がんが原因の腰痛はステージが進行すると出やすい症状の一つで、子宮頸がんの場合、長時間同じ姿勢でいるときや夜間に痛みが強まる傾向があります。
子宮頸がんによる腰痛は同じ部分に一定の痛みが持続する特徴があり、ストレッチや温熱療法では改善を見込めません。
本記事では、子宮頸がんによる腰痛の特徴や、女性特有のがんの治療法を詳しく解説します。
また、女性特有のがんを含めた複数のがんリスクの早期発見に役立つマイクロCTC検査についてもあわせて紹介します。
子宮頸がんによる腰痛がどのような痛みなのか気になる方、腰痛がきっかけで発覚した子宮頸がんの治療法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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子宮頸がんとは?

子宮頸がんとは、女性の骨盤内にある子宮頸部に発生するがんです。
子宮頸がんの主な原因は、性交渉によるヒトパピローマウイルスへの感染で、初期の自覚症状はほぼありません。
がんが進むと、不正出血や性交時の出血、おりものの異変などの症状がみられるようになり、下腹部痛や腰痛が出ると、さらに進行している可能性が高まります。
まずは、子宮頸がんの原因と症状について、詳しく解説します。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんの原因は主に、性交渉によるウイルス感染です。ヒトパピローマウイスルへの感染自体は珍しいことではなく、男女ともに生涯で一度は感染するとされています。
感染ががんの発症に直結するわけではありませんが、ウイルスが体内に留まり、感染が長期におよぶと、前がん病変が起こりがんになる可能性が高まります。
子宮頸がんの進行は、前がん病変が起きてから数年以上かかるという考えが一般的です。
また、ウイルス感染以外では、喫煙も子宮頸がんの発症率を高めるリスク因子です。
子宮頸がんの症状
子宮頸がん初期の段階では自覚症状がほぼありませんが、進行すると次のような症状がみられる場合があります。
- 不正出血
- 月経異常
- 性交時の出血
- おりものの異常
- 月経時期以外の下腹部痛
- 腰痛
- 尿や便に血が混じる
月経時期以外の不正出血、2日以内または8日以上の月経、経血の量が多すぎるまたは少なすぎるなどの月経異常は、子宮頸がんのサインであるケースがあります。
不正出血や月経異常はホルモンバランスの乱れでも起こるため様子を見る方もいますが、がんの早期発見には早めの受診が効果的です。
よくあることと油断せず、異常が見られた際はすぐに検査を受け、原因を特定すべきです。
おりものに色がつく、異臭がする、粘液っぽい、水っぽいなどの異変がある場合も、子宮頸がんによる症状の可能性が考えられます。
血尿や血便、腰痛などの症状が出ると子宮頸がんが進行しているケースが多いため、月経やおりものに異変が出た時点で検査を受けましょう。
子宮頸がんによる腰痛はどんな痛み?

腰痛の原因が子宮頸がんである場合、骨盤や下背部周辺に痛みが集中しやすく、一定の痛みが持続する傾向にあります。
夜間や同じ姿勢が長時間続いたときには、日常生活に悪影響が出るほど痛みが増す場合もあり、姿勢改善やストレッチ、温熱療法などによる痛み軽減は期待できません。
子宮頸がんによる腰痛の特徴を詳しく解説します。
痛みの特徴
子宮頸がんによる腰痛は、一定の痛みが持続する傾向にあります。痛む場所が変わることはほぼなく、同じ部分に集中するケースが多いです。
一般的な腰痛であれば温熱療法やマッサージ、ストレッチなどで症状改善を見込めますが、子宮頸がんが原因であれば痛みの軽減は期待できません。
また、同じ姿勢でいるときや夜間に痛みが強まりやすい特徴もあります。
腰痛が一向に改善せず、特定の状況下で痛みが強くなる場合は、早めに医師の診察を受け、原因を調べましょう。
ステージが進行すると痛みが出やすい
子宮頸がんによる腰痛が初期にあらわれることはほぼなく、ステージが進行するほど痛みが出やすくなります。
