ビタミンDは骨の健康や免疫力の向上に欠かせない栄養素として知られていますが、近年の研究で特定のがんのリスク低下にも関与していると報告されています。
具体的には、肝がんをはじめとするいくつかのがんの発生リスクが、血中ビタミンD濃度の上昇にともない低下する傾向が確認されました。
ビタミンDは、日光浴で生成を促す、もしくは食事から摂取するとよいでしょう。サプリメントで補う方法も効率的でおすすめです。
本記事では、ビタミンDががん予防にどのような影響を与えるのか、詳しく解説します。
ビタミンDの摂取でがんリスクが低下する理由や、がんの早期発見に役立つ検査もあわせて紹介するため、効果的ながんの予防法を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
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ビタミンDでがん予防できる?

国立がん研究センターによると、ビタミンDには細胞増殖の抑制、アポトーシスの促進、がん細胞に栄養を送る血管の新生を抑制する作用があり、がん予防効果も期待されています。
ただし、現時点で罹患リスクの低下が認められているがんは大腸がんや肺がんなどの一部で、そのほかのがんを対象にした研究は不十分です。
発生、再発リスクが低下したがんの種類や、日本人のビタミンD摂取量について詳しく解説します。
特定のがんで発生・再発リスクが低下
日本人を対象としたコホート研究では、血中のビタミンD濃度が高くなることで何らかのがんが発生するリスクの低下が認められており、とくに顕著だったのは肝がんです。
ただし、血中のビタミンD濃度の高さでグループ分けした場合、最も高いグループでは、がんリスクのさらなる低下は見られませんでした。
そのため、がんリスクが低下する血中のビタミンD濃度には上限があり、一定のレベルを超えると予防効果が期待できなくなると考えられています。
また、大腸がんと前立腺がんに関しては、血中ビタミンD濃度との関連は見られず、以上のことから、血中ビタミンD濃度の上昇にともないがんリスクの低下が認められるものの、すべてのがんが対象になるわけではないとわかります。
多くの日本人はビタミンDが不足している
東京慈恵会医科大学によると、98%もの日本人がビタミンD不足であることと、年齢が低いほどビタミンD不足の割合が高いことが明らかになりました。
ビタミンDには日光由来のビタミンD3と、植物由来のビタミンD2がありますが、今回の測定ではビタミンD2がほぼ検出されていません。
原因は食生活の変化であると考えられており、免疫を正しく機能させ健康を維持するためにも迅速に改善すべき課題とされています。
がん予防のためのビタミンD摂取方法

がん予防のためにビタミンDを摂取する場合、方法は日光浴、食事、サプリメントの3種類です。
それぞれの特徴を詳しく解説します。
日光浴
ビタミンDは紫外線を浴びることにより皮膚で生成されるため、適度に屋外に出て日光浴をしましょう。
ビタミンDの生成を促すのは、UV-Bと呼ばれる紫外線です。UV-Bは波長が短く屋内には透過しないため、屋外に出て日光を浴びる必要があります。
UV-Bを浴びた皮膚は、7-デヒドロコレステロールを材料にしてビタミンDを生成します。
必要な日光浴時間は、紫外線の強さや季節などにより異なりますが、7月の12時で比較すると那覇は約5分、札幌は約8分で10μgのビタミンDが生成されると算出されました。
ただし、紫外線の浴び過ぎは皮膚に悪影響を与えるため、長時間の日光浴は避けることが大切です。
食事
ビタミンDは、次のような食材に多く含まれています。
- きくらげ
- 干ししいたけ
- サンマ
- イワシ
- 鮭
- ブリ
ビタミンDの1日の摂取目安量は男女ともに9.0μgで、サンマやイワシ1尾、鮭1切れで十分な量を摂取できます。
脂に溶ける特性があるため、調理油やドレッシングを使用したメニューにすると、ビタミンDの吸収効率がよくなります。
また、ビタミンDは紫外線に当たると増える特性もあり、生しいたけよりも干ししいたけのほうがビタミンDの配合量は多いです。
調理前に30分ほど日光に当てることで、ビタミンDの量を増やせるため、時間があるときはひと手間加えてみるとよいでしょう。
サプリメント
日光を浴びる機会が少ない方、魚やきのこが苦手な方は、サプリメントを活用して効率よくビタミンDを摂取しましょう。
ビタミンDの配合量やタイプはサプリメントごとに異なるため、自身のライフスタイルや好みにあわせて、服用しやすい製品を選ぶとよいでしょう。
たとえば、ビタミンDの配合量は20μg~50μgが一般的です。日光浴や食事からのビタミンD摂取が、極端に少ない方には高濃度のサプリメントが適しています。
対して、ビタミンDの摂取習慣はあるものの、不足時に補えるようにしたい方には、配合量が少ないサプリメントのほうが調整しやすいためおすすめです。
また、サプリメントにはタブレットやカプセル、グミなどさまざまなタイプがあります。それぞれの特徴を踏まえて、自身が飲みやすいタイプを選ぶと継続しやすいです。
がん予防でビタミンDを摂取する際の注意点

