高濃度ビタミンＣ点滴は危険？起こる可能性がある副作用や治療を受けてはいけない方を解説

高濃度ビタミンC点滴は特定の持病を抱える方が受けると、症状が悪化する可能性があり危険です。

しかし、一般的な健康状態の方が医師の判断のもとで正しく施術された場合、危険ではありません。

血管の痛みや喉の渇きなど、軽い副作用が生じる可能性はありますが、重篤な症状の報告はないため比較的安全性の高い治療といえます。

本記事では、高濃度ビタミンC点滴療法により起こる可能性がある副作用や、治療を受けてはいけない方の特徴を解説します。

自身が高濃度ビタミンC点滴を安全に受けられるか気になる方、本当に危険性はないのか心配な方はぜひ参考にしてみてください。

高濃度ビタミンＣ点滴療法とは？

高濃度ビタミンC点滴療法とは、血中のビタミンC濃度を通常よりも高めるための治療法です。

高濃度ビタミンC点滴は、美白や美肌効果を求める方向けの施術として注目されていましたが、2007年頃からがん予防や治療補完の選択肢に挙がりはじめました。

高濃度ビタミンC点滴療法の仕組みや治療頻度、効果の持続期間について詳しく解説します。

血中のビタミンC濃度を高める治療法

高濃度ビタミンC点滴は、経口摂取では達成できない血中ビタミンC濃度を実現させる治療法です。

ビタミンCは水溶性のため、経口摂取ではすべてを体内にとどめられず、一定量は尿と共に体外へ排出されます。

対して、点滴ならばビタミンCを血液に直接注入でき、排出されずに体の隅々へと行き渡り、短時間で効率よく血中濃度が上昇します。

高濃度のビタミンCが投与されると、がん細胞を死滅させる過酸化水素が大量に発生するため、高濃度ビタミンC点滴療法はがん細胞の増殖抑制やがんの進行抑制に効果的です。

治療の頻度・効果の持続期間

がんに対する高濃度ビタミンC点滴療法の頻度と効果の持続期間は、患者の状態や治療の目的により差が生じます。

月に1～2回程度の頻度で治療を受けるケースが一般的で、効果の持続期間は1週間前後です。

中には、週に2～3回ペースでの施術を推奨する医療施設もあるため、治療の頻度は医師とよく相談して決めるとよいでしょう。

高濃度ビタミンＣ点滴療法に期待できる効果

高濃度ビタミンC点滴療法はがん予防以外にも、疲労回復や免疫力の向上効果が期待できます。

また、コラーゲンの生成を促すことで美肌効果が得られるほか、歯周病対策にも効果的です。

高濃度ビタミンC点滴療法に期待できる6つの効果について、それぞれ詳しく解説します。

がんの予防

高濃度ビタミンC点滴療法は、過酸化水素や強力な抗酸化作用の働きにより、がん予防をサポートする効果が期待できます。

高濃度ビタミンCが体内で酸化される際に発生する過酸化水素には、がん細胞を死滅させる働きがあり、ビタミンCが持つ抗酸化作用はがん細胞の増殖抑制に効果的です。

さまざまな研究により、次のような種類のがんを予防できる可能性が示唆されています。

• 胃がん
• 大腸がん
• 膵臓がん
• 肝臓がん
• 肺がん
• 乳がん
• 卵巣がん
• 子宮がん
• 前立腺がん
• 膀胱がん
• 腎がん

さまざまながんへの適応が期待できるため、多くの方のがん予防の選択肢になるでしょう。

美肌・コラーゲンの生成促進

ビタミンCにはコラーゲンの生成を促す作用があるため、弾力やツヤのある健康的な肌に近づけます。

また、メラニン色素の生成を抑制する効果、濃いメラニン色素を薄くする還元作用もあり、シミの改善や予防にも効果的です。

さらに、セラミドの生成を促進して肌の保湿力を高める効果もあり、肌荒れや乾燥対策にもなります。

個人差はあるものの、効果があらわれはじめるのは治療から数週間後で、持続期間は1週間程度です。さまざまな美容効果を維持するためには、定期的な施術が望ましいです。

抗酸化作用

高濃度ビタミンC点滴には、体内を酸化させる活性酸素の働きを抑え、老化や病気の進行を防ぐ効果が期待できます。

ビタミンCには強い抗酸化作用があり、細胞や遺伝子にダメージを与える活性酸素の活動阻害に効果的です。

活性酸素は通常であれば体によい働きをしますが、増えすぎると細胞や組織を酸化させ、老化や生活習慣病、がんなどの進行を加速させる場合があります。

高濃度ビタミンC点滴で一気に血中のビタミンC濃度を高めると抗酸化作用はさらに強まり、悪影響を与える活性酸素を無害化できます。

疲労回復

