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がん免疫療法の副作用とは?効果が認められた治療法の種類や注意点も解説

近年、新たながん治療法として注目の「免疫療法」に対し、興味を持っている方もいるでしょう。

本記事では、がん免疫療法の概要をはじめ、メリット・デメリット、副作用や主な症状を解説し、がん免疫療法を受ける際の注意点を紹介します

免疫療法を含むがん治療の知識を深めたい方や、治療の選択肢を広げたい方はぜひ参考にしてください。

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目次

がん免疫療法とは?

がん免疫療法とは、自身の免疫力を利用して、がん細胞を攻撃・排除する新しいアプローチの治療法です。

手術、放射線療法、薬物療法に続く「第4のがん治療法」として注目されており、現在、多くの医療機関や研究施設が臨床試験を進めています

一部の免疫チェックポイント阻害薬やエフェクターT細胞療法に限り、有効性・安全性が証明され保険診療で受けられますが、多くの免疫療法は自由診療です。

はじめに、がん免疫療法の仕組みやメリット・デメリットなどを紹介します。

免疫でがんを攻撃する治療法

体内には、ウイルス・細菌などの病原体や、体内で発生した異常な細胞などを常に監視・排除し、健康を維持する「免疫」と呼ばれる防御システムが備わっています。

通常、免疫システムは日々発生するがん細胞に対しても、次の免疫細胞が攻撃・排除しています。

  • T細胞(キラーT細胞・ヘルパーT細胞)
  • マクロファージ
  • NK細胞(ナチュラルキラー細胞)
  • 樹状細胞

しかし、がん細胞のなかには、免疫の働きにブレーキをかけて攻撃から逃れる仕組みを獲得し、増殖するものもあります

がん免疫療法は、薬剤を用いて免疫細胞を活性化させたり、がん細胞による免疫へのブレーキを解除したり、本来持っている免疫の力を強化させてがんと闘う治療法です。

がん免疫療法のメリット・デメリット

がん免疫療法には、下記のメリット・デメリットがあります。

メリットデメリット
がん免疫療法副作用が少ない高齢者や体力が低下した患者にも活用できる再発・転移の抑制ができるエビデンスが不十分単独での治療は困難ガイドラインの未整備

がん免疫療法では、自身が持っている免疫の力を強化・利用するため、ほかの治療法に比べて副作用が少ない点が大きなメリットです。

高齢者や体力が低下した患者でも、生活の質(QOL)を維持しながら治療が続けられるケースが多いです。

免疫療法は、全身への治療効果が期待でき、がんの再発・転移の抑制に役立ちます。

一方で、免疫療法のなかには科学的に認められていないものも多く、治療効果を裏付けるデータが不足しています。

また、多くのがんは多様な性質を持つ細胞を含んでいることから、がん免疫療法単独での治療は困難です。

そして、免疫療法の種類によっては、ガイドラインが確立されていない点もデメリットといえます。

効果が認められたがん免疫療法の種類

次の免疫療法は、臨床試験・治験により効果と安全性が認められています。

  • 免疫チェックポイント阻害薬
  • エフェクターT細胞療法

次章では、それぞれの免疫療法について詳しく解説します。

免疫チェックポイント阻害薬

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞が持つ自己を攻撃しないための抑制機能(ブレーキ)を解除する薬剤です。

免疫細胞には、がん細胞を攻撃する働きと同時に、正常な細胞を誤って傷つけないよう、自らの攻撃を抑制するブレーキ機能が備わっています

一部のがん細胞は、このブレーキ機能を利用して免疫細胞の監視から逃れ、攻撃にストップをかけることがわかっています。

免疫チェックポイント阻害薬を用いて強制的にブレーキを解除すれば、再びがん細胞の認識・攻撃が可能です。

現在、効果が証明されている免疫チェックポイント阻害薬の種類と対象疾患は、下記のとおりです。

作用機序治療薬対象疾患
PD-1阻害薬ニボルマブ悪性黒色腫(メラノーマ)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、MSI-H大腸がん、食道がん、胸膜中皮腫
ペムブロリズマブ悪性黒色腫(メラノーマ)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、尿路上皮がん、MSI-Hの固形がん、頭頸部がん、MSI-H大腸がん、食道がん、乳がん、子宮体がん
PD-L1阻害薬アテゾリズマブ非小細胞肺がん、小細胞がん、肝細胞がん、乳がん
デュルバルマブ非小細胞肺がん、小細胞がん
アベルマブメルケル細胞がん、尿路上皮がん、腎細胞がん、
CTLA-4阻害薬イピリムマブ悪性黒色腫(メラノーマ)、腎細胞がん、非小細胞肺がん、MSI-H大腸がん
(参考:がんナビ|薬物療法で注目の免疫チェックポイント阻害薬とがんゲノム医療とは