子宮頸がんが原因の腰痛ならば、周辺の神経や血管が圧迫されることによる痛み、リンパ節への転移による痛みの可能性があり、がんの進行を知らせるサインと考えられます。
適切な治療をしなければがんは広がり続けるため、一般的な腰痛の対処法では改善が見込めません。
おりものや月経の異変が見られたあとに腰痛が続く場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
腰痛の原因になる子宮頸がん以外の女性特有のがん

女性の場合、子宮頸がん以外では子宮体がんや卵巣がん、乳がんなどでも腰痛を引き起こす可能性があります。
子宮頸がん以外に腰痛の原因になり得る女性特有のがんについて、詳しく解説します。
子宮体がん
子宮体がんの多くは子宮内膜から発生し、進行すると卵巣や卵管、子宮頸部、リンパ節、膀胱や直腸などに広がり、ステージが進行すると腰痛が生じることがあります。
腰痛のほかに下腹部の痛みや性交時の痛み、下肢のむくみがみられる場合、子宮体がんが進行しているサインとも考えられます。
腰痛より先に出現する症状は出血です。
月経時期以外の出血、閉経後の出血、おりものに血が混ざるなどの異常のあとに腰痛や下腹部痛が続く場合は、子宮体がんが原因の可能性も疑いましょう。
卵巣がん
卵巣にがんが発生する卵巣がんは、進行すると大腸や小腸、膀胱などに広がることがあり、周辺の器官や神経が圧迫されると腰痛が生じやすいです。
さらに、がんが進むことで腹水が溜まり、お腹が大きく突き出る際に腰痛が生じるケースもあります。
卵巣がんが原因の場合、腰痛があらわれる前に腹囲や体重が増える、下腹部にしこりができる、食欲がなくなるなどの症状が出る可能性が高いです。
治らない腰痛の前に上記の症状がみられた場合は、すぐに卵巣がん検診を受けましょう。
乳がん
主に乳腺に発生する乳がんが進行すると、乳房近くのリンパ節や骨、肝臓、肺などに転移しやすいです。
腰痛が出る原因として考えられるのは、腰椎や骨盤への転移です。
乳房にしこりやくぼみができる、乳頭や乳輪がただれる、乳頭から分泌物が出るなどの異変のあとに腰痛が続く場合は、乳がんの可能性が疑われます。
また、乳がんは手術から10年以上経過しても骨転移が起こり得るため、手術を受けたから大丈夫と過信せず、腰痛が出た場合は骨転移の可能性も視野に入れ診察を受けましょう。
腰痛で発覚した子宮頸がんの治療法

腰痛で子宮頸がんが発覚した場合、子宮頸部周辺の神経や血管が圧迫されている、リンパ節に転移しているなどの可能性が考えられます。
そのため、初期の段階でおこなう病変部をレーザーで焼く治療や、子宮の入り口付近のみを切除する治療ではがんを完全に取り切ることが難しく高い効果を期待できません。
がんの進行が疑われる子宮頸がんの治療には、手術療法や放射線療法、薬物療法、免疫療法などが効果的です。
腰痛で発覚した子宮頸がんに効果的な4つの治療法について、詳しく解説します。
手術療法
子宮頸がんが進行していた場合、周辺の組織や腟の一部、骨盤内のリンパ節なども切除する手術療法が採用されることがあります。
前がん病変やステージ初期であれば、子宮頸部の一部を切除する円錐切除術や、お腹に傷を残さないレーザー治療を選択できる場合があります。
しかし、腰痛が出る段階では周辺組織への浸潤や転移がみられるケースが多いです。
そのため、状態に応じて、子宮頸部や腟の一部を切除する準広汎子宮全摘出術や、より大きく切除する広汎子宮全摘出術が選択肢となります。
手術療法はがん細胞の切除に効果的ですが、広範囲に及ぶと妊娠ができなくなる、排尿障害やリンパ浮腫のリスクが高まる、性生活へ影響が出るなどのデメリットがあります。
放射線療法
放射線療法は、ガンマ線やX線をがんに照射し、細胞内のDNAを直接傷つけ死滅させる治療法です。
子宮頸がんの場合、骨盤の外から照射する外部照射、子宮や腟に内側から直接照射する腔内照射、がんや周辺組織に直接照射する組織内照射から適切な治療がおこなわれます。
子宮頸がんに対する放射線療法は、進行度にかかわらずおこなわれる治療です。