高濃度ビタミンC点滴で抗酸化作用を強め、過剰な活性酸素の活動を抑えることは、疲労を早く回復させるサポートにもなります。

ストレスに対抗するホルモンが生成される際、大量のビタミンCが消費されます。ビタミンC不足の状態では活性酸素が増加し、疲労感や体調不良、倦怠感が生じやすいです。

点滴で高濃度のビタミンCを一気に補うと血流や細胞の働きが改善し、疲れが取れやすくなります。

高濃度ビタミンC点滴による疲労回復効果は即効性があり、点滴直後から効果を実感できるケースが一般的です。

免疫力の向上

ビタミンCには、白血球の働きを活性化させて、ウイルスや細菌を排除する免疫機能を高める効果があります。

免疫力の向上は風邪やインフルエンザ、がんや生活習慣病などの予防、病気からの早期回復、アレルギー症状の緩和につながります。

疲労やストレスで免疫力が低下している際に点滴をおこなうと、血中のビタミンC濃度を効率よく高められますが、持続的な効果は期待できません。

高濃度ビタミンc点滴に頼り過ぎず、質の高い睡眠や栄養バランスのよい食事で体の調子を整えることが最も大切です。

歯周病対策

高濃度ビタミンC点滴でビタミンCを補うことは、口内環境を整えることにもつながるため、歯周病の予防や改善にも効果的です。

ビタミンCが不足した状態だと、歯ぐきに炎症や出血が見られやすくなり、歯周病の初期段階である歯肉炎を引き起こす可能性があります。

歯肉炎が進行し歯周病になると口内の組織破壊が進みますが、ビタミンCには抗酸化作用があるため、傷ついた組織の修復サポートに有効です。

また、コラーゲンの生成が進むことで歯ぐきを健康な状態に維持する効果も得られます。

正しいブラッシングや生活習慣の見直しに加えて、高濃度ビタミンC点滴をおこなうことは、歯周病対策に効果的です。

高濃度ビタミンＣ点滴療法が危険な方

高濃度ビタミンC点滴はさまざまな効果が期待できる治療法ですが、腎不全や心不全を罹患している場合、臓器の機能を低下させる恐れがあるため危険です。

また、G6PD欠損症の方、胸水や腹水が大量に貯留している方にも高濃度ビタミンC点滴はおすすめできません。

高濃度ビタミンC点滴療法が危険な方の特徴と、どのような危険性があるかについて詳しく解説します。

G6PD欠損症

G6PDの量が通常よりも少ないG6PD欠損症の方が高濃度ビタミンC点滴療法を受けると、赤血球が破壊され、重度の溶血性貧血を起こす可能性があります。

G6PD欠損症とは、赤血球機能の維持に欠かせないG6PDの働きが生まれつき不十分な病気のことです。

溶血性貧血は一般的な貧血症状であるめまいや立ちくらみ、動悸、息切れに加えて、黄疸や脾腫がみられるケースもあり、重症になると輸血も検討します。

日本人でG6PD欠損症に該当する方は、数千人に一人程度の割合でいるとされていますが、基本的に無症状のため、自身がG6PD欠損症だと知らない方も多いです。

高濃度ビタミンC点滴療法を受ける際は、必ず事前に検査を受けて、自身がG6PD欠損症ではないことを確かめてください。

腎不全・心不全

腎不全や心不全の方が高濃度ビタミンC点滴を受けると、現在の症状が悪化する恐れがあり危険です。

腎不全の方や人工透析をしている方は、高濃度ビタミンC点滴によりシュウ酸の量が増加し、腎機能がさらに低下する可能性があります。

また、心不全の方が濃度の高い点滴を受けると心臓への負担が増し、心不全の症状を悪化させるリスクがあります。

そのため、腎不全、心不全の方は高濃度ビタミンC点滴療法を控えるべきです。どうしても受けたい場合は、医師とよく相談してください。

大量の胸水・腹水の貯留

胸水や腹水が大量に貯留している、強いむくみが見られるときに高濃度ビタミンC点滴を受けると水分負荷がかかり症状が悪化する可能性があります。

体内に水分が貯まり排出されにくい状態のときは、点滴の投与を避けるべきです。状態が改善したタイミングで治療を検討したほうがよいでしょう。

高濃度ビタミンＣ点滴療法に危険な副作用はある？

高濃度ビタミンC点滴療法で危険な副作用が起こる可能性は極めて低いですが、軽度の副作用が生じる可能性はあります。

高濃度ビタミンC点滴療法による副作用について、詳しく解説します。

重篤な副作用はほぼない

高濃度ビタミンC点滴療法によるがん治療で世界的に有名になったアメリカのリオンダンクリニックは、副作用による死亡例はないと発表しています。