エフェクターT細胞療法

エフェクターT細胞療法とは、免疫細胞を培養・増殖してがん細胞への攻撃力を高める治療法です。

免疫細胞の一つであるT細胞を体外に取り出し、がん細胞を認識する遺伝子を組み入れて増やし、攻撃力を強化したうえで体内に戻します

現在、国内で承認されているエフェクターT細胞療法は、CAR-T(カーティー)細胞療法のみです。CAR-T細胞療法に用いる薬剤と対象疾患は、下記のとおりです。

種類治療薬対象疾患
アベクマ点滴静注イデカブタゲン ビクルユーセル多発性骨髄腫
カービクティ点滴静注シルタカブタゲン オートルユーセル多発性骨髄腫
キムリア点滴静注チサゲンレクルユーセルB細胞性急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫
イエスカルタ点滴静注アキシカブタゲン シロルユーセル大細胞型B細胞リンパ腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫
ブレヤンジ静注リソカブタゲン マラルユーセル大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫
(参考:イデカブタゲン ビクルユーセルシルタカブタゲン オートルユーセルチサゲンレクルユーセルアキシカブタゲン シロルユーセルリソカブタゲン マラルユーセル

自由診療の免疫療法は注意が必要

がん免疫療法は、保険適用、自由診療、研究段階の3つに分けられます。

現在、一部の免疫チェックポイント阻害薬やCAR-T療法に限り、治験・臨床試験などで「効果が証明された免疫療法」として保険適用で受けられます。

しかし、多くの免疫療法は、有効性や安全性が証明されておらず、医療として確立されていません。また、自由診療の治療費も全額自己負担であるため、慎重な検討が必要です。

そのほか、研究段階の医療として、公的な制度に基づく臨床試験や治験などでおこなわれる免疫療法があります。

治療を受ける際は、免疫療法に熟知した医師のもと、万が一の事態にも対応できる体制が整った医療機関で受けることが重要です。

担当医やがん相談支援センターに相談したうえで、判断しましょう。

がん免疫療法で起こる副作用

がん免疫療法は、自身の免疫細胞を利用してがん細胞のみを攻撃する治療法です。

そのため、比較的副作用が少ないといわれていますが、免疫が活性化しすぎると「irAE(免疫関連有害事象)」と呼ばれる副作用が生じる可能性があります

次章では、副作用の主な症状を紹介します。

副作用の主な症状

免疫チェックポイント阻害薬には、下記の副作用・症状が現れる可能性があります。

有害事象の種類疾患主な症状
皮膚障害発疹、白斑、乾癬、接触皮膚炎(かぶれ)皮膚や唇、目の赤み・かゆみなど
肝疾患肝機能障害、肝炎倦怠感、むくみなど
腎疾患腎機能障害、自己免疫性糸球体腎炎、高アミラーゼ血症尿閉・無尿(尿がでない)、血尿、倦怠感、疲労感など
血液障害血小板減少性紫斑病、貧血、無顆粒球症青あざ、鼻血、倦怠感、息苦しさなど
呼吸器疾患間質性肺炎発熱、咳、息苦しさなど
消化器疾患膵炎、大腸炎吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、血便など
心血管系障害心筋炎、血管炎胸痛、動悸、息苦しさなど
神経障害、筋肉疾患筋肉、重症筋無力症、横 紋筋融解症力が入りにくい、手足のしびれ、筋肉の痛みなど
脳炎、髄膜炎発熱、頭痛、意識が薄れるなど
代謝・内分泌障害1型糖尿病倦怠感、喉がかわく、多尿など
甲状腺機能障害 (亢進症、低下症)食欲不振、吐き気、動悸、むくみ、倦怠感、傾眠(うとうとする)など
下垂体機能障害、副腎皮質機能障害倦怠感、食欲不振、吐き気、傾眠など
(参考:厚生労働省|免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象対策マニュアル日本がん免疫学会・日本臨床免疫学会|がん免疫療法ガイドライン第3版