早期の手術で再発のリスク因子が発見された場合、基本的には外部照射をおこない、浸潤が進んでいるケースでは腔内照射が追加されます。
腰痛で発覚した子宮頸がんの場合はステージが進んでいる可能性が高いため、細胞障害性抗がん薬と放射線治療を同時におこなう化学放射線療法が提案されることが多いです。
放射線療法もがん細胞の死滅に高い効果が期待できる治療ですが、卵巣の機能の大部分が失われるリスクがあります。
対して、排尿障害や性生活への影響は手術療法よりも比較的軽い傾向があり、出産希望の有無や年齢などを踏まえたうえで選択肢に挙がる治療法です。
薬物療法
薬物療法は、子宮頸がんが進行し遠隔転移した場合や再発した際に、生活の質を保ちつつ生命予後を延ばすことを目的におこなう治療です。
がん細胞を攻撃する細胞障害性抗がん薬や、がん細胞の増殖に必要なたんぱく質を標的にする分子標的薬を単独で服用するケースと、複数の薬を組み合わせるケースがあります。
細胞障害性抗がん薬を服用すると、吐き気や嘔吐、白血球減少、脱毛、抹消神経障害などの副作用が生じる場合があります。
分子標的薬は消化管出血や高血圧、たんぱく尿などの副作用がありますが、近年では副作用予防に効果が期待できる薬もあるため、不安な方は遠慮なく医師に相談しましょう。
免疫療法
免疫療法では、体に備わる免疫の力を利用してがん細胞を攻撃します。攻撃力の維持または向上を目的に、がん細胞への攻撃性を持つT細胞を利用する方法が一般的です。
効果が証明された免疫療法は、免疫チェックポイント阻害薬を活用する方法と、そのほかの免疫療法に分類されます。
免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞ががん細胞への攻撃にブレーキを掛けないようにするための薬で、進行、再発した子宮頸がんの治療に対する新たな選択肢です。
医療保険が適用される薬は複数ありますが、種類により治療できるがんが異なるため、希望する方は医師に相談するとよいでしょう。
保険診療で受けられるそのほかの免疫療法はエフェクターT細胞療法で、一度取り出したT細胞に遺伝子を組み入れ、攻撃力を高めた状態で体内に戻します。
一部のクリニックや病院では、自由診療として免疫療法がおこなわれていますが、効果が証明されていないうえに、費用の負担が大きいため慎重に検討すべきです。
効果が証明された免疫療法は、吐き気や脱毛などの副作用は少ない傾向にある一方で、ほかの副作用への予測が難しいデメリットがあります。
子宮頸がんの早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ
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子宮頸がんの早期発見には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、10㏄の採血のみで全身のがんリスクを判定でき、子宮頸がんに限らず、さまざまながんの早期発見に役立ちます。
早期発見と早期治療の必要性やマイクロCTC検査の仕組み、料金やクリニック概要について、詳しく解説します。
早期発見・早期治療が必要な理由
がんの早期発見は早期治療につながり、治療による負担の軽減、選択肢の拡大、治癒率の向上、死亡率の低下に効果的です。
厚生労働省によると、子宮頸がんは罹患率や死亡率が高いがんの一種ですが、早期発見早期治療が死亡率を低下させると確認されています。
子宮頸がんの場合、早い段階でがんを発見できると、子宮を温存する手術や、お腹に傷をつけない治療を選択できる可能性が高いです。
しかし、発見が遅れると子宮や周辺を広範囲で切除したり、体への負担が大きい放射線療法や薬物療法を受ける必要が出たりします。
また、がんを発見したタイミングに対する生存率は、ステージ1の場合93.3%ですが、ステージ4の場合は25.1%まで下がります。
以上のことから、負担の少ない治療を受けられる可能性を高め、死亡率を下げるためには、がんの早期発見と早期治療が欠かせません。