累計数万件以上の高濃度ビタミンC点滴療法を実施した結果、生じた副作用はいずれも軽度でした。

そのため、高濃度ビタミンC点滴療法は安全性の高い治療といえるでしょう。

起こる可能性がある副作用

重篤な副作用が生じる可能性は極めて低いですが、次のような軽度な副作用が起こる可能性はあります。

• 血管の痛み
• 喉の渇き
• 低血糖
• 低カルシウム血症
• 見せかけの高血糖
• 尿路結石
• 吐き気
• 頭痛
• アレルギー

血管の痛みは、高濃度ビタミンC点滴療法に限った副作用ではありません。

点滴中の血管痛は痛い部分を温める、点滴の速度を落とすなどの対策が有効です。痛みがあるときは、我慢せず医療スタッフに申告しましょう。

高濃度ビタミンC点滴には利尿作用があるため、喉が渇きやすくなります。

低血糖状態になるとめまいや冷や汗などの症状が出ます。空腹状態での点滴を避けることで対策できるケースがあるため、点滴前に食事をしておくとよいでしょう。

ビタミンCとカルシウムが結合するとカルシウムの排出が進み、低カルシウム血症を起こす場合があります。症状は体の震えやしびれです。

点滴後の数時間は、実際の血糖値より高い数値が計測される場合があります。インスリン治療を受けている方は医師に相談して、インスリンの量を調整する必要があります。

尿路結石や吐き気、頭痛、アレルギーなどの症状は極めて稀ですが、起こる可能性はゼロではありません。治療後に異常を感じたらすぐに医師に連絡して指示を仰ぎましょう。

【結論】高濃度ビタミンＣ点滴療法に危険性はない

高濃度ビタミンC点滴療法は、事前検査や医師の判断のもとで適切な治療がおこなわれれば危険性はありません。

ただし、G6PD欠損症の方、心不全や腎不全の方、胸水や腹水が貯留している方が高濃度ビタミンC点滴を受けると危険をともなうケースもあるため、注意が必要です。

軽度の副作用は稀に起こりますが重篤な症状の報告はないため、高濃度ビタミンC点滴療法は比較的安全性の高い治療法といえるでしょう。

高濃度ビタミンＣ点滴療法は保険適用される？

高濃度ビタミンC点滴療法は自由診療のため、保険は適用されません。1回の料金は医療施設により異なりますが、1～3万円程度が相場です。

高濃度ビタミンC点滴療法の料金について、詳しく解説します。

保険適用外の自由診療

保険適用外の自由診療となる高濃度ビタミンC点滴療法は、全額自己負担です。

原則、医療費控除の対象外となりますが、治療または療養に必要である場合には医療費控除の対象になるケースがあります。

治療費の医療費控除を検討している方は、必ず領収書を保管しておきましょう。

料金相場の目安

高濃度ビタミンC点滴療法1回の料金は、1～3万円程度が相場です。差が生じる理由は、医療施設により料金設定が異なるためです。

ビタミンC製剤は品質や原産地、投与量により料金が大きく異なるほか、医療施設の立地やスタッフのレベルなども料金設定に影響します。

相場より大幅に安価な料金で受けられる場合、ビタミンC製剤の質や管理状態がよくない、医師が経験不足である可能性も否定できません。

高濃度ビタミンC点滴療法を受ける際は安さのみで選ばず、使用しているビタミンC製剤の種類や品質、医師の技量に見合う料金なのかを重視しましょう。

マイクロCTC検査でがんの早期発見が可能

がん予防や免疫力アップを目的に高濃度ビタミンC点滴療法を受けようか検討している方には、悪性化したがん細胞を高い精度で捕捉できるマイクロCTC検査がおすすめです。

マイクロCTC検査によるがんの早期発見は、治療の選択肢を増やして生存率を高めることにつながります。

検査内容は採血のみで、所要時間は1回5分と非常に短時間です。忙しくてがん検診に行く時間が取れない方も受けやすいでしょう。

検査は180件以上ある全国の提携クリニックで受診できます。

高濃度ビタミンC点滴療法を受けようか悩んでいる方、危険性はないのか気にしている方にマイクロCTC検査をおすすめする3つの理由を詳しく解説します。

がんは早期発見・早期治療が重要

がんはステージが進むにつれて5年生存率が低下するため、早い段階でがん細胞を見つけ出し、迅速に治療をはじめることが重要です。

マイクロCTC検査は血中に漏れ出たがん細胞を検出する検査で、浸潤や転移力を持つ悪性度の高い間葉系がん細胞のみを捕捉できます。