副作用が生じた際は、内服や静脈注射などの治療をおこない、必要に応じて免疫チェックポイント阻害薬の中止を検討します

エフェクターT細胞療法においては、次の副作用が報告されています。

  • サイトカイン放出症候群(CRS):高熱、血圧低下、呼吸不全など
  • 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS):神経障害、せん妄、癲癇など

症状に合わせて解熱剤やステロイド剤、抗痙攣薬などの対症療法をおこないます。

副作用の早期発見が大切

副作用が重症化した場合、治療効果が得られていても治療の中断が必要になるケースが少なくありません。

免疫療法の効果を維持・向上させるためにも、副作用は軽度のうちに発見して、適切な治療をおこなうことが重要です。

また、副作用のなかには後遺症になりうるものがあり、生活の質(QOL)に影響を及ぼします。

気になる症状が現れた場合は、自己判断せずに医師・医療機関へ相談しましょう。

がん免疫療法を受ける際の注意点

ここで、がん免疫療法を受ける際の注意点を紹介します。

免疫療法を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

効果には個人差がある

がん免疫療法は、個々の体質や遺伝・環境要因、免疫状態、そしてがんの特性によって大きく左右されます

そのため、すべての方が同じ治療効果を得られるとは限りません。

また、副作用の現れ方にも個人差があることから、がん免疫療法は予期せぬ事態にも十分に対応できる医療機関で受けましょう。

治療に時間を要する

一般的に、免疫細胞を体外で培養・増殖・活性化に必要な時間は、2~3週間です。

しかし、体内に戻された免疫細胞は、すぐには効果を発揮しません。がん細胞を認識・攻撃するまでに、数か月程度かかるといわれています。

また、治療効果を維持するためには、継続的な治療が必要となるケースも少なくありません。

自由診療は高額になる

自由診療で提供される免疫療法は、効果や安全性が保証されていないため公的な保険は適用されません。治療費は全額自己負担となり、非常に高額になるケースが多いです。

費用は、免疫療法の種類やクリニックにより大きく異なりますが、一般的に数十万円から数百万円ほどかかります

自由診療の免疫療法を受ける際は、医師に相談したうえで慎重に検討しましょう。

マイクロCTC検査で全身のがんリスクを判定可能

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おすすめポイント
  • 血中がん細胞の個数まで分かる
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マイクロCTC検査は、1回5分の短時間で気軽に全身のがんリスクが調べられる血液検査です。

ここからは、マイクロCTC検査の仕組みや魅力、概要などを紹介します。

マイクロCTC検査の仕組み

マイクロCTC検査は、血中に漏れ出したがん細胞そのものを捉える画期的な検査です。

X線や磁力・電波を照射して体内を画像化する従来の検査では、1cm未満の小さながんや深部に発生したがんの早期発見は難しいといわれています。

一方、マイクロCTC検査であれば、米国「MDアンダーソンがんセンター」の抗体を用いた独自の検査手法で、血中のがん細胞を1個単位で捉えることが可能です。

また、信頼性の高さもマイクロCTC検査の特徴の一つです。

採取した10ccの血液は、末梢血単核細胞(PBMC)を回収・解析し、超高性能光学顕微鏡とAIによる解析を経たうえで、国家資格を持つ細胞検査士が最終診断をおこないます。

そのため、特異度94.45%と非常に高い精度を実現しており、検査結果に納得感が得られます。※1

検査は採血のみで負担が少ない

マイクロCTC検査は、1回の採血のみで全身のがんリスクの評価が可能です。

待ち時間の短縮につながる完全予約制であり、クリニック検査から結果確認までWebで完結できるため、仕事や家事で忙しい方でも気軽に受診できるでしょう

また、検査の簡便さはもちろん、体への負担が極めて少ないこともマイクロCTC検査の魅力です。

マイクロCTC検査は、検査における痛み・苦痛などなく、事前の食事制限や薬剤の投与が一切不要で、医療被ばくのリスクもありません。

定期的に受診すれば、がんの早期発見・早期治療に活用できます。

料金・クリニック概要

マイクロCTC検査は、1回198,000円(税込)です。※2

全国の提携クリニックで導入しているため、近隣のクリニックで検査が可能です。また、転勤や引っ越しなどの際も、新しい勤務地・居住地で同様の検査が受けられます。

がん細胞が検出された方には、マイクロCTC検査のセンター長である「代々木ウィルクリニック」の太田医師による無料相談を実施しています。

無料相談の概要は、次のとおりです。

相談方法対面(遠方の方はオンライン面談が可能)
予約方法電話(代々木ウィルクリニック:03-5990-6182)
受付時間9~12時・13~19時の間で最大30分
対応内容検査結果の説明、精密検査・専門医・医療機関などの紹介