がん予防を目的にビタミンDを摂取する際、過剰摂取や紫外線の浴び過ぎに注意しましょう。
また、サプリメントは不必要な添加物が含まれていない製品を選ぶべきです。
ビタミンDを摂取する際に気をつけるべき3つの注意点について、詳しく解説します。
日光浴は紫外線に気をつける
日光浴はビタミンDの生成を促す有効な手段ですが、紫外線を浴び過ぎると免疫機能の低下や皮膚がんのリスクが高まるため、注意が必要です。
ビタミンDの生成に必要な日光浴時間は、紫外線の量や地域により異なりますが、夏ならば5~10分程度、冬ならば30~40分程度が目安です。
日光に長時間当たり続ける必要はなく、数分ずつ細切れでもビタミンDの生成促進が期待できます。天候にあわせて日光を浴びる時間を調整しましょう。
しかし、近年は紫外線対策に取り組む方が増加傾向にあり、日光を浴びることに抵抗を感じる方も多いです。
日焼けや皮膚トラブルが気になる場合は、手のひらのみを日光に当てる方法がおすすめです。
紫外線はさまざまな皮膚トラブルの原因にもなるため、過剰に浴びないよう注意して日光浴をおこなうことが大切です。
ビタミンDを過剰摂取しない
ビタミンDを過剰に摂取し高カルシウム血症が起こると、次のような健康被害が生じる可能性があります。
- 食欲不振
- 体重減少
- 多尿
- 不整脈
- 血管や組織の石灰化
- 腎機能障がい
米国国立がん研究所は、ビタミンDを過剰摂取すると上記のような症状があらわれるリスクが高まると発表しています。
日光浴による生成には制限があるためビタミンD中毒の心配は不要ですが、食事やサプリメントでビタミンDを摂る際は摂取量に注意が必要です。
米国食事栄養委員会は、1日あたりのビタミンD摂取上限量を4,000 IU(100μg)と推奨しています。
不必要な添加物が含まれないサプリを選ぶ
サプリメントを選ぶ際は、増量剤や着色料、香料、甘味料など不必要な添加物が含まれていないか確認すべきです。
サプリメントの製造には、セルロースやゼラチン、グリセリンなどの添加物が必要不可欠です。
一方で、人工甘味料のアスパルテームや、合成着色料のタール色素は使用しなくても製造できます。
不必要な添加物を摂取しないよう、サプリメントを購入する際は必ず原材料表示を確認しましょう。
海外製品は表記ルールが日本と異なる場合があり、含まれる添加物の種類や量の把握が難しいです。
安全性を確保するためにも、成分表示が明確な国内製造のサプリメントを選びましょう。
マイクロCTC検査は全身のがんリスクを判定可能
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
マイクロCTC検査はわずか10㏄の血液検体で、血液がんをのぞく全身のがんリスクを調べられます。
検査は採血のみで、多くの方が抵抗を感じる触診や内視鏡検査はおこないません。
アフターフォローも充実しているため、がん細胞が発見された場合すぐに相談できて安心です。
高精度でがん細胞を捕捉できるマイクロCTC検査の仕組みや検査内容、アフターフォロー体制について詳しく解説します。
マイクロCTC検査の仕組み
マイクロCTC検査はCSV抗体の導入により、血液中に漏れ出た悪性度の高い間葉系がん細胞のみを高精度で捕捉できます。
がん細胞は大きく分けて上皮性がん細胞と、上皮性がん細胞が上皮間葉転換を起こし悪性化した間葉系がん細胞の2種類があります。
間葉系がん細胞は運動性を獲得するため、周辺組織や他臓器への浸潤、転移リスクが高いことが特徴です。
マイクロCTC検査では悪性化した間葉系がん細胞の個数を明示でき、がんリスクの可視化や適切な早期治療の選択に役立ちます。
採血した血液は速やかに国内の医療施設に送られるため、検体の劣化により分析精度が低下する心配がありません。
マイクロCTC検査は、CSV抗体の活用と独自の検査体制の確立により、間葉系がん細胞の早期発見に高い効果を期待できる検査です。
検査は採血のみで負担が少ない
マイクロCTC検査は1回5分、わずか10㏄の採血で、血液がんをのぞく全身のがんリスクを調べられる負担の少ない検査です。
触診や画像診断、内視鏡検査はおこなわず、前日の食事を制限する必要もありません。
通常、全身のがんリスクを調べる場合、複数の検査を受ける必要があり時間がかかるうえ、バリウムの服用や直腸診など肉体的にも心理的にも負担がかかる工程が多いです。
一方、完全予約制のマイクロCTC検査ならば、問診表の記入や支払い方法の選択は事前に済んでいるため、当日は採血のみですぐ帰宅できます。
拘束時間が非常に短く、検査にともなう痛みや抵抗も少ないマイクロCTC検査は、忙しい方や検査内容に強い抵抗を感じる方など、幅広く受けやすいがん検査です。
充実のアフターフォロー体制で安心
万が一、がん細胞が検出された場合、マイクロCTC検査センター長への無料相談が可能で、必要に応じて専門性の高い医療施設の紹介が受けられます。
マイクロCTC検査で間葉系がん細胞が捕捉された場合には、画像診断や内視鏡検査が受けられる医療施設を速やかに受診すべきです。
精密ながん検診を受けて悪性腫瘍が見つかった際は、専門医や医療機関への紹介状を作成するアフターサービスを利用できます。
センター長の太田医師は、代々木ウィルクリニックに在籍していますが、オンライン面談にも対応しているため、遠方に在住の方でも相談可能です。
がん検診で悪性腫瘍が見つからなかった場合にも、太田医師に無料相談できるため治療方針の選択に役立ちます。
マイクロCTC検査はアフターフォローも充実しているため、検査後も継続的なサポートが受けられて安心です。
がん予防とビタミンDに関するよくある質問