間葉系がん細胞の検出は、すでに浸潤や転移をしているがん、もしくはこれから浸潤や転移するがんが体内にあることを意味しています。

触診や画像診断では、まだ小さい初期のがんを見落とし、治療開始が遅れるケースもありますが、細胞の捕捉が可能なマイクロCTC検査ならば早期発見が可能です。

がんは発見が早ければ早いほど体への負担が少ない治療を選択でき、5年生存率も高水準です。

定期的にマイクロCTC検査でがんリスクを調べることは、健康維持やがん治療の負担軽減につながります。

1回5分の採血で全身のがんリスクを判定

マイクロCTC検査は1回5分、わずか10㏄の採血で、血液がんをのぞく全身のがんリスクを判定できます。

通常、全身のがんリスクを調べる場合、前日から食事制限をおこない、当日は複数の検査を受けるため長時間拘束されるうえに、費用相場も30万円前後と高額で、肉体的にも金銭的にも負担が大きいです。

対して、マイクロCTC検査は予約時に問診票の記入や支払い方法の選択を済ませているため、当日の拘束時間は非常に短いです。

前日の食事制限、当日のバリウムや下剤服用は不要で、多くの方が抵抗を感じる直腸診もおこないません。

費用は198,000円（税込）で、全身のがん検診より10万円ほど安いです。

マイクロCTC検査は、時間や費用、肉体への負担を抑えながら、全身のがんリスクを高精度で判定できるがん検診です。

全国の提携クリニックで受診できる

マイクロCTC検査は、全国に180件以上ある提携クリニックで受診できます。

居住地や勤務地の近く、外出先や出張先、旅行先など都合にあわせて来院しやすいクリニックを選べます。

受診結果はオンラインで確認できるため、再来院は不要です。

万が一、がん細胞が検出された場合には、マイクロCTC検査センター長の太田医師に無料で相談できます。

太田医師は代々木ウィルクリニックに在籍していますが、遠方在住の方の相談にはオンライン面談で対応しているため、来院できない方も安心です。

高濃度ビタミンＣ点滴療法の危険性に関するよくある質問

最後に、高濃度ビタミンC点滴療法の危険性に関するよくある質問に回答します。

高濃度ビタミンC点滴の効果や白髪との関係を知りたい方、ほかの治療と併用できるか気になる方はぜひ選考にしてみてください。

高濃度ビタミンＣ点滴は意味ない？

高濃度ビタミンC点滴療法はがん予防や美容効果、疲労回復、抗酸化作用などが期待できる治療法で、決して無意味ではありません。

本記事で紹介したように多くのメリットがあるため、改善したい症状がある方は施術を検討するとよいでしょう。

高濃度ビタミンＣ点滴で白髪が増える？

高濃度ビタミンC点滴で白髪が増えたといった報告はありません。

高濃度ビタミンC点滴のメラニン生成抑制効果により、髪の毛に色を付けるメラニンが減少し白髪が増えると心配する方も中にはいますが、関連は報告されていません。

どうしても気になる方は、医師に質問するとよいでしょう。

他の治療と併用できる？

高濃度ビタミンC点滴療法は、抗がん剤治療や放射線治療と併用可能です。

がんの治療中は、吐き気や食欲不振、倦怠感などさまざまな副作用が生じやすいですが、高濃度ビタミンC点滴療法の併用により症状が軽減する傾向が見られました。

まとめ

高濃度ビタミンC点滴はがん予防に効果的な治療法ですが、心不全や腎不全、G6PD欠損症の方、腹水や胸水が貯留している方は現在の症状が悪化するリスクがあり危険です。

とはいえ、一般的な健康状態の方が事前検査や医師の判断のもとで適切な治療を受けた場合、危険性はありません。

血管痛や喉の渇きなど軽い副作用が起こる場合もありますが、重篤な症状の報告はないため、比較的安全性の高い治療といえます。

がん予防のために高濃度ビタミンC点滴療法の施術を検討しているものの、安全性に不安がある方、持病により施術が難しい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。

悪性度の高いがん細胞のみを高い精度で検出できるマイクロCTC検査は、がんの早期発見や早期治療に役立ちます。

定期的に検査を受け、がんのリスクを調べることはがん予防に非常に効果的です。

1回5分の採血のみで血液がんをのぞく全身のがんリスクを判定できるため、効果的ながん予防に取り組みたい方には受診の検討を推奨します。

効率的な検査で肉体への負担を最小限に抑え、健康維持に取り組みましょう。