腸がんや腰痛に関するよくある3つの質問に回答します。
ステージの進行度合いと痛みの関係性や大腸がんの治療方法、大腸がん以外で腰痛の原因になるがんについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ステージが進行すると痛みが強くなる?
大腸がんのステージが進行すると、腰痛を含むさまざまな痛みが強くなることがあります。
大腸がんの浸潤や転移が原因の痛みであれば、ステージの進行にともない痛みが増す可能性は高いです。
大腸がんの場合、初期症状が出にくく、下痢や便秘、血便などの自覚症状があらわれたときには、すでにある程度ステージが進んでいるケースが多いです。
腰痛や腹痛、背中の痛みが強くなる場合には、大腸がんのさらなる進行が疑われるため、異変に気付いたら迅速に検査を受けることを強く推奨します。
大腸がんの治療方法は?
大腸がんの主な治療方法は、次のとおりです。
- 内視鏡治療
- 外科治療(手術)
- 薬物療法
- 放射線治療
- 免疫療法
大腸がんは、がんの状態や進行度により、効果的な治療方法が異なります。
たとえば、内視鏡治療で高い効果が期待できるのは、大腸がんに浸潤も転移もなく、がん細胞が粘膜下層に留まる症例のみです。
ただし、同じステージでも、状態によりはじめから外科治療が選択される場合もあります。
浸潤や転移がある場合には、がん細胞の発生部位と周辺組織も切除する外科治療や、細胞障害性抗がん薬、分子標的薬などを使用する薬物療法などが選択されます。
放射線治療は、再発防止やがんによる症状緩和のためにおこなわれる治療で、免疫療法の主な目的は、生存期間を延ばすことです。
ステージが進むにつれ、治療法の選択肢が減少し、体への負担が大きくなるため、大腸がんは早期発見が非常に重要です。
大腸がん以外で腰痛の原因になるがんは?
大腸がん以外では、次のようながんも腰痛の原因になる可能性があります。
- 膵臓がん
- 血液がん
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 卵巣がん
- 乳がん
膵臓や子宮、卵巣は腹部に位置する臓器で、がんの浸潤や転移があると腰痛や腹痛などが生じやすいです。
血液がんと乳がんは、骨に転移しやすいがんのため、進行すると骨が脆くなり、病的骨折や圧迫骨折により激しい腰痛が生じることがあります。
まとめ

腰痛の原因が大腸がんの場合、どんな痛みが出るかは個人差があります。
たとえば、大腸がんが大きく成長している場合、大腸の動きにあわせて周辺の臓器や神経を圧迫する力に強弱が出るため、波のある痛みとしてあらわれやすいです。
転移により骨の強度が下がり、腰椎が病的骨折や圧迫骨折すると、腰の中心部に経験したことないほどの強い痛みが生じるでしょう。
大腸がんの場合、腰痛はステージの進行を知らせるサインである可能性が高いため、腰痛が出る前に発見し、早期治療を施すことが大切です。
触診や造影検査に抵抗がある、時間がないなどの理由で検診を受けていない方には、1回の採血のみでがんリスクを判定できるマイクロCTC検査がおすすめです。
血中に漏れ出たがん細胞を高精度で捕捉でき、一般的な検診では見つけにくい初期のがん発見にも高い効果が期待できます。
がん細胞が検出された場合のアフターフォローも充実しており、万が一の事態でも安心して相談できます。
一度の検査で血液がんを除く全身のがんリスクを調べられるマイクロCTC検査は、大腸がんに限らず、さまざまながんの早期発見に効果的です。