最後に、がん予防とビタミンDに関する3つの質問に回答します。
ビタミンDが豊富な食品や、納豆に含まれる量について知りたい方、ビタミンDを摂りすぎていないか不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。
納豆にビタミンDは含まれている?
納豆にビタミンDは含まれていません。
そのため、納豆を食べるときは魚やきのこ類を献立に加える、日光浴をして生成を促すなどの対策が必要です。
ビタミンDが豊富な食品は?
ビタミンDが豊富な食品の一例には、魚類やきのこ類が挙げられます。
とくに、魚類ではイワシや鮭、サンマやカレイ、きのこ類ではきくらげや干ししいたけ、マイタケが多くのビタミンDを含んでいます。
毎日2,000IUや4,000IUのビタミンD摂取は摂りすぎ?
健康状態や年齢により異なりますが、目安として2,000IU(50μg)は安全な範囲内、4,000 IU(100μg)は上限と考えるとよいでしょう。
高濃度サプリメントのビタミンD配合量は2,000IU(50μg)が一般的なため、毎日摂取しても過剰摂取になる可能性は低いです。
ただし、血中のビタミンD濃度が高すぎる場合には、食欲不振や多尿などの症状を引き起こすケースがあります。自身の体調にあわせて、摂取量を調整しましょう。
米国食事栄養委員会は、ビタミンDの摂取上限を4,000 IU(100μg)としています。
長期間4,000 IU(100μg)を超えるビタミンDを摂取し続け、血中のカルシウム濃度が上がると心臓や腎臓に損傷を与える可能性があり危険です。
ビタミンDを長期間摂取する場合、可能であれば定期的に血中のビタミンD濃度を測定し、適切な摂取量に調整しながら補給してください。
まとめ

近年の研究で、血中のビタミンD濃度が上昇すると肝がんをはじめとするいくつかのがんリスクが低下する傾向が見られました。
がん予防効果が期待されるビタミンDは日光浴による体内生成、もしくは食事からの摂取がおすすめです。効率的に補給したいときはサプリメントを活用しましょう。
ただし、ビタミンDを摂りすぎると食欲不振や不整脈などの症状を引き起こす可能性があるため、体調にあわせて摂取量を調整する必要があります。
がん予防を目的にビタミンDの摂取を検討している方には、がんの早期発見と早期治療に役立つマイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査で定期的にがんリスクを調べることは、がん予防につながります。早期発見できると治療の幅が広がり生存率も高まるため、積極的に検査を受けるべきです。
1回5分の採血で血液がんをのぞく全身のがんリスクを判定できるマイクロCTC検査は完全予約制です。気になる方は、公式サイトを確認するとよいでしょう。