採血のみで全身のがんリスクを判定
マイクロCTC検査は、採血のみで血中に漏れ出すがん細胞そのものを捕捉できる検査で、子宮頸がんを含む複数のがんの早期発見に役立ちます。
マイクロCTC検査で捕捉できるのは、浸潤や転移能力を持つ悪性度の高い間葉系のがん細胞です。
間葉系がん細胞の発見は、浸潤または転移を起こしている、もしくは起こそうとしているがんの存在を示しています。
子宮頸がんの検査では、子宮頸部の細胞採取や、腟に指を入れる内診、肛門に指を入れる直腸診などが必要になる場合があり、抵抗を感じる女性も多いです。
対してマイクロCTC検査ならば、わずか10㏄の採血でリスク判定ができるうえ、所要時間は短く仕事や家事の合間にも受けやすいです。
マイクロCTC検査は、さまざまな負担を軽減しながら、初期症状がほぼない子宮頸がんを含む全身のがんリスク判定に高い効果が期待できます。
料金・クリニック概要
マイクロCTC検査を受けられる提携クリニックは全国にあり、180院を超えています。料金は1回198,000円(税込)です。
提携クリニックが自宅周辺にない場合でも、採血だけで短時間のため、出張先や外出先での受診も検討しやすいでしょう。
予約の際に問診票や支払い方法の選択を済ませることで、当日は採血が終わればすぐにクリニックを出られます。検査結果はオンライン上で確認できるため、再訪も不要です。
子宮頸がんによる腰痛に関するよくある質問

最後に、子宮頚がんによる腰痛に関する3つの質問に回答します。
痛みが出やすい場所や医療機関を受診すべきサイン、女性特有のがん以外で腰痛の原因になるがんについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
どんな場所に痛みが出やすい?
子宮頸がんが進行し仙骨や腰椎周辺の神経が圧迫されると、腰痛が起こるようになるため、骨盤や下背部周辺に痛みが出やすい傾向があります。
一定の場所に鋭い痛みが集中し、対処しても改善されない場合は、子宮頸がんの可能性を疑い、検査を受けたほうがよいでしょう。
医療機関を受診すべきサインは?
子宮頸がんは初期症状があらわれにくいがんのため、自覚症状がない場合にも定期的に医療機関を受診すべきです。
厚生労働省は、子宮頸がん検診の受診間隔を20歳以上の女性で2年に1回(HPV検査は5年に1回)と推奨しています。市区町村や職場でおこなわれる検診を積極的に活用するとよいでしょう。
定期検診のタイミングでない場合でも、月経異常や性交時の出血、おりものの異変などが生じた際には、医療機関を受診し原因を明確にすべきです。
女性特有のがん以外で腰痛の原因になるがんは?
女性特有のがん以外では、次のようながんで腰痛の症状が出る場合があります。
- 膵臓がん
- 大腸がん
- 血液がん
腰痛のほかに腹痛や背中の痛みも生じる、姿勢や動作にかかわらず腰痛が持続する、一定の痛みが続くなどの場合は、何らかのがんが原因の可能性が疑われます。
腰痛はがんが進行すると出やすい症状のため、早めの受診を推奨します。
まとめ

子宮頸がんによる腰痛は一定の痛みが持続する傾向があり、夜間や長時間同じ姿勢でいるときに痛みが強まることもあります。
腰痛はがんが進行すると出やすい症状で、腰痛をきっかけに子宮頸がんが発覚した場合、効果が期待できる治療法が限られる可能性が高いです。
治療の選択肢を広げ、体への負担を軽くするためにも、子宮頸がんは腰痛が出る前に発見し、早期治療を受けることが大切です。
子宮からの細胞採取や内診、直腸診などに抵抗を感じる女性には、1回の採血でがんリスクを判定できるマイクロCTC検査がおすすめです。
悪性度の高いがん細胞を捕捉する検査で、初期症状がほぼなく発覚が遅れがちな子宮頸がんの早期発見に役立ちます。
子宮頸がんを含むさまざまながんリスクをまとめて判定できるため、少ない負担でがんに罹患している可能性があるかを知りたい方にも適しています。
定期的ながん検診や便利な検査方法を活用し、がんの早期発見早期治療に努めて健康な生活の維持につなげましょう。