相談後に、画像診断や内視鏡検査を受診してもがんが発見されなかった場合は、再度無料相談が受けられます。

医師に相談でき、検査や治療へのサポートを受けられるため、万が一のときも安心です。

がん免疫療法や副作用に関するよくある質問

最後に、がん免疫療法や副作用に関するよくある質問を紹介します。

同じ疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。

免疫療法が効く方と効かない方の違いは?

免疫療法には、「効きやすい方」と「効きにくい方」が存在します。

効きやすい方効きにくい方
腫瘍の特徴ホットな腫瘍(Hot Tumor)を持つ方:免疫細胞とくにT細胞が豊富に存在し、活性化している低免疫腫瘍(Cold Tumor)を持つ方:ほぼ免疫細胞が存在しない、またはT細胞が腫瘍内に入れないタイプ
がんの種類悪性黒色腫(メラノーマ)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、膀胱がん、MSI-H大腸がんなど低免疫腫瘍(Cold Tumor)に分類するがん種
バイオマーカーD-L1の発現が高いTMB(腫瘍変異量)が多いMSIが高いMSI-HがんD-L1の発現が低いTMB(腫瘍変異量)が少ないMSIが低いまたは安定している
全身状態と免疫力全身状態が良好免疫が元気に働くことが可能栄養状態が著しく悪いT細胞の活性が得られない
治療の緊急性治療に「時間的余裕」がある即時に腫瘍を小さくする必要がある
(参考:銀座鳳凰クリニック|免疫療法は誰に向いているのか?効く人・効かない人

がん免疫療法の費用相場は?

がん免疫療法の費用は、治療法や薬価、投与量、体重などにより変動します。

国が有効性・安全性を認めた免疫療法や薬剤に対しては、保険が適用されるため基本的に自己負担額は3割です。

また、診察費・検査費、入院・手術などの治療費、薬剤費は「高額療養費制度」の対象となります。1か月の上限額を超えた金額は支給されることから費用が抑えられます

一時的でも医療費の立て替えが難しい場合は、事前に限度額適用認定証を申請しましょう。

自由診療による免疫療法の費用は、下記のとおりです。

種類費用(1回あたり)1クール(6回)
活性化リンパ球療法20~40万円120~240万円
NK細胞療法30~40万円180~240万円
樹状細胞ワクチン療法150~350万円
(参考:築地クリニックコスモス銀座鳳凰クリニック瀬田クリニック東京

別途、初診料や検査費用がかかる場合があります。自由診療の免疫療法を受ける際は、事前に総額費用を確認しましょう。

副作用について医師にどのように質問すべき?

免疫療法の副作用は、誰にでも起こる可能性があります。そのため、治療を受ける前には、医師に以下の点を聞いておくことが大切です。

  • 起こる可能性がある副作用について
  • 副作用がおきたときの対処法
  • 副作用がおきたときに受診する医療機関

治療中・治療後は自身の体調の変化に注意し、普段と異なる症状を感じたらすぐに医師や薬剤師に相談しましょう。

まとめ

本記事では、がん免疫療法について詳しく解説しました。

免疫療法のメリットは、体の負担が比較的少ないことですが、免疫が過剰に活性化するとirAE(免疫関連有害事象)と呼ばれる副作用が起こる可能性があります。

副作用を放置すると、重症化して治療を中断する必要がある恐れがあるため、気になる症状が現れたら医師に相談しましょう

全身のがんリスクを気軽に調べたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。

マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで血中のがん細胞を直接捉えることから、体への負担を最小限に抑えられ、食事制限や事前準備も一切不要です。

定期的に活用し、がんの早期発見・早期治療につなげましょう。

〈参考サイト〉
※1、※2:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査

※本記事は可能な限り正確な情報を記載しておりますが、内容の正確性や安全性を保証するものではありません。

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